TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

年齢を若く見せるコツ

僕は美肌を作る仕事をして長くなりますが、患者さんが初めて診察室に入ったときに、男性でも女性でもほぼ1歳ずれずにその方の年齢を当てることができます。今までに数万人の肌を診ているわけですから当然なのかもしれませんね。一般的には「シワの数を見て」歳を数える人もいるようですが、写真などを撮ってみると、必ずしもシワの多い人=歳をとっている人でないことがよくわかります。

実際の年齢よりも見た目の年齢が若く見える人には、三つのポイントがあると思います。

一つめは、肌のテクスチャーです。肌が老化すると、コラーゲンやエラスチンなど、肌を構成する要素が劣化しますので、いわゆる“乾燥し”“たるんだ”肌になり、10代・20代特有の"水を弾くようなピチピチした肌”や30代くらいで出せる“手に吸いつくようなしっとりとした潤いある肌”からは遠ざかります。

若々しさには肌に「水」が含まれ「弾力」のあるかんじが大切なのですね。

二つめは、色素系の老化です。歳をとると“シミ”はもちろん、そばかすや色むら、くすみが増えてくると思いますが、これは日光を浴びる時間やいわゆる「酸化ストレス」に比例して起こります。

また、これはメイクによって違いが出る部分でもありますが、実年齢よりも「老けて」あるいは「やつれて」見える人というのは、目の周りが黒ずんでいたり口角や法令線のあたりに「影」があったり、またまだらに「赤ぐすみ」してる人も多くみられますよね。

三つ目が顔の輪郭のたるみです。30歳をすぎると法令線が出てきます。40歳を過ぎると、あごの横に操り人形のような“マリオネットライン”というものが出てきます。歳とともに、頬の一番高いところが、目の下1cmぐらいの場所から、1.5cmぐらいの場所まで下がってきます。また目の特に目尻の部分の皮膚がこれもわずかに数ミリ下がってくるのです。

綺麗に見える人と見えない人、若々しく見える人と老けて見られてしまう人の違いは、美容医学の世界ではほんの数ミリです。数ミリの違いが、大きく顔の印象を変えてしまうといえます。

では、レーザーでどこまでこうした「老化のサイン」を改善できるのでしょうか? 美容整形や、ヒアルロン酸・ボトックスの注入といったプチ整形と異なるレーザーの美点は、こうした老化のサインに対し、非常に緩やかで自然、かつ確実な効果が望めることです。そして何台ものレーザー機器を揃えているクリニックでは、患者さんの肌に最適な機器をそのときの状態に合わせて選択できるのです。

まず、一番目のテクスチャーの改善については、西洋人に対してはスキンリサーフェシングという特殊なレーザーを肌全体に照射する方法がありました。アジア人の肌にこれが適応できるようになったのは2004年に発売されたリライアント社フラクセル以降といえます。

現在はサイノシュアー社アファームやフラクセルⅡなど、肌をすばらしく改善できる機器がいくつも登場しています。「ミニマムアブレイティブ」といわれる新しい分野に存在する機種は、適応も効果もそれぞれに全く違う。この患者さんの肌ならこちらの機械、あの患者さんの肌ならあちらの機械・・・というふうに分かれるのです。

次に二番目の色素の改善に関しては、1999年に発売されたルミナス社のフォトフェイシャル(IPL)以降、すばらしく効果のある機械がどんどん開発されてきました。いわゆるノンアブレイティブといわれる施術です。

2002年に登場したシネロン社のオーロラは日本ではその代表ですし、その5世代あとの進化型モデルともいえるE-MAX SRAなどは、クリニックFでも使用していますが、肌に何も負担なく、シミだけが浮き上がる様に、技術の進歩を感じます。

最近使用しているキュテラ社のライムライトは、パルス幅というパラメータが非常に短くまで設定できるので、肝斑や、より薄いシミに対応できます。ホワイトニングの機械というものは、照射の技術よりはむしろ、機器の選択に熟練がいりますね。

最後に三番目のいわば顔の輪郭を改善する機械ですが、これは2003年に登場したサーマクールが“痛い”“高い”とはいうものの、一回で施術が終わることなどを考えると、やはり一番効果があると思います。

現在はサーマクールNXTという機種に変わっていますが、顔の若返りや、妊娠後のおなかのたるみ、バストアップも含めて、効果は圧巻です。

他ではキュテラ社のタイタンXLやシネロン社のポラリスWR、リファームSTなどが痛みもなく、よい効果を残していますね。機種によって特徴があるので、より適した機種を選択する必要があります。

そして、機種の選択よりもっと大切なのは、照射する部位と打ち方の技術です。昨日もある美容ライターさんが来院し、目をぱっちりさせたいという要望があったので、リファームSTを照射したのですが、顔の輪郭からショットの場所を決定し、わずか30発あまりで見違えるように目がぱっちりしました。その効果に、思わず僕自身も

「お~」

と感嘆の声を上げてしまいましたよ(笑)。

タイタンやリファームSTは、同じ機械を使用しても、技術によって効果に大きな違いが現れる機器の代表といえます。まさに我々の腕の見せどころで、患者さんに喜んでもらえるとこの仕事をやっていてよかったな、と思うんですよ。


カテゴリー