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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

BLOG|ブログ

鳩サブレー

今週撮った写真を今日はいくつかご紹介させていただきます。

在宅診療で伺ったお宅で、懐かしい「鳩サブレー」を頂きました。

言わずと知れた鎌倉の銘菓。鎌倉生まれの僕としては、思い入れのあるお菓子です。

御馳走様でした。美味しかったです。

 


「患者さん」か「患者様」か??

病院におけるクライアントを、「患者さん」と呼ぶのかそれとも「患者様」と呼ぶのか。

この議論が始まって久しいですが、皆さんはどうお考えですか?

僕自身はこの議論にあまり興味がありません。ただ患者さんの名前を「さん」で呼ぶのか「さま」で呼ぶのかについては、考えてみると自分なりにこだわりがあることがわかりました。

たとえば、「田中太郎」さんという患者さんが僕の病院に来てくれたとします。

僕はこの人を「田中さん」とは呼んでも「田中様」と呼ぶことはありません。

日本語のニュアンスの問題かもしれませんが、「田中様」と呼ばれてしまえば、この患者さんは医者との間にある一定の距離を感じ、聞きたいことがあっても遠慮して聞けなくなってしまうのでは? と思ってしまうのですよね。

先日うちのスタッフが、似たようなことで相談を受けているのを耳にしました。

彼女は美容クリニックでの経験が長く、クレーム対応の仕方や接遇に関する相談を受けることも多いようで、このときも他院の方から相談の電話を受けている様子でした。

その病院では、スタッフの患者さんに対する呼び方がまちまちで、「田中さん」と呼ぶ人もいれば「田中さま」と呼ぶスタッフもいる。スタッフの間で呼び方が違うのはおかしいから、どちらかに統一した方がよいのではないかと思う。でもどちらがよいのだろうか?

それに対する彼女の回答を聞いて、なるほど、と思いました。

彼女曰く

「さん」と呼ぶのか「さま」と呼ぶのかは、そのスタッフの持ち場によって変わってくると思う。病院にはドクターのほかに受付もいればナースもいる、その他に技術スタッフがいる場合もある。

ドクターはクライアントのことを「さん」で呼べばよいと思うし、ナースや技術スタッフも「さん」でよいと思う。なぜなら自分の肌を触る人間との間には一定の信頼関係が必要で、お互いに心を開く必要がある。クライアントはこうしたスタッフに化粧をとった素顔を見せ、時に洋服を脱ぐ場合もある。「防具」そして「鎧」のない状態に一時なるわけである。

「鎧のない状態」・・・それはとても心もとない、不安な状態である。

そういう状態のクライアントの緊張を解き、安心と信頼感を与え、最高の技術を施す為には、なれなれしくならない程度で「近しく」なる必要があり、そのためには「さま」ではなく「さん」と呼ぶ間柄を作る必要があるのではないか。

しかしながら、受付とクライアントとの関係はこれと異なると考えた方が良い。受付が患者さんと話をするとき、そこには受付カウンターであったり、電話であったり、メイクであったり洋服であったり、必ず一枚「壁」や「皮」がある。その壁を挟んで、予約をとったり、お会計をしたり、コートを預かったり、お茶を出したり、クレームの処理をしたりする。クライアントと一定の距離そして“柔らかな上下関係”があってこそ、成り立つ仕事である。

こうして考えていくと、受付はクライアントのことを「○○さま」と呼んでよいと思う。

スタッフの持ち場・役割によって、クライアントの呼び方を変えることが正しいのではないか。

*************

相談をもちかけてきた方も、これでクリアになったようで、病院の体制をこのように、以後統一されるとおっしゃっていたようです。

病院とは、多種多様な専門職によって成り立つ現場であり、患者さんへのアプローチは持ち場によって異なります。その前提の下考えると彼女の考え方は非常に納得できました。

医療経営のセミナーで、こうした話も今後生かして行きたいと思います。


肝斑、モザイク、Spectra VRMⅢ、C6

韓国のルートロニック社の新しいレーザー機器がクリニックFに導入されました。

ルートロニック社社長のヘイアン氏は今でこそ上場企業の社長になってしまいましたが、昔からの友人です。エール大学を卒業した彼は英語が堪能で、僕の英語の先生の一人です。今回、二つの機器が彼の好意によってクリニックFに導入されたのです。

ルートロニック社はJMECが長いこと国内ディストリビュートをしてきましたが、本年より日本支店を作ることで独自の販売路線を考えてゆくようです。社長の選別などがいま行われています。

昨日は韓国から技術者が一人、国際線で明るい時間にクリニックにやってきて、機械を組立て、帰るときには暗くなってしまいました。

この写真はフラクショナルレーザー、「モザイク」。今までも雑誌や僕のブログでも登場してきましたが、事実上の日本での初上陸です。

機器は後ろのフラクセルに比べて、ちょっと小ぶりですが、実際に照射してみると、ビームモードは同じパワーのフラクセルと比較するとわずかに太い。この違いがどういった治療効果を及ぼすかは、これから検討が必要ですね。


