本日朝8時半に無事帰国し、クリニックFで外来をしています。
一週間のお休みを頂いていましたので、朝から大忙しでしたが、ようやく一息つきました。
出張中はご迷惑をおかけしました。
今回のドイツ出張には、エールフランスを使いましたので、パリCDG空港経由。
航空機にディレイがあったものの、初めてのA380の機体に個人的には大満足でした。
国際学会周遊記のドイツ編は来週から書き始めようと思います。
本日朝8時半に無事帰国し、クリニックFで外来をしています。
一週間のお休みを頂いていましたので、朝から大忙しでしたが、ようやく一息つきました。
出張中はご迷惑をおかけしました。
今回のドイツ出張には、エールフランスを使いましたので、パリCDG空港経由。
航空機にディレイがあったものの、初めてのA380の機体に個人的には大満足でした。
国際学会周遊記のドイツ編は来週から書き始めようと思います。
ミュンヘンからのフライトで、パリ・シャルル・ド・ゴール空港にやってきました。
いよいよ帰国となります。
土曜日の朝より外来を再開いたしますので、またよろしくお願いいたします。
こちらはバイロイトで購入したリヒャルト・ワーグナー生誕200周年記念式典コンサートのパンフレットです。
シリアルナンバー付きでした。
僕も毎年かなりの数のパフォーマンスを観ていると思いますが、ワーグナーのオペラは格式といい、思想性といい、芸術性といい僕にとって特別なものです。
ワーグナーのオペラは平均4時間。
筋も難解で謎が多く、中でも「ニーベルングの指輪」の4部作は、音楽史上最大規模の作品です。
■序夜 「ラインの黄金」(Das Rheingold):2時間40分
■第1日 「ワルキューレ」(Die Walküre):3時間50分
■第2日 「ジークフリート」(Siegfried):4時間
■第3日 「神々の黄昏」(Götterdämmerung):4時間30分
簡単にあらすじをお話すると、手にした者は世界を支配できるという「ニーベルングの指環」を、小人族やヴァルハラの神々、巨人族、英雄ジークフリートなどが世代を超えて相争う物語なのですが、
特に楽曲中において、複雑に絡み合う登場人物の、特定の人物や状況などと結びつけられて繰り返し使われる短い曲想であるライトモチーフを多用し、この方式を広めました。
現在の映画やテレビでも使用されていますし、ハリウッドのダースべーダーのテーマなんてまさにライトモチーフにあたりますよね。
最終日にこちらのミュンヘン国立歌劇場で「椿姫」を観ました。
椿姫も大好きな演目なのですが、ワーグナーのオペラと比較してしまうと、さすがの椿姫も輝きを少々失ってしまいます。
1813年の同年生まれで今年同じく生誕200周年を秋に迎えるヴェルディも、晩年はワーグナーの芸術性の高さを脅威に感じていたようです。
ワーグナーは、19世紀という、先進国が宗教という概念を捨て、帝国主義と実利主義に向かう時代に、まさに思想的な補強として生まれ、さらに共感された芸術なのだと思います。
バイロイト音楽祭の参加が今年で6度目となる方とお話をする機会を得ました。
その方が
「舞台の上に正装のオーケストラが乗った事は、(バイロイト音楽祭では)過去に観た事が無いし、生の演奏を聴いてみると、毎年バイロイトに招集されるオーケストラの素晴らしさが分かる」
と言っていました。
今回の旅では毎晩ワーグナーの作品をドイツ語字幕で見ました。学生のときに習った懐かしいドイツ語を思い出しましたよ。
バイロイトのお土産に、古本屋に寄って、1913年の「さまよえるオランダ人」の楽譜と、1903年の「ニュルンベルグのマイスタージンガー」の楽譜、そして1883年出版の「バイロイト通信」を買ってきました。
僕にとっては本当のお宝。大切に保管しようと思います。
いよいよ搭乗時間が迫ってきました。
ではまた日本で。
一昨日バイロイト祝祭歌劇場で行なわれたワーグナー生誕200周年記念式典に出席し、パリ行きの飛行機に乗るため、ミュンヘンに移動してきました。
ミュンヘンは、ワーグナーを後援したフリードリッヒ2世の住居があった場所。
こちらの中央がフリードリッヒ2世。
手前の胸像がワーグナーです。
予定を詰め込みすぎて少々慌ただしかったドイツ出張でしたが、これから帰国です。
