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エンライトンSR

色素に関するケアと、真皮上部のリジュビネーション、真皮内のコラーゲンやエラスチンを増やす肌作りを、同時に行うことができます。

enLIGHTEN SR

The PICO genesis laser procedure not only to treat common pigmentary concerns but also to treat low contrast lentigines or lighter brown spots.

レーザー機器紹介:エンライトンSR(enLIGHTEN SR)

こんな方におすすめ

  • シミなど光老化に対する、アドバンス・ケアをしたい
  • コラーゲンやエラスチンを増やし、みずみずしい肌を取り戻したい
  • ダウンタイムや痛みが少ない治療を希望している
  • 肌のキメを整え、お化粧のノリを良くしたい
  • 即効性がありながらも、周囲から見て自然な形でのアンチエイジングを目指している
  • アグレッシブなレーザー機器を施術する前のお肌の土台づくりに
  • 治療直後からメイクアップをしたい
  • 肌を全体的に若返らせたい
  • 肌の基礎工事が終わり、さらに上質な肌を目指したい
  • 手の甲や首など顔以外のエリアの色味ケアと肌作りに

エンライトンSR(enLIGHTEN™SR)の特長

enLIGHTEN™SR(以下、エンライトンSR)は「SKIN REVITALIZATION(スキン・リヴァイタリゼーション)」つまり「肌の再生」をもたらす、最新のピコセカンドレーザーです。

エンライトンSRを使って、PICO Genesis(低出力照射治療)による色素に関するケアと、PICO Genesis FX (ピコフラクショナル)の真皮上部のリジュビネーション、真皮内のコラーゲンやエラスチンを増やす肌作りを、同時に行うことができます。また、PICO Genesis spot treatment で今まで取りきれなかったシミに対するスポット照射を組み合わせて行うことも可能です。つまり、色に関する悩みと肌作りを同時に実現する、e-plusを使った肌の基礎工事を終えた方のための上位機種といってもいいでしょう。

エンライトンSR は532nm、1064nmの2つの波長と、750psのパルス幅をもつNd:YAGレーザーです。
この2つの波長によって「色味」に対する治療の加減を、アグレッシブにもマイルドにも、また中程度にも自在に調整します。

PICO Genesis(低出力照射治療)では、全ての肌に最も安全で、なおかつ真皮層の若返りに効果的な1064nmの全顔照射によるスキン・リジュビネーションを行います。PICO Genesis FX (ピコフラクショナル)ではMLA(マイクロレンズアレイ)を使用したリジュビネーションのほか、色味のケアやシワ、ニキビ痕などにも効果があります。PICO Genesis spot treatment は532nm、1064nmそれぞれの単体波長を選択して行う良性色素性疾患に対するスポット治療で、PICO GenesisやPICO Genesis FX と組み合わせて照射することができます。

従来のレーザー機器がナノ秒(10億分の1秒)で肌に「熱」を発生させることで色素を破壊していたのに対し、エンライトンSRはピコ秒(1兆分の1)という驚異的なスピードで「衝撃波」によって色素が粉砕されます。

エンライトンSRの衝撃波によって、従来のレーザー機器よりも細かく極小レベルまで粉砕された色素は、より速やかに代謝され、体外へと排出されます。従来のシミ治療が岩を砕き、小石の状態にするところまでしかできなかったのに対し、岩を砕きその粒子をさらに砂のように細かくするようなイメージです。そのため、既存のレーザー機器では取りきれなかったシミやくすみ、細かい色素にも効果が期待できるのです。

熱によるダメージが少ないのも特徴で、従来のQスイッチレーザーよりも痛みや炎症後の色素沈着などのリスクが軽減し、ダウンタイムの心配もほとんどありません。(※ただし、スポット照射を行なった場合は1週間程度茶色いカサブタが出現します。)そのため、お顔よりも色素沈着のリスクが高かった手の甲や首などお顔以外のエリアの色味ケアと肌作りにも対応できます。

施術について

洗顔後、そのまま照射に入ります。PICO Genesis(低出力照射治療)、PICO Genesis FX(ピコフラクショナル)共に、照射中は皮膚の上で輪ゴムを弾いたような感覚が細かくパチパチと続きます。照射時間は照射の組み合わせにもよりますが、15分~20分程度です。基本的には麻酔不要の機器ですが、痛みに弱い方はご用意することも可能です。(別途料金 \5,000 税別)

照射後数日間、当院指定のスキンケア製品をお使い頂きます。
施術後に乾燥が気になる場合やメラニンの還元を早めたい方には、ビタミン導入((別途料金 \5,000 税別)の併用をおすすめいたします。

PICO Genesis は基本的にダウンタイムはございませんが、ほんのり赤みが出ることがございます。
PICO Genesis FXは皮膚の奥に内出血による点状斑が出現する場合がありますが、数日~1週間で自然に消失します。
シミへのスポット照射を行なった場合は、1週間程度茶色いカサブタが出現します。
スポット照射の部位を除き、メイクも施術直後から可能です。

照射間隔

トリニティプラスの照射3~4回に対して1回の割合での照射をお勧めいたします。
PICO Genesis は単体であれば、2週間~4週間に1回照射が可能です。
PICO Genesis FX は1ヶ月以上間隔をあけて照射してください。

ピコセカンドレーザーについて

2012年、米国FDA(Food and Drug Administration)が、刺青と良性の色素沈着に対して、ピコセカンドレーザーを承認し、2013年に米国市場にピコ秒レーザーが導入されました。工学的なレーザーではピコ秒の上のフェムト秒レーザーも存在します。そういった意味では、ピコ秒レーザーは皮膚医療レーザー技術の革命というよりは進化過程の改善かもしれません。

