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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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ポータブル・フラクショナルレーザー機器

昨日はシンガポールから技術者で20年来の友人がクリニックを訪ねてくれました。

サンディエゴの会社で新たなポータブル・フラクショナルレーザー機器を作ったそうで試作品を持ってきてくれ、1時間ばかり歓談しました。

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機器はパテントを通し、FDA認可を待っているそうですが、これは凄い。

10年前のフラクセルデュアルのすべての機能を、正にポータブルで実現しています。

ダイオードレーザーの工学的進化のおかげで実現したのですが、自宅などで、レーザーアシストによるドラッグデリバリーシステムに使えますね。

せっかくなので僕の薬学博士号のDDS論文のを進呈しましたが、フラクショナルレーザーが格安になり、新たな未来市場が見えてきましたね。


「なぜ、経営者や医師は酸素カプセルを使うのか?」

2018年5月発売の最新刊です。

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今回は高圧酸素療法について。2012年にペインクリニック誌に高圧酸素療法を痛み治療についての依頼論文を書きましたが、こちらを疲労回復に使用できないかと思い、著作にまとめました。
以下、はしがきです。
実は昨年5月に、左手の親指の先端を骨折しました。

私は今、専門の医工学の分野で、年間20回以上海外出張し海外の学会で招待講演をする仕事をしています。

日程によってはかなりハードな出張も多く、時差ボケでボーっとしている時間に車の扉に指を挟んでしまったのです。

パキッと音がしたのを感じて、顔面蒼白になりました。

幸いにも関接は絡んでいなかったのですが、骨折の場合は全治6週間が相場です。

左手だったからまだ良かったのもの、日常の診療にもかなり差し障りがあります。

なんとかして早く治す事が出来ないかと思った時にふと思い出したのが、痛み治療の医師専門雑誌である「ペインクリニック」誌で依頼原稿を書いた時に総説した「高圧酸素療法」でした。

サッカー選手のベッカムを始めとする世界のアスリートが骨折治療や疲労回復に酸素カプセルを利用しているという話をふと思い出したのです。

2008年の北京オリンピックでは高圧酸素療法がドーピングの一種ではないかと議論もありましたよね。
高圧酸素療法の治療を行う事ができる施設を探したのですが、知人の伝手を辿って、東京駅の八重洲口にある企業で、デモ機器を体験させていただき、60分間酸素カプセルに入ったところ、左手親指のジンジンとした痛みがピタリと消えてしまいました。

その絶大な効果に衝撃をうけ、高圧酸素療法の未来を感じたのです。
高圧酸素療法と、酸素カプセルは厳密にいうと気圧の上限が違います。

病院などで利用できる高圧酸素療法は2-3気圧まで気圧が上がるのに対して、フィットネスクラブなどの一般の施設で利用可能な酸素カプセルは1.3気圧を上限に設定されています。
人間の病気の多くは組織の酸素不足から起こります。

これらを組織の酸素飽和度を上げる事で改善するのです。

高圧酸素療法には二つの意味合いがあります。

一つはもちろん多くの酸素を体に加える事ですが、もう一点は高圧にするという点です。

低気圧が近づくと、なんだか体調が悪く鬱になる人は多いと思います。

また日本の冬の季節に、高気圧の南の島にゆくと、その年の免疫力が上がり風邪をひきにくくなり、気持ちが晴れやかになるというのは一般人でも経験的に感じる事だと思います。

高圧にすることで人間に与えるよい影響も多いと考えられます。

さらに高圧になると、ヘモグロビンと結合する酸素に加えて、血液中に溶解する溶存酸素量も増えますので、組織への酸素効率もより高くなるのです。
一方高圧酸素療法は良い点ばかりではありません。

医師としては、酸素が体に害があることは常識です。体の老化とガン化に活性酸素が関わっており、人体に吸収された酸素の約2%が活性酸素になるのです。

高圧酸素療法を行う事で最も気になった点は、体内の活性酸素が増えるのではないかという事でした。この点については多くの論説が出ていますが、本文中に記載した通り、私も実験を行い、実際には影響がないというように結論付けました。
よろしかったらお読みください。また予約ができるようになりましたらアップしますね。


