今までに5軒のクリニック開業を手がけてきましたが、今回のクリニックFで5軒目にして初めて作ったものがあります。
それは、院長室です。
診察室とは別に院長室を作ることは空間の無駄だと、それまでは考えていたのですが、スタッフから
「小さくてもいいからどうしても作ってください」
と言われて作ることになりました。どうもこうしたクリニックに多い企業の営業の方や来客があったときに、スーツ姿のいかつい男たちが、美をテーマとしているクリニックの受付にずらっと並んで待っている・・・という図が、
「いかがなものか」
と、女性スタッフに思われていたようです。
言われてみればたしかにその通りで、僕も含め男はこういうところに概して気が回らないものです(苦笑)。
実際院長室を作ってみると、なんで今まで作らなかったのだろうと思うほど、利便性が高い。打ち合わせはほとんどここで済みますし、プレゼンを控えているときには内容のチェックもモニターでできる。海外からの来客のときもとても重宝しています。途中患者さんの診察があっても、そのまま院長室でお待ち頂けるので、とても楽になりました。
ただ、外回りの多い男性の来客が続くと、スタッフが前後おもむろに換気を始めます。そして必ず僕に聞くのです。
「どうして男の人って、独特の臭いがするんですかね??」
恋愛遺伝子のブログにも書きましたが、臭いは恋愛にも、とても重要なファクターです。
四大悪臭と呼ばれている以下の物質はすべて窒素(N)、硫黄(S)、炭素(C)からできていると聞いたことがあります。
トイレ臭 アンモニア
腐った魚のにおい トリメチルアミン
腐った卵のにおい 硫化水素
腐った玉ねぎのにおい メルカプタン
これらは人間のタンパク質を構成するアミノ酸を構成する原子の組成と一緒です。
必須アミノ酸を常に食さなければならなかった人間が、危険を察知するためにこれらのアミノ酸の劣化によるにおいを、より臭いものと判別するようになったのだとおもいます。
人間には、体温を調節する為にさらさらとした汗を出すエクリン腺と、外耳道やわきの下、外陰部などの限られた場所に分布する、ニオイのもととなる汗を出すアポクリン腺いう二つの腺が存在します。
特にアポクリン腺はいわゆるワキガの元になります。
こうした問題については、手術をするなどの方法もあるのですが、クリニックFではボトックスの注射をおすすめしていますね。
ボトックスを注射すると、アポクリン腺の働きが抑えられますので、においが治まることが多いのです。
クリニックFには、男性の患者さんも多く、その中にはタレントさんや企業で重要なポストにおられる方も多いので、セルフメンテナンスの一環として外見の若々しさを保ったり、こうしたにおいのコントロールに興味をお持ちの方もよくおいでになり、随時ご相談に乗らせていただいています。
そうそう、すこし話は逸れますが、ボトックスは最近「脚痩せ」にも効くとして、また再び人気を集めていますよね。
そのお話はまた次回書いてみましょう。