昨日記念祝典が行われたバイロイト祝祭劇場(Bayreuther Festspielhaus)は、ドイツ・バイロイトにある全館が木造のオペラハウスです。
このオペラハウスは、リヒャルト・ワーグナーが「ニーベルングの指環」全4話を始めとした自身の作品の上演を目的として計画・設計し、バイエルン王ルートヴィヒ2世の後援を得て1872年に着工、1876年に完成しました。
現在でもワーグナーの子孫達が経営する特別な場所として知られます。
こちらのお二人ですね。
7月から8月にかけて開催されるバイロイト音楽祭のチケットは、ドイツのワーグナー協会に入会しても、最低8年は待たされるというプラチナチケット。
僕も毎年ドイツに申し込みをしていますが、一度も通知が来た事はありません。
中学生のときにワーグナーを初めて聴き、衝撃を受けて以来、30余年の月日が経ちました。
いつかはこのバイロイト祝祭歌劇場の中で音楽を聴いてみたいと思っていたのですが、ついに生誕200周年という記念すべき年・記念すべき時にそれが叶いました。
ワーグナーは、音楽家として近代舞台芸術を完成させた人物であるとも言われています。
祝祭歌劇場の内部をよく観察するとわかるのですが、馬蹄形の欧州の劇場というよりは、むしろ現在の映画館に近い階段型の劇場。
さらに、通常は舞台目の前にあるオーケストラ•ピットが客席と舞台の下に配置されており、客席から見えないようになっているのです。
写真の舞台の前に、小さなピットの隙間が見えますか?
オーケストラのスタッフが私服で演奏するのも、舞台の脇役に徹しているからこそ。
裏方も演者も、そしてもちろん観客も、この場に集うすべての人間が舞台に集中する事が出来るように、という配慮が随所に込められていることが、ここに来るとよくわかります。
先に書いたように、この劇場はゼンパー案が元になっていると言われています。ワーグナーが「盗用した」という説もありますが、それでもワーグナーがいなければこの劇場が完成しなかったこともまた事実です。
テレビや映画館の原型のような歌劇場を、ワーグナーの設計で作り上げたという訳です。
ハリウッドの監督も、揃ってバイロイトに見学に来ると言います。
肝心の200周年特別記念演奏会の題目は
指揮 クリスティアン・ティーレマン
歌手 エヴァ・マリア・ヴェストブルック(ジークリンデ)
ヨハン・ボータ(ジークムント)(リエンツィ)
クワンチュル・ユン(フンディング)
曲目 楽劇「ワルキューレ」第一幕
休憩
楽劇「リエンツィ」序曲とリエンツィの祈り
楽劇「神々の黄昏」ライン川と葬送行進曲
楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」前奏曲
でしたよ。
ワーグナーは思想家としても著名であり
「神は死んだ(も同然だ)(God is as good as dead)」
というドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェに多大な影響を与えました。
イギリスのターナーに始まる風景画の画家は神と宗教から離れることで芸術を完成させ、モネなどの印象派の流れを作りますが、ワーグナーは宗教や神と乖離する事によって成熟した現代芸術の始祖とも言えるのです。
今回一緒に旅行したワグネリアンの研究者仲間の言葉を借りると
「ワーグナーの業績は、レオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵する」
と。
ここまでファンを心酔させる作曲家という意味でも、ワーグナーは他に類を見ないのではないでしょうか。
ワーグナーのためにバイエルン王国の財政が傾き、そのためドイツ統一が加速した・・・と言う歴史家も少なくないそうですが、彼の作品にはそういう人を熱狂させ、時に狂わせてしまうものがあるんですよね。
そんなワーグナーは晩年に、13作目の最後のオペラで「パルジファル」という神についての舞台を書きました。
今回ワーグナー生誕の地ライプツィヒでパルジファルを観る事が出来ましたが、本当に夢のような素晴らしい体験でした。
パリ行きの飛行機の時間が来ましたので、続きはパリで書きたいと思います。
おはようございます。引き続きドイツからブログを更新しています。
今日のお昼には、こちらで企業と打ち合わせがありました。また、夕方メールをチェックすると、2013年3本目となる英語のレーザー論文が通過したと知らせがありました。
