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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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ベルリンの絵画館の2枚のフェルメール

日本でもフェルメールの人気は止まるところを知りませんね。

世界でも30数枚しか残されていないフェルメールの絵ですが、贋作が見つかったり、高額で落札されたりなど、話題に事欠きません。

今回、訪問した旧ドイツ領域にはフェルメールの絵が4枚あります。

2枚はこのベルリンの絵画館に。そして残りの2枚はドレスデンのアルテ・マイスター絵画館にあるのです。

今回、4枚とも見ることができましたので、ブログでご報告してゆきますね。

絵画館は6時まででしたので、5時に学会が終わった後、フェルメールだけを見るつもりで絵画館に急ぎます。

「真珠の首飾りの女」は世界でも最も評価の高い作品の一つです。

フェルメール前期の作品は、大人数が部屋に入った大きな額に入った絵。

後期の作品は、一人を題材にして、窓の前にいる構図の絵。いわゆる室内女性単身像と呼ばれるもの。

・・・とがらりと作風が変わります。

彼の描く光が素晴らしく、僕は大好きです。ニューヨークやワシントンDCに行ったときにも作品を鑑賞してきました。

きれいな描写ですよね。

フェルメールはもう一作ありました。「紳士とワインを飲む女」です。

他にもボッティチェリのビーナスや、

大作「歌う天使たちを伴う聖母子」がありました。

マリア様の顔が穏やかで印象に残りましたよ。

もう少し長く居たかったなあ。

 


新技術 サブレイティブRF機器 e-MATRIX

まだドイツ・チェコ出張記は続きますが、僕の近況を。

今週日曜日は、日本最大のレーザー光機器ディストリビューターである株式会社JMEC社による

「トータルアンチエイジングセミナー」

が開催されます。レーザー光治療器を扱う医師を対象にして毎年開催されているものです。

今年は新宿の京王プラザで行われます。毎年200~300人の医師が集まりますので、日本国内でレーザー企業が主導する学会としては最大規模のものでしょう。

この学会、今年で10年目(9回目)を迎えますが、

10年前というと、「アンチエイジング」という言葉がまだ一般用語ではなかった時ですよね。

この時期からアンチエイジングという冠を付けた会が発足していたというのは、今から考えると驚きです。

僕はこのトータルアンチエイジングセミナーの第4回目から毎年欠かさずスピーカーとしてお声を掛けて頂いてきました。本当にありがたい事です。このセミナーは、講演時間も十分与えられるため、僕としても最も力の入る講演のひとつなのです。

今年のお題は、サブレイティブRF機器 イーマトリックス 使用経験について。

イスラエルのシネロン社が、最近開発したラジオ波(RF)による最も新しいフラクショナル機器。

これが照射面ですが、この通電部位は、抵抗が低くなるように「金」=ゴールドでできています。

肌をフラクショナル状にRFを通電しニキビ肌や毛穴を治療し、さらにタイトニングまで行うといった新技術。

講演でも話そうと思っているのですが、フラクショナルに照射できるレーザー機器はここ数年で30種類以上も販売されてきました。

しかし、e-matrixの技術に類する機器が、今まで一切出ていないというのがこの機器の一番の売り。

レーザー光治療ですと、肌の上部に最もパワーが伝達され、円錐状に徐々にパワーが減衰してゆくのですが、この機種はバイポーラーRFによって通電するため、むしろ肌の下部にパワーが最も伝わる部位がある事がもっとも特徴的なのです。

表皮はもっとも熱に弱い部位ですので、これはとても理にかなっています。

肌を激しく治療する「アブレイティブ」トリートメント

ではなくて、

「サブレイティブ」という新語を作り上げてPRしてゆくそうです。

実はこの機器は数年前からデビューが言われていましたし、海外でシネロン社の技術スタッフに会う度に、今度出る 「e-matrix」 はすごいぞ。と言われてきました。

シネロン社に招待されて「トリニティ」について講演した今年の7月のタイのIMCASの学会では、数日前にこの 「e-matrix」 を照射したというスタッフに会い、実際に施術後の様子を診る事もできました。

僕はこの機器を、フラクセルとサーマクールの施術を組み合わせた「サーマフラックス」の初心者版かな?

ぐらいに思っていたのですが、今回のドイツのEADVで、同じくこの機種のテスト機を使っていた米サンディエゴのゴールドマン先生は、今までの機種にない、独自の機器としてわざわざ紹介するほど絶賛していました。

製品前に今回最終バージョンが開発されたものの、実際のデモ機器はアジアでこの機器ただ一つ。

今回のセミナー発表用に、とうとう昨日クリニックFにやってきたのです。

機械好きな僕としては、最も嬉しい瞬間(笑)。

そんなわけでまずは腕に打ってみました。

ちょっと腫れている四角が二つあるのが分かりますか?

