レーザーの歴史
① レーザー発想の誕生と黎明期
② レーザー脱毛器の誕生
③ あざやほくろに効くレーザーの登場
④ 画期的な色彩的老化の治療法 IPL の登場
⑤ 形態的老化へのアプローチ RF の登場の歴史
⑥ 肌を入れ替える スキンリサーフェシングレーザーの登場
⑦ レーザーによる肝斑治療
⑧ アブレイティブ・フラクショナルレーザー機器の登場
⑨ アンチエイジング市場におけるレーザーの躍進
⑩ 「レーザーアンチエイジング」というジャンルの確立~フラクショナルレーザー登場による市場の変化・拡大
⑪ HIFUによるリフトアップ効果がFDAで承認
⑫ ピコ秒レーザーの誕生
⑬ 伊DEKA社の躍進とhaloの登場
⑭ フラクショナルレーザーによる新たな道筋「ドラッグデリバリー」
⑮ レーザー治療は遺伝子に影響を与えるのか
⑯ レーザーによる痩身市場の開拓
⑰ 粘膜に照射する美容レーザーの誕生
⑱ HIFEMの登場
形態的老化(たるみ、しわ)へのアプローチ RF の登場
- 2002
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2002年にはラジオ波(Radio freaquency)という電流を使用した治療法がASLMS(米国レーザー学会アトランタAtlanta)で発表されました。光やレーザーを利用するのではなく、電流を使用する治療を提示したのです。
この治療はたるみに代表される「形態的老化」に効果を発揮します。
単極(モノポーラ)RFである サーマクール(ThermaCool)がカルフォルニア州のサマージ(Thamage)社より発売され、話題騒然となりました。サーマクール(ThermaCool)は、電気メスのRF技術を利用した、顔のたるみを治療するために作られた機械でした。
キースというアメリカ海兵隊出身の50歳過ぎのCEOが、何年という開発期間を経てこの機械を市場に出したのです。サーマクール=サーメージには、大きく分けて二つの効果があります。
ひとつは、しわやたるみを改善し、肌を引き締めながらリフトアップする効果です。真皮層内のコラーゲンが RF(高周波) の熱により収縮することで、即効的に引き締め効果が現れます。もうひとつは、コラーゲンの活性化による美肌生成。RF の熱で壊れたコラーゲン繊維が修復される過程で、大量のコラーゲンが作られ活性化していきます。
施術を受けたクライアントの感想は- 肌の張力を感じる
- 頬が痩せたような気がする
- 頬に張りが出てきた
- 額に張りが出てきた
- 鼻唇溝(ホウレイ線)が浅くなった感じ
- 皮膚の内側に張りがある感じ
- 額がつるつるした感じ
- 2週間後から毛穴がしまった感じ
- 子供から皮膚感が違うと言われた
- 痩せたと言われた
- アゴのラインがきれいになった
- 直後からピーンと張った感じ
- 1~2週間で効果が出てきた
- 頬からアゴにかけて小さくなった
- 頬の小じわが改善されてきている
- 眉が上がって目が大きくなった気がする
- 皮膚にツヤが出てきた
- 自分自身でも頬の変化を感じる
- 痩せたと言われる
- 口角が上がったと人に言われる
・・・というように上々でしたが、反面決定的な弱点として施術中の痛みがあり、これが特にクローズアップされることになります。痛みを軽減すべく多くの医師たちの努力によって、サーマクール の施術方法は下記のように毎年変わってきました。
- 2003
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アトランタ開催の 米国レーザー学会(ASLMS) にて サーマクール・デビュー
全顔ハイパワー照射法が奨励されました。
- 2004
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ダラス開催の米国レーザー学会(ASLMS)
ルイス・エスパーザー医師による アンカリングメソッド法 の発表。
痛みの少ない照射法が検討されました。
- 2005
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オーランド開催の米国レーザー学会(ASLMS)
全顔マルチプルパスおよびベクトル法 の発表。アンカリングメソッドを生かして、個々のクライアントに合わせた、テーラーメードの照射法が検討されました。
- 2006
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ボストン開催の米国レーザー学会(ASLMS)
照射面積3cm2 従来の三倍の面積のビッグチップ
照射面積0.25cm2 のまぶた専用スモールチップ
2つのチップの登場により、顔だけではなくて、ボディーに対しても効果的な治療法が検討されました。
- 2003
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サーマクールの成功を受けて、たるみすなわち形態的な老化に対しての治療法が模索されるようになりました。
その対抗馬として、2003年にイスラエルのシネロン社がelosシステムをダイオードレーザーと組み合わせた ポラリス(現ePlus WRA)を登場させます。
ポラリス はサーマクールに比べると痛みが少ないため、体のどの部位にも使用することができました。バストアップやヒップアップの体験症例も多くありました。次に、「痛みのないサーマクール」 として脚光を浴びることになる タイタン(Titan)という機器がカリフォルニアのCUTERA社から2003年に発売されます。
この タイタンは 1100-1800nm という赤外線(IR)域の光が皮膚深くまで浸透するという性質を利用して開発されたたるみ治療機です。
以後、タイタンとポラリス、サーマクール は学会会場でもたるみ効果の判定で、頻繁に比較されるようになりました。
- 2006
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2006年シネロンはelosシステムとIRを利用した、リファームST(SKIN TIGHTNING)という機械を開発しました。
カナダのトロントから2006年9月に Dr. Stephen Mulholland が来日してこの発表会があり、私も立ち会いました。
リファームST の効果は波長に比例します。
つまり、同じ理論の ポラリス よりも深い部分にエネルギーが照射されるのです。引き上げ効果はかなりのものであると人気を博します。
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