ピコ秒レーザー自体は90年代に機器とともにいくつかの報告症例が論文化されています。
1996年 Kilmer 800nmのTi: Sapphire Laser 100フェムト秒 100ピコ秒 400ピコ秒 にて刺青除去検証(猫の皮膚)
1998年 Ross 1064nm Nd:YAG 35ピコ秒 10ナノ秒 との刺青比較 (ヒト)黒色の刺青のみピコに有意性あり
しかしながら、機器の安定性が低かったため、実用化には至りませんでした。

事実上のピコ秒レーザーの解禁となった2013年には、サイノシュア社、キュテラ社、キャンデラ社の米国3社のピコ秒レーザーが揃い、レーザー医学会や皮膚科学会でも大変大きな注目を浴びました。

当初ピコ秒レーザーが注目を上げた理由、つまりレーザー技術者たちの目論見は3点あります。

1)カラーブラインドで刺青の色素が取れるのでは?
2)肝斑に対して画期的な対処法になるのでは?
3)光熱作用ではなく、光音響作用が起こり、標的物の破壊理論が変わるのでは?
という点でした。

刺青の治療においては、ピコセカンドレーザーはナノセカンド発振のQスイッチレーザーと比較して治療効果が高く、少ない治療回数でインクが除去でき、瘢痕形成などの合併症が少ないことが報告されています。しかし、1)のカラーブラインドについては、2015年米国で、高額な機器を購入したのに、カラーブラインドで刺青が取れなかったと医師がサイノシュアを訴訟したという事件が起こり、実際にはあまり効果がないことがわかってきました。その証拠に 1064 / 532nm 755nm以外の第三の波長を各社が模索しているという現状があります。とはいえ、使用可能な波長の増加に伴い様々な色の刺青に対応できるようになっており、今のところでは他の治療法よりも有効性と安全性が高く、刺青に対して最も効果的であるとされています。

2)の肝斑治療に関しては、実際のところ、キラーコンテンツにはなりえなかったというのが現状です。肝斑のメラニン粒子は、単に色素粒子が小さいわけではないのです。ピコ秒レーザーを照射した場合、ナノ秒と比較して、表皮内には小さい空胞(LIOB Laser Induced Optical Breakdown)の出現をみますが、これは、分子乖離ではなくて、水が水蒸気になった際に起こった現象です。

最後に3)の光音響作用についてです。

Qスイッチレーザーが皮膚に照射された場合に起こる反応は「光熱作用」と「光機械作用」に分けられます。
パルス幅が長ければ光熱作用の影響が強く出て、パスル幅が短ければ光機械作用の影響が多く出るという風に考えてみるとわかりやすいでしょう。

光機械作用の中には、パワー密度が上昇することにより、光音響効果、蒸散、光アブレーションという三つの作用が段階的に起こります。
パルス幅がナノ秒以上のレーザー機器では、レーザー光が標的物質のメラニン色素に吸収された際に、熱によって色素が破壊されたり、放熱のヒーターになることがわかっています。このために同じ波長のレーザーにより脱毛が出来たり、シミが取れたりするのです。
ナノ秒レーザーによって、照射されたターゲットに吸収された熱が周りの組織に拡散するのに要する時間(thermal relaxation time: 熱緩和時間)の半分より短い時間に照射された場合は、組織が破壊される方向に働きます。この、熱緩和時間はクロモファーを含む構造体のサイズで決まります。

一方、ピコ秒以下のレーザー機器で照射された場合は、光機械作用のうち、光音響効果が強く作用されます。熱ではなく、衝撃波によりメラニン色素を破壊することができます。

1)メラニン色素を構成する分子が光子を吸収して、原子の格子振動が分子間を伝播していく過程で、熱エネルギーに変わり、メラニン顆粒全体の温度が上昇していく。
2)メラニン顆粒の内部のH2O、つまり蛋白と結合している結合水が温度の上昇に伴い膨張、気化する過程で、メラニン顆粒内部から外側に向けて、応力(圧力)が発生する。
3)これによってメラニン顆粒が破壊される時、この応力が緩和されたことになる。
したがって、照射開始時から応力破壊が起こるまでの時間を応力緩和時間と考えるのが普通でしょう。

ちなみに応力破壊時の圧力波は、音速で伝わると言われているので、応力緩和時間とはメラニン顆粒の半径を音速で割った値という方もいらっしゃいますが、そもそも応力はメラニン顆粒の中心から発生して外側に伝わるわけではないし、メラニン顆粒爆発までの時間は温度の上昇スピードに依存するのは自明です。

この時、応力緩和時間が討論に出されることが多いのですが、ターゲットに到達するエネルギー密度、波長できまる吸光度等から、実際には個々のメラニン顆粒の温度上昇スピードが異なるので一義的に決定されるものではないために、熱緩和時間のように固定値ではありません。

パルス幅がナノ秒のレーザーでは、光熱的反応(photo-thermal effect)が支配的になり、熱による標的周囲組織の変性が少なくなります。
良性色素性病変に関して、Qスイッチレーザーよりも合併症の発症頻度が低いことが報告されています。

さらに2014年にはニキビ跡やしわ治療用のレンズ(diccractive lens array)が米国FDAに承認されました。これは高フルエンススポットに光を再分配する新規回折レンズアレイで、ピコセカンドレーザーのフラクショナル照射が可能となったのです。これによりピコセカンドレーザーは刺青だけでなく、真皮のリモデリングや色素性病変を含めた、いわゆる若返り治療「スキン・リヴァイタリゼーション」にも応用される様になりました。

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