イタリア出張記も終盤です。
さて、僕が最後に向かったのはローマを流れるテヴェレ川の中州に当たるこの小島である、ティベリーナ島です。
この島には、チェスティオ橋とファブリーチョ橋がかかっています。
ふたつとも古代ローマ時代からかかっているそうですよ。
写真はファブリーチョ橋。紀元前62年に造られたもので、ほとんど変わっていないのだそうです。すごいことですよね。
橋を渡る途中の景色です。
この島が船状の形をしているのが写真でわかるでしょうか?
このファブリーチョ橋を渡るとティベリーナ島につきます。
この島は、医術の神であるアスクレピオスが、姿を蛇に変えて現れたという伝説があり、紀元前3世紀に神殿が建立され、病気回復を願う人々がここで祈りをささげたとのことです。
アスクレピオスが蛇に姿を変えたところから、医学を示すシンボルは、蛇のことが多いのです。
ちなみにこちらは、日本医師会のマーク。
ほら、よく見ると左に蛇がいますよね。
今はこの神殿の跡地にサン・バルトメオ教会が建っています。
そしてこの教会の目の前には、近代的な病院が建っていました。
すぐ横の川がよく見えます。
イタリアは、先進国の中では、特に医師免許を所有する人が多いことで知られています。
イタリアの医学部の入学試験はほとんどないに等しく、高校卒業資格だけで入学できます。
ただし卒業できるのは少ないようです。
イタリアでは人口1000人に対し、医師免許を持つ人は3.9人。これは日本の2.1人に比べると、人口比で倍近い数ですね。
特にローマのような都会には、100人に一人が医師であるような過密なところがあり、患者さんが集まらないので、医師免許を持ったのにタクシーの運転手をしているような人もいるようです。
基本的に、イタリアの人が病気になったら、保険会社を介して登録医のリストから、医師を選び診察を受けることになります。それは無料ですが、その後専門の医師を受診する場合は有料になるようです。
またCTやレントゲン、MRIなどの高額医療機器に至っては、取り入れている施設の方が少なく、順番待ちに1週間以上かかることは常ということでした。
一方で、緊急を要する救急の処置は無料でできるそうです。しかし、症例のトリアージ(重症度の選択)のシステムはあまりうまくいっておらず、自己アピール力(ときに演技力?笑)のある人の方が優先的に診てもらえるといった弊害もあるようです。
医業で収益を上げるのは難しいため、僕の専門とする特に最新のレーザー光治療機器などはこれまであまり導入されずに来た現状があります。
そうなると、アンチエイジングの施術は、メソセラピーやフィラー、グロースファクター、イオン導入器、そしてエレクトロポレーションなど、注入系の原価がかからないものが選択されがちになります。
ヨーロッパで、注射を中心としたアンチエイジング治療がメインになるのも、よくわかる気がしますね。
レーザー・光治療器をきちんと使用すれば、肌の中の、しかも自前のエラスチンやコラーゲンを確実に増やすことができます。このあたり、光治療器は一日の長があり、そういった情報も含め、イタリアでもレーザー治療に徐々にスポットが当たり始めているのを今回の出張では肌で感じました。