数字の3にこだわることで健康状態は維持できる

お早うございます。

今日は連休前日。今週金曜土曜のクリニックFは藤本外来です。

予約も満杯で、キャンセル待ちをいただいている状況です。有り難い限りです。
今日も集中力を切らさず、頑張ろうと思います。
さて、ここ数回様々な出版社、編集者の方から
どのような化粧品や日焼け止め、サプリを飲む(使う)べきでしょうか?
どの様なシャンプーを使うと育毛効果がありますか?
といった質問を受けました。
同業者であれば気持ちをわかってもらえると思うのですが、こういった質問は医師にとってとても答えづらいものです。

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個人の健康資質とは、持って生まれたDNAや、年齢に比例した抗酸化力、食生活、それまで培ってきた健康状態、さらに腸内細菌叢(腸内フローラ)などによって変化する、非常に複合的なものであり、良いものと悪いものは、個人個人で違うことが当たり前です。
ある人にとって必要な物質は、ある人にとっては全く必要ないものかも知れません。
そして、どんな薬品であれ、サプリメントであれ、オーガニックな物質であれ、
「身体に良いもの(効能があるもの、必要なもの)」

「身体に悪いもの(アレルギー反応があるもの、蓄積してしまうと害になるもの)」
がどちらも含まれています。
さらに、医療理論や、健康理論、美容理論は絶えず進化し、変化するものですから、一つの手法にBettして(賭けて)しまうのは危険です。
ある論文を境に理論が正反対になってしまうかもしれないからです。
ではどうしたらよいか?
一番よい方法は、個人の感性を豊かにして、自分に合う方法を探す事。それもひとつではなく、三つ探すことが肝要です。
誰かに勧められて、または有名人がやっているから、といった理由でひとまずスタートするきっかけを得るのは良いと思います。
問題はその後の継続で、闇雲にただそこに固執し続けるのではなく、その手法や薬が本当に自分に合っているのか、日々の生活の中で考えるという事が毎回毎回必要なのです。

右に倣えが得意な日本人の特性としてこれは言うは易く行うは難しでなかなか難しいとは思いますが、そういう時は一つに絞り込もうとせず、選択に幅をもたせ3つ常に用意することをお薦めしています。
三位一体、トリニティ。鼎立。よい言葉は様々ありますが、サプリや、化粧品、シャンプーなどは、気に入ったもの、なんとなくこれは良い気がする、これを使うと気分が良い、といったあいまいな理由で結構ですので、ひとまず三品目選び、それぞれ順番に違うものを使いまわして行く。

あるいは、最もよいと自分で思うサプリや生活習慣をそれぞれ3つみつけ、その3つを順番に行う。
「身体に良いもの」であれば、3種類の手法のメリットを受ける事ができますし、例えば、ある商材に製造工程で何か「身体に悪いもの」が含まれていたとしても、リスクを三分の一にできます。
健康を維持するというのは、病気の様に原因に対処するオフェンシブ(攻撃的)な考えではなく、全ての侵害刺激から身を守るディフェンシブ(防御)能力を上げる様な事が必要なのです。


エディターズチョイスの論文

今世紀になって理系の科学が大きく進化したのは、機器が進化して測定技術が向上したからという理由も多いのです。

診療上で生まれた謎をいかに立証するか、自然科学の物理(工学)、化学(薬学)、生物学(医学)の立証手段を用いて証明するというのが僕がここ数年間取り組んでいることですが、証明手法を作り上げるというのも研究の大切な一部なのですよね。

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今日クリニックFに届いた米国レーザー医学会誌。

エディターズチョイスの論文が優れていたのでご紹介しますね。

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この論文は、非侵襲型の脂肪減少医療機器の94論文を横断評価して、エネルギーベースや、評価方法を総括したものです。

痩身機器をエネルギーベースで比較した場合、ラジオ波44% HIFU 33% 氷結 20% ローレベルレーザー 3%の評価論文が出ています。
新しい痩身機器が出たときに皆が苦労するのは、その立証方法。肥満治療や脂肪減少治療の評価の論点としては、客観的なものとして腹囲測定、超音波測定、MRT、CT、組織写真、脂肪測定器、3D写真などがあり、主観的なものとして通常写真、患者満足度、二重盲検による評価などなどがあり、それぞれの弱点や対処法などにも触れています。
今ちょうどクリニックFでは評価しなければならない新たな痩身機器のテスト依頼が来ていますので、まさにタイムリーな総括論文でしたよ。ありがたいですね。


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