今日、ちょうど一日経ったところを目視で確認すると、一センチ四方に沢山一ミリぐらいの細かい点がかさぶたになっています。

数日で取れそうな感覚ですね。

一見CO2フラクショナルレーザーの直後に似ているのですが、ちょっと違いますね。

タイトニングの効果もありそうです。

さて、今年老舗である米国キャンデラ社を買収してしまったぐらい勢いのあるシネロン社が自信を持って開発した最新機種。

短い期間ですが今後、使用経験をまとめてゆきたいと思います。

 


世界遺産 博物館の島

さて、これが世界遺産「博物館の島」にある、ペルガモン博物館です。

この絵ハガキにあるように、本当に川の中州に5つの博物館があるのですよ。

川岸は蚤の市のような感じになっています。

彼はワイングラスを使った演奏をしていました。

水を使った演奏なので、ちょっと寒そう。

ベルリンの壁を飛び越える兵士。

様々な絵を売っているスペースもあります。

バイオリンの絵もあります。

こんなところを散策するもの楽しかったですよ。

皆賑やかに午後の日よりを楽しんでいます。

橋を渡っていよいよ博物館に入ります。

ベルリンにいけるのであればと、僕はとてもこのペルガモン博物館に行くのを楽しみにしていたのです。

入口を入ると、建物の中にはいきなりゼウスの大祭壇が現れるのです。その圧倒的な存在感を前にすると、ただただ感心し、心が動かされます。

この紀元前180年にできた遺跡は、トルコで発掘されてからここに運びこまれたのだそうです。

この門だけでもかなり驚いたのですが、隣の部屋にはミレトスの市場門。

そしてその先には古代バビロニアのイシュタール門

そして行列通りがそれぞれ展示されていました。

これだけの巨大建造物を運んでしまうというスケールには驚きましたよ。

ドイツが世界に誇るだけありますね。

 


ベルリン大聖堂

旧東ドイツ地区をながれるシュプレー川です。

この川の中州には、5つの博物館と、このベルリン大聖堂が集まっているのですが、この地区は「博物館の島」と言われる世界遺産なのです。

ベルリン大聖堂。

ベルリンの天候は悪かったのですが、このときちょうど太陽が差し込んできて、写真が綺麗に撮れました。

補修が終わった中もとても見どころがありました。

教会に入った時にはちょうど聖歌隊が演奏をしていました。

皆聴き入っていましたよ。

こちらはドームです。高さが114mもあるのだそうです。

中では結婚式らしきものをしていました。

なんだか不自然だなあと観ていましたが、あることに気づきました。声が女性の声なのです。

話をしていた司祭が、女性だったのです。

初めて女性の司祭さんを見たので、びっくりしました。

第二次世界大戦で、崩壊したのち、1993年に修復が終わったのだそうですが、本当に立派な建物ですね。

この日は寒かったので、終日ジャンパーで過ごしました。

 


シャリテ大学病院訪問とドイツの医療事情

ベルリンに行ったら、必ず訪れてみたいと、僕が以前から思っていたところがひとつありました。

それはこのCHARITE(シャリテ)大学病院。

戦前日本はドイツの医学を規範にしていたことはよく知られていますよね。ここは、森鴎外、北里柴三郎など日本医学を代表する先輩方が学んだことで知られる病院です。

1710年に設立され、来年2010年には300周年を迎えるという、世界最古の大学病院施設なのです。

この敷地内にほぼすべての科の病院施設があります。

ベルリンの中心地にあるのですが、敷地はかなり大きい様子。

敷地内は近代的な建物もありますが、赤レンガで統一されています。

中に入ると小児科外来などはこんなに近代的。

学会が終わった後、夕方過ぎに行ったので、もう辺りはほの暗く、ぽつりぽつりと灯りが点っています。

ドイツは、2007年の統計で世界第3位、GDP比11.3%のの医療費がかかっています。

1990年に西ドイツが東ドイツを併合する形で統合が行われましたが、この段階で東西の医療格差がかなりあり、その混乱を収束させるために、ドイツ国土にある558の行政区域をそれぞれ医療圏とし、開業医の定員を専門医別に定めました。1993年のことです。

この定員は3年ごとに人口密度、人口構成、住民の年齢、性別、職業などを配慮して見直しがされているそうです。

ドイツらしく合理的ですよね。

ドイツでは公的医療保険に基づいて、1割程度の高額所得者を除いた全国民が公的医療保険への加入が義務付けられています。高額所得者は保険に入れないため、民間保険に加入しているのだそうです。

統一後の医療政策は、一貫して医療費削減に向かっていますが、そのしわ寄せは医師や看護師などの医療従事者に来ており、公的健康保険からの診療報酬がヨーロッパ各国と比較しても低いため、米国やイギリスなどの周辺諸国に移り住んで開業する医師も多いのだそうです。

このシャリテ病院でもストライキが行われたそうですよ。

ドイツ医師連合会によると、1万2千人もの医師がドイツ以外で開業しているのだそうです。ドイツ人医師の数は、2007年に14万人強と発表されていますので、10%弱の医師免許保有者が海外流出していることになります。まさに頭脳流出。日本でも近い将来同じ未来が訪れるのでしょうか。

さて、このシャリテ病院は、医者にとってはある事でとっても有名な病院なのです。

かの有名な病理学者のルドルフ・ウィルヒョー博士の研究室があった場所。

病院敷地内に、医療器具ミュージアムがありました。

静脈血栓症の生成に関する三つの要因(Virchow’s Triad)というのを病理の時間に習った記憶がありますが、(ちなみに血管の障害、血流のうっ滞、血液性状の変化)彼の作り上げた数多くの標本や、彼の使用した顕微鏡など、興味深いものがたくさん展示してありました。

 


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