TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

旧脳に作用する音楽とアロマセラピー①

先日知人の医師から質問を受けました。

クリニックFで、アロマセラピーを導入している理由はなんですか? スパ的効果を狙ってですか?」

というもの。

彼はこれから開業を考えていて、その参考に知りたかったようです。

大学や医局で、アロマセラピーを含めた代替療法を医師が学ぶことはありません。医療経営についてももちろん学ぶ機会はありませんし、スタッフのマネジメントやPR/マーケティングの手法、インテリアを含めたヴィジュアルプレゼンテーションなどについても、医局で働いている限り未知の領域です。

こうしたことは開業すると選択を迫られることの連続ですから、これから新規クリニックを開業しようとお考えのドクターから、こうした部分でご相談を受けることが結構少なくないのです。

院長になってしまうと孤独ですからね(笑)。院長になる前のただの一医師のときにあれこれ知っておきたい、という気持ちは僕もよくわかるように思います。

さて、件のアロマセラピーについてですが、クリニックFでこれを導入しているのは、スパ的役割。つまりリラクゼーションを求めてのことではないのです。また、薬理的作用を求めている訳でもありません。

求めているのは、嗅覚がもたらす大脳辺縁系を中心とした旧脳への直接刺激の作用、そして痛み緩和への効果です。

鼻孔から脳に刺激を送る香りや匂いには様々なものがありますが、院内で持続的に使用できるもので商品化されているものには限りがあります。あれこれ検討した結果、利便性と安全性を考えるとアロマセラピー製品の使い勝手が良かった、ということなんですね。

僕は、このレーザー美容皮膚科の世界のキャリアが10年を超えてしまいましたが、初期研修は麻酔科からスタートしました。日本ペインクリニック学会認定医でもあります。

麻酔科とレーザー・・・どう結びつくのか? と言われてしまいそうですが、僕の中ではきちんと辻褄があっています。

世界最先端の工学機器に触れる仕事がしたい、と、僕は子どもの頃から思っていました。その後いくつかの道筋を自分なりに選択した結果、医師となり、痛みの治療を専門とするようになったわけですが、不眠不休の研修医時代を経てふと立ち止まったときに

「自分の専門性を生かしながら、子どもの頃の夢を実現することも可能なのではないか?」

と思いついたのです。

人生短いですし、明日はどうなるかわかりませんから(笑)、自分のルーツのようなものを大事にしながら、職業人生を全うする方法もあるんじゃないかな、と思ったんですよね。

工学の世界も医療の世界も、僕よりすごい専門性をもたれている方々は沢山います。僕がそこに挑んでも無理がありますから

医療における僕の個性やオリジナリティを生かしながら、工学の世界に触れた仕事で出来ることがあるのではないか?

そんなふうに考えてみたのです。

そして思い至ったのが、

「痛みを最小限まで抑えた、世界最先端のレーザークリニックを創る」

ということだった、というわけです。

クリニックFの表テーマは「世界の学会からリアルタイムで仕入れた最新情報と技術を得られる、アンチエイジングレーザークリニック」ですが、裏のテーマは「痛くないレーザー治療院」なのです(笑)。

痛みというのは、人間にとって生物学的にも最大のストレスのひとつですが、これを最小限まで抑えるために、クリニックFでは様々な工夫をしています。

西洋医学的なアプローチとして、僕が機器に合わせて調合したいくつかの麻酔薬を使用する、というのが最も直接的なものですが、それ以外に、音楽やアロマにこだわっているのは、痛みへの作用を考えてのことなのです。

長くなってしまったので、続きは次回に。


カテゴリー