「Journal of Biomedical Optics」 という工学系のレーザー学会誌です。
マイアミで通過したキー論文があることで、ここ数年レーザー研究の成果が論文としてアクセプトさせやすくなり、徐々にですがこれまで一生懸命やってきたことが少しずつ少しずつ実を結び始めました。
何事も時間がかかりますが、その分しっかりと根を張っていきたいと思います。
昨年10月にも英文論文が通過していますので、ここ7ヶ月で英文論文だけで4報通過した事になります。自己最高新記録ですね。
束の間の喜びの後は再度気を引き締め、弛まぬ努力を肝に銘じ、研究をより頑張っていこうと思います。
さて、僕が今ドイツのどこにいるかと言うと・・・
ドレスデン歌劇場に移動し、ワーグナー生誕200周年前夜祭にやってきました。
通称「ゼンパー・オーパー」。
建築家ゴットフリート・ゼンパーによって1838年に建設された、見事な歌劇場です。
この劇場はワーグナーが1843年から1849年まで指揮者を務めており、「タンホイザー」などの初演の地。
ワーグナーと深い親交のあった建築家であるゼンパーは、ドレスデン美術館やウィーン宮廷劇場の設計を手掛けたことでも有名です。
ワーグナーがゼンパーによって受けた影響、ゼンパーがワーグナーによって受けた刺激が、ドイツにおけるオペラ史を確固たるものとし、それによりドイツ史における様々なケミストリーが起きていったことは想像に難くありません。
ワーグナー聖地のひとつ・バイロイト祝祭劇場は、かつてゼンパーが設計したミュンヘンの歌劇場案を元にしていると言われています。
※※※※※
僕にとってヨーロッパ出張の楽しみはなんと言っても夜のエンターティメント。ミュージカルやコンサート、そしてオペラ鑑賞です。
今回はワーグナー一色の旅ですので、毎日オペラにどっぷり浸かっています。
夕方7時。
ゼンパー・オーパー前の広場には、記念祝典のため数多くの人が集まってきました。
「ローエングリン」、「タンホイザー」、「リエンツィ」とワーグナー・オペラのハイライトをクリスティアン・ティーレマンが振り、ドレスデン交響楽団が演奏し、
今世紀最も人気のあるヘルデンテノール(独: Heldentenor)(ワーグナー作曲の歌劇・楽劇における英雄的な役どころを演じるのに適した声質をもつテノールのこと)であるヨナス・カウフマンが歌いました。
この歌劇場は内装も素晴らしいのです。
戦時中に破壊され、東ドイツの時代には修復出来なかったのですが、2005年に完全修復がなされました。
この美しさ。
写真では伝えきれませんが、官能の空間です。
本当に素晴らしい。
この日の演奏もあまりに感動して、ホテルに戻るときには思わず鼻歌がでてしまいました。
本当にワーグナーのオペラは完成度が高く、素晴らしいですね。
こちらは翌朝の新聞。
ヨナス・カウフマンと、指揮者クリスティアン・ティーレマンの写真が大きく掲載されていました。
さて、今夜はいよいよ世界のワグネリアンが集結する聖地バイロイトにて誕生祭です。
おはようございます。
引き続きドイツからブログを更新しています。
日本時間今日5月21日も、東京・四ッ谷にあるクリニックFにおける僕の診療は休診となります。
スタッフは出勤していますので、ご予約やご質問がありましたらご連絡くださいね。
現在僕はワーグナー生誕200周年記念式典に参加するため、ドイツはライブツィヒにいます。
今日はライブツィヒのオペラ劇場にて「パルジファル」の観劇でした。
パルジファルはワーグナーの13あるオペラのうち最後の作品として知られています。
フランツ・リストの娘であり、ワーグナーの妻であったコジマ・ワーグナーの提案で、1886年のベルヌ条約により、1913年までバイロイトでの独占上演が認められました。
ワーグナーの死から30年後、作曲家の著作権が切れる1913年12月31日の深夜から翌日にかけて、ベルリン、ブダペスト、バルセロナの各歌劇場で初めて「パルジファル」が上演されたのは話題になったそうです。
ワーグナー作品で唯一神を題材にしたもので、特に第一幕は拍手もカーテンコールも禁止されていました。
今回のライプツィヒも難解かつ謎の多い演出。既成概念を打ち破る解釈は見事でした。
明日はドレスデンに移動して、ワーグナー生誕200周年前夜祭に参加します。