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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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2010年春の米国レーザー医学会の演題

昨晩、クリニックFの最後の診療を終えた後、メールをチェックすると、アメリカから嬉しいお知らせが飛び込んできました。

2010年4月14日から17日にかけて、アリゾナ州フェニックスで行われる米国レーザー医学会(ASLMS : American Society for Laser Medicine and Surgery)での演題が通過したと知らせがあったのです。

ASLMSでの演題発表は、足掛け7年。これで9演題目です。

レーザー治療の学会としては、ASLMSは間違いなく世界最高峰ですので、この学会で発表できるのはレーザー専門医としては嬉しい限りです。

毎年この合格の知らせを年末にもらうと安心して年を越せるんですよね(笑)。

今回僕が提出した演題は、アジア人の肝斑治療に使用するレーザー比較について。

COMPARISON OF LOW FLUENCE Q-SWITCHED ALEXANDRITE LASER vs Q-SWITCHED Nd:YAG LASER FOR THE MELASMA TREATMENT OF ASIAN PATIENTS

「肝斑」にQスイッチレーザーか、フラクショナル・レーザーなどのレーザー治療を行うのは、世界では常識になりました。

ただ、「アレキサンドライト」と「Ndヤグ」の波長で“トーニング”を行うと、双方肝斑を薄くする効果があるのですが、細かく観察すると、効果の違いがあるのです。その辺りをまとめたつもりです。

使用したレーザー機器はHOYAコンバイオ社の「メドライトC6」と、CYNOSURE社「アコレード」。

昨年末にクリニックFに導入したメドライトC6を、今年1年間、患者さんの治療に使ってきましたが、このレーザーは、安定感といい、照射径のエネルギーの均一性といい、肝斑治療には本当に素晴らしい能力を持っていますね。

照射時のパラメーターなどは熟練が必要ですが、今年最もお世話になったレーザーの一つでした。

今年も15回の海外学会発表や講演をして多くの休診日を頂き、患者さんにご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで無事に今年の診療とすべての学会発表を終える事ができました。ありがとうございます。

支えてくださったすべてのみなさんに大変感謝しております。

海外の英語での講演も昨年末までに47回になりました。

来年も、一つでも多くの海外の学会に参加して、より新しいレーザー治療技術を学び、クリニックFの患者さんに世界の最先端のレーザー治療をフィードバックできるよう、頑張ります。

皆様どうぞ良いお年をお迎えください。本年もありがとうございました。


ラフマニノフの「鐘」

僕がラフマニノフを好んで聴くことを知っているスタッフや患者さんから、同じ質問をされました。

「先生、“鐘”って有名な曲なんですか?」

???

どうして、同じ質問が来るのかな、と思ったら、なるほど、浅田真央さんの今期のフリー演技で使われているからですね。

週末の全日本選手権で見られた浅田真央選手の完全復活。

フリーに使われているのが、ロシアが誇る作曲家=セルゲイ・ラフマニノフ19歳の時に作曲した「前奏曲 嬰ハ短調」作品3-2。

よくこの曲をスケートに使うなあ、この曲を「制する」にはよっぽどの実力者じゃないと難しいだろうなあと思っていましたが、日曜日の浅田真央選手は素晴らしかったですよね。

この曲は、ラフマニノフがクレムリン宮殿の鐘の音にインスピレーションを受けて書いたといわれています。

「鐘」もしくは「モスクワの鐘」といわれ、彼の作曲したもっとも有名なピアノ曲の一つです。

この曲の人気度は非常に高く、海外の音楽会などではアンコールで「C Sharp !」と声がかかるそうです。


今日の僕 20091228

2009年の診療も残すところ今日を含めてあと二日。明日の夜7時までとなります。

明日は今年の仕事納め。スタッフ一同倒れるまで頑張る予定ですので(笑)、お越し頂けそうな方はご連絡ください。

さて、僕の横にあるのは、日本未発売の新型フラクセル「フラクセル:リストア デュアル」。デモ機です。

患者さんに照射するために、今日はいつもより早く出勤してパラメータの設定をしましたよ。

僕にとっては楽しい時間です。


宇宙戦艦ヤマト 復活編

今年最後の日曜日、皆さんいかがお過ごしでしたか?