こちらはもう一台同じく日本に初上陸になる、マックスピールの名前で有名なSpectra VRMⅢです。

VRMⅡが世に出てから約4年の歳月が経ちましたが、いよいよ新しいバージョンが登場です。

この機器を使用すると、より効果的な、マックスピールⅢの施術ができるのです。

さらに、この新しい機器を用いたVRMⅢトーニングという別の施術のプロトコールで、いよいよ肝斑治療がクリニックFで可能になります。韓国ではこの機器を使った施術で、肝斑の改善率は100%であったと発表する先生もおり、僕もこの施術方法には研究段階でも協力しただけに、非常に興味があります。

同種のHOYAコンバイオC6というレーザーも国内での販売が決定しており、こちらの上陸を待っていたのですが、先にルートロニック社製品が届いてしまいましたね。

今まで肝斑に悩んでいた数名の患者さんに今日から施行していますが、評判は上々です。来年のレーザー学会の発表演題にしようかと、いまから考えています。


レストラン カンテサンス

僕はそもそもあまり外食が好きではなく、食事は家でとるのが基本的には好きです。外食をするとしても、かしこまった場所は肩がこって苦手なんですよね。フランス料理なんて特に苦手です。

しかしそんな僕でも

「これはおいしい!」

と感動し、以来2ヶ月に一度くらいお伺いさせて頂いているレストランがあります。

あのミシュラン東京版で三ツ星をとった、白金にある「レストラン カンテサンス」です。

カンテサンスの岸田周三シェフは若干33歳。NHKの「プロフェッショナル」でも年始に特集されていましたが、彼が作る料理はほんとに素晴らしいと思います。見た目の華麗さ・美しさ、美味しさはもちろんのこと、素材をとことん生かした丹念な火の入れ方には、感服します。仕事はこういうふうに丁寧でなければならないのだと、身が引き締まります。

また、スペシャリテで出てくる塩とオリーブオイルを生かした「山羊乳のババロア」そしてデザートの「メレンゲのアイスクリーム」以外は、毎回全く違うものが出てきます。

今回は岸田シェフと一緒に写真を撮ってもらいました。

ワインを飲んだので、僕の方は顔が真っ赤ですが・・(笑)

こういうレストランに気軽に来られるようになるよう、僕も仕事を頑張ろうと毎回思うのです。


理系の男②

今週発売の雑誌「週間朝日」を電車の中で読んでいたら、林真理子さんの対談に精神科医の和田秀樹さんが出ていました。

和田秀樹さんは東大医学部出身で、精神科医の傍ら受験アドヴァイザーを務めたり、映画監督としても活躍されているそうです。僕は和田先生の映画を観たことはありませんが、この対談を読んだら観たくなりました。

対談の中で和田先生が、日本の学校教育から理数の教育がどんどん減っていくことを憂いています。曰く、今、世界では理数の教育を重視していて、理数教育をしっかりやらないと国の技術が滅んでしまうということで、アメリカでは日本の2倍くらい理数の授業時間がある。日本はそれに逆行していて、数学は嫌いだったらやらないでよいと言って理系の子供が確実に減っている。

中でも僕が思わず頷いてしまったのが、この台詞です。そのまま引用させていただきます。

「僕は日本は理系冷遇社会だと思っていて、日本企業は理系の人の力で外国に勝っているわけじゃないですか。ところが社長は文系で、官僚も文系。理系の人が稼いできたカネを税金で食い荒らすのも文系。・・・(中略)ゆとり教育で2次方程式の解の公式が中学校で習えなくなったんですが、それについてある女性の作家が

“社会に出てから2次方程式を使ったことがない。2次方程式なんか習っても役に立たない。”

と言ったんです。でも、もし理系の人が

“僕は生まれてこのかた小説なんか読んだことがない。だから小説を学校で教える必要はない”

と言ったら袋だたきにあいます。役に立たないかもしれないけど、人間の素養として小説は読んだほうがいいに決まっている。同じように、実際には使わなくても2次方程式を学ぶことによって、論理的な思考法を学べるんです。(中略)文部科学省って、科学技術庁と合併するまでは、文部官僚がほとんど文系だったんですね。理系の人がもうちょっと官僚の世界に入るとおもしろいと思うんですけどね」

僕の家も男三兄弟全員理系なので、他にもおもしろいところ・共感できるところがたくさんあって、熟読してしまいました。その後ろにあった「タカラ」の佐藤親子の対談も、ファミリー企業における経営のあり方を考えさせられおもしろかったですよ。


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