海外出張に行くと、もうひとつ勉強になることがあります。
それは患者さんの情報管理について。カルテをどのようにしているのか、国や地域による様々な違いを知ることができることです。
最先端を走るのは、やはり今回出張で行ったアメリカではないでしょうか?
写真のようなモニターが施術室に設置され、受付とのオンラインで繋がっているクリニックが主流となってきているようです。
全ては紙でなく、電子カルテ化されており、施術前・施術後の写真や情報もここでチェックできるようになっています。
クリニックによっては、外部につながるネットワークであるインターネットと、画像などの情報と診察内容を管理する院内で閉じたネットワークであるイントラネットを併設するところが多いです。
日本での電子カルテシステムを取り囲む環境は・・・と言えば、保険診療を行う病院ではだいぶ整ってきているようですが、自由診療のレーザー/アンチエイジングクリニックで採用するものに関しては、まだまだ課題が多いように感じています。
実際僕自身も、顧客管理システムや電子カルテシステムを過去のクリニックで導入した経験がありますが、納得のいくものにはまだ出逢ってないですね。
最近の大学病院では、すでにあるシステムをいくつか独自に組み合わせ採用するような流れもあるようですが、個人クリニックの規模ではなかなかそこまで出来ない現状があります。
また、サービスを重視する上で、電子カルテでは管理しきれない情報というものも生まれます。欧米のクリニックでは、日本的なホスピタリティや細やかさを患者さんが求める、ということはまずありませんから、システム化も多少楽なのでしょうね。
クリニックFでは、画像や会計などはPC管理で電子化し、施術内容は紙のカルテを使うといった併用をしています。
毎回の診察で撮影した写真は、カルテ番号の名前のフォルダで管理するのです。
二つのファイルを共有化させるためのカルテの整理番号は、患者さんの誕生日にしています。
たとえば1月1日生まれの方で、初めてクリニックにいらっしゃった患者さんは
0101-001番
となるのです。同じ誕生日の方が来た場合、一番下の番号が2になります。
つまり
0101-002
というわけです。
誕生日で顧客管理すると、あいうえお順で管理するのに比較して、一度に患者さんを365分割できるのでとても楽ですよ。
困った時も、患者さんに誕生日をお聞きすれば、カルテもデータもすぐに見つけられるわけです。
こうすると、ファイルメーカーなどの高価なデータベース管理ソフトが要らないのですよ。
これから開業される先生にはお勧めです。
また、ちょっと話はずれますが、この仕組みでおもしろいことがひとつあります。それは、予約表を見ると似たような番号の患者さん=つまり誕生日が一緒だったり近い患者さんが、同じ日の予約に集中することがあるのです。
棚にずらっと並んだカルテを見ても、
なぜかこの月生まれの患者さんはすごく多いけど、この月は少ない
とか
同じ誕生日の人が集中して、末尾の番号がすでに6番まで来ている日があったり
とか
不思議なことがあるのです。
ちょっと言えないですが、患者さんの中でも、個性的な人の誕生日が集中している月とかあるんですよ(笑)。