僕は髪を切ろうといつもの美容院に電話をしたのですが、残念ながら予約が一杯。

映画でも観ようと映画館に行ったところ、偶然見つけてしまいました。

「宇宙戦艦ヤマト 復活編」

12月12日から公開されていたのですね。

そのまま館内に吸い込まれるように(笑)、観てしまいましたよ。

僕が育ったのは、ガンダム世代よりも少し前の、まさに宇宙戦艦ヤマト時代。

著作権問題などでヤマトの続編が作れないと報道されていたのは知っていたのですが、「ヤマト完結編」を映画館で感動して観たのが中学生のとき。

1983年の事です。

もう25年も前の事なんですね。

僕が子供のとき、ヤマトの映画は、仲の良い友人達のほとんど全員がみていました。ストーリーを通じて日本の武士道の考えや、それこそ友愛の精神とかを学んでいたんだなあとおもいます。

もう一つ、ヤマトの曲のほとんど全ては、僕のブログでもいちど触れた羽田健太郎さんや宮川泰さんなどの作曲家が、丁寧に曲を作り込み、実際にオーケストラを使って演奏していたのです。

同じ敵が出て来るシーンごとに同じ曲が流れますので、オーケストラの演奏の曲が何曲も敵役のキャラクターとともに耳に残っています。

ところで、この復活編。ネタばれになるのであまり書きませんが、新しいヤマトのストーリーとしては良かったですよ。

ヤマト完結編から17年後の設定。古代進も壮年の戦士になっています。

古代進と森雪との間の娘である「古代美雪」が登場し、僕が小中学生当時から好きだったヤマトの技術師長であった真田志郎(頭脳明晰、冷静沈着、そして機械に詳しいキャラクターなのです(笑)。)に至っては、地球連邦宇宙科学局長官の任についています。

前作でヤマトは氷の中に閉じ込められましたが、古代が真田さんに乞われて、再度宇宙戦艦ヤマトの艦長に就任し、氷を割ってヤマトが再出発するシーンは往年のファンにはたまらない感動でした(笑)。

数の論理で勝る敵を倒すごとに、これでもかというぐらい、さらに巨大な敵が現れるのですが、苦難の末に、最後には奇跡的な逆転劇で勝利するという前向きな物語。

この不況の時期に、すべての人がとても勇気づけられるのではないでしょうか?

映像効果も格段に上がっていて、宇宙空間の画像は、さながら壮大なプラネタリウムを観ているようでした。

そして、僕が気に入ったのは、随所に入れられるオーケストラ音楽の名作。

クラシック音楽とヤマトは相性がいいんですね。

ヤマトの序曲が終わった後の冒頭シーンに、いきなりマーラー交響曲の第2番、つまり副題「復活」の第1楽章が流れたのには思わずにやついてしまいましたが、

僕が気づいただけでも、チャイコフスキーの「スラブ行進曲」 ベートーヴェンの「エグモント序曲」やピアノソナタ「月光」 ショパンの「ノクターン第1番」

そして、極めつけはグリーグの「ピアノ協奏曲 第1楽章」

どれも名曲ばかりでさながらコンサートのよう。

しかもすべて映像付き。

年甲斐もなく、かなり楽しんでしまいました。

あー。もう一回観たいぐらいです(笑)。


会員制のクリニックになる可能性は

クリニックFの診察券です。

クレジットカードや保険証と同じ大きさ。

この手のクリニックの診察券にしては、品がいいですね

と、お褒めのお言葉を頂くことが意外と多くて、僕も気に入っています。

照明を少し変えるとわかりますが、この診察券はマットな白ではなくて、僕の好きな色の一つであるパールホワイトなのです。

実は開院当初に用意したこのカードが、もう少しでなくなってしまいます。

僕がクリニックFを作った当初考えていたことは、この体制で診療をしてゆくと、ある人数の患者さんが集まったら、予約も入りにくくなるため、クリニックを会員制(一定数の患者さんの入れ替え制)にしようということでした。

