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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

甲状腺の病気

先日は内分泌系とホルモンについて書いてみましたが、実はクリニックFに美肌治療でおいでになる患者さんの肌を見て

「? これは甲状腺機能が正しく機能していないのでは?」

と思うときがあります。

甲状腺は体内の代謝に深く関わっているので、たとえば甲状腺ホルモンが低下してしまうと、肌の「ターンオーバー機能」が低下します。肌のターンオーバーがうまくいかないと、レーザー治療を行っても、たとえばシミが落ちにくいとか、肌のハリが出てこないといった、治療計画で当初想定していた効果を得られないことがあるのです。

また、診察の段階で皮膚の色や質感を見て、「これはちょっと疑ってみた方がよいかもしれない」と思うこともあります。

その場合は率直に

「これは、ひょっとすると甲状腺疾患の疑いがあるかもしれないので、一度専門の病院で精密検査をした方がいいかもしれませんよ」

と患者さんにお伝えしています。

そんなことを今まで医師から指摘されたことも、自分で疑いを持ったこともない患者さんは、それを聞いてびっくりし、「甲状腺」という言葉に動揺もされます。けれど、僕からの指摘を受け、しかるべき病院で検査を行ったところ、甲状腺機能亢進症や低下症はもちろん、甲状腺のガンが見つかって手術になったケースもありました。

早い段階で手術ができたので大事には至りませんでしたが、もしあのときちょっと気になってその話をせずに、大事な患者さんの生命に関わることがあったら・・・と思うと、ぞっとしますよね。

ホルモンの中でも甲状腺の病気の怖さは、その機能が不全でも、

「最近なんだかちょっとだるいことが多いけど、これは歳のせいかも」

とか考えてしまい、自分が病気かもしれないことを疑いもせずに過ごしている方が、実は結構多いのでは? ということではないでしょうか。

また、こうした病気がわかるたびに思うことは、

「皮膚とはいかに雄弁であることか」

ということです。

人間の最も大きな臓器器官であり、心身の状態を鏡のように映し出す皮膚。

皮膚の健やかさ、若々しさを保つことは心身の健康を維持することにつながるのです。


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