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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

肝斑とLED

肝斑を特別なレーザーによって治療した後、

「はい、これで治療はおしまい」

と言って帰してしまうのでは肝斑治療は“完全”とは言えません。

まず第一に、顕微鏡を使って肝斑の病態の組織像を見ると、ほぼ100%の確率で炎症細胞が観察されます。こうした皮下の炎症状態を抑えるために赤色のLEDの治療が非常に有効なのです。

さらに、レーザー照射後「マイクロクラスト」といわれる「メラニンのかけら」が肌の中にはまだ残っています。このかけらを処理しておかなければならないのですね。

「マイクロクラスト」を処理する「マクロファージ」という細胞があります。

マクロファージは“肌の異常細胞を食べてくれる掃除屋さん”いわば“仕事人”です。その仕事をきっちりさせるためには、活性化させる必要があります。

マクロファージを活性化するために何が必要なのか?

必要なのは、赤外線です。830nm程度の赤外線光によって、マクロファージは活性化されます。

また、肌を構築するケラチノサイトや免疫系の司令塔であるマスト細胞なども赤色から赤外線域の光によって活性化されるので、ターンオーバーも活発になります。

レーザー照射後、赤外線光を当ててマクロファージを活性化することが、肝斑治療には非常に重要である、と言えるわけです。

この赤外線光を当てる機器として白色(赤外線)LEDと呼ばれる光治療器を僕は使用します。

LEDは皆さんの身近なところに常にあります。今年は六本木ミッドタウンのクリスマスイルミネーションが大評判のようですが、あれもすべてLEDなんですよ。以前には赤しかなかったLEDが、今は緑も青も開発されたので、あんなに美しい光の演出ができるようになったのです。

LEDとLEDの効果については以前に書いたフジモトプロトコールでもふれましたが、レーザーと比較して1/1000以下の弱い出力の光を使用することで、肌の細胞をゆっくりと変化させていくという「フォトバイオモデュレーション」という治療法が開発されています。

この画像はクリニックFにおいてあるオムニラックスというLED治療器です。小さな機械ですが、本当に肝斑に関しては「仕事人」ですよ(笑)。


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