クリニックFは、完全予約制です。また、僕が海外出張に度々行くことができるように(笑)、施術室がふたつしかない、できるだけコンパクトなつくりにしています。患者さんに治療を行うスペースよりも、レーザーの倉庫代わりになっているスペースの方が広い(笑)。患者さんに対して、いつでもどんなレーザーでも使用できるよう、すべてのレーザー機器を準備しているためです。

ある時期を迎えたら、患者さんが入らなくなってしまうこともありますが、限られたマニアックな患者さんに対し、全力で接客できるようにするには、「会員制」にしたほうがいいかな、と思ったんですよね。

そして、クリニックを維持するために、必要な会員の数を経営学的に割り出し、その人数を想定して、その数だけ作ったのがこの診察券。

ひと昔前までは、美容クリニックを「会員制」にする、なんていう発想はありえませんでした。あったとしても、それはビジネスとして成立しずらかったことでしょう。

なぜなら、美容クリニックが想定している顧客層は、以前ならば「一見さん」がメイン。初診で来て、疾患の治療や改善が済んだらもう来ることはないお客さんでした。こうしたクリニックに来ることも、友人や家族にも内緒で来ておられるケースが多々あったことでしょう。

しかしながら、ここ数年の機器の進歩によって、レーザー/光治療が

■病気を治療する診療/施術

から

■若々しい肌を維持するための診療/リピート施術

に代わって来ました。

これは、

○1999年のフォトフェイシャル・デビューにより、色素性老化の治療が

○2002年のサーマクール・デビューにより、形態的老化の治療が

○2005年のフラクセル・デビューにより、感触的老化の治療が

可能になり、また、数種類の治療器を繰り返して打ち込む施術・・・

たとえば

e-light SR + e-light ST + Matrix IR (トリニティ)

オーロラ + リファーム or ポラリス (ギャラクシー)

ライムライト + タイタン + ジェネシス

フラクセル + サーマクール (サーマフラックス)

なども市民権を得るようになり、

これで表皮から真皮まで、肌を若返らせるための役者がすべて出揃ったためです。

つまり、ニキビ跡であろうと、毛穴であろうと、肝斑であろうと、疾患や肌質に関わらず、ハリとツヤのある、透明感に溢れる肌を、誰もが手に入れることを望むことができるようになったのです。

そうした変化に伴い、レーザークリニックが想定する顧客は一見さんではなく、リピーターに代わっていきました。

クリニックに来ることも、誰に隠す必要もなくなり、よりカジュアルで明るいイメージになってきました。

実際、友人同士や、親子、時にはご夫婦で仲良くおいでくださる患者さんがどんどん増えてきました。

レーザー/光治療が、自然劣化する肌をメンテナンスするために使用されるものに変化しつつあるのであれば、リピートしてクリニックに足を運んでくれる患者さんが最もクリニックFにとって大切な顧客であり、そういう人たちに最もメリットがあるようにクリニックを運営してゆきたい。

そういった視点で考えると、「会員制の美容クリニック」がにわかに現実味を帯びることになるのです。

経営学的に言っても、新規の顧客を開拓するコストは、リピート顧客を維持するコストに比べて5倍以上のコストがかかります。

 

クリニックも三年目を迎え、日本でもクリニックFにしか導入されていないレーザー光機器も出てきました。

さて、冒頭の診察券。このまま新規の患者さんが増えていくことを想定しさらに枚数を発注するのか、それとも当初の予定のように会員制に移行するのか。

思案中です。


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