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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:ドラッグデリバリー

ドラッグデリバリーシステム学会誌

僕の薬学博士号の研究はドラッグデリバリーシステムでした。

今回のドラッグデリバリーシステム学会誌では、「エクソソームの糖鎖修飾による標的細胞選択性の向上」についての論文が掲載されていました。

現在日本の美容医療領域では「エクソソーム」の商材が多く存在しますが、がん細胞からも当然エクソソームが分泌されています。

まさに玉石混合。

中には害のあるものも入っている可能性がありますので、クリニックFでは採用見送りの、論文と学会報告の様子見のスタンスですね。

エクソソームは、真核細胞においてエンドソーム区画で形成される膜結合性の細胞外小胞です。

エクソソームは、多くのリポタンパク質と同程度のサイズであり、直径は約30-150 nmであると考えられています。

エクソソームは、起源となった細胞由来の標識分子を含んでいる、いわゆる細胞間メッセージ物質。

血液凝固や細胞間シグナル伝達から廃棄物の管理までさまざまな生理学的過程に特化した機能を持つことが知られています。

今回のこの論文は、エクソソームの標的細胞選択性を上げるために、糖鎖を置き換える技術について書かれていて非常に興味があるものでした。

エクソソームには臨床的な可能性があるものの、アメリカでは医学的に証明されていない未承認のエクソソーム製品による治療を行うクリニックが存在し、患者に深刻な有害事象が起きているとして注意喚起が行われています。

ちなみに、アメリカ厚生労働局(FDA)は未承認のエクソソームについて注意喚起を行っており、患者が科学的に正しい治療を受ける機会を遅らせたり被害を及ぼすことで患者を危険にさらすと指摘しています。


DDS ドラッグデリバリーシステムの薬学系学会

DDS ドラッグデリバリーシステムの薬学系学会が来週開催されます。

この学会、がん治療から、核酸デリバリー、生体分子デリバリー、免疫ワクチンなどなど、多岐にわかっていてとても興味深いのです。

僕の薬学博士論文のテーマは、フラクショナルレーザーアシストによる皮下へのドラッグデリバリーの研究で、インシュリンやワクチンなどの大きな分子量の物質を皮下に入れる検証をしました。

表皮と真皮の間隙を通過できる分子量は500ダルトンまでと言われており、これは実際には1.0-1.3nmぐらいに相当します。

一般的にナノ化した粒子は10-60nmですので、ほとんどのナノ粒子は皮下には入りません。

仮に強い圧力で打ち込んだとしても、まあスイカをネットに強く圧縮する様なもので、スイカの汁は通過しますが、スイカそのものは通過出来ないでしょうね。

レーザーは実際に穴を開ける分分子の構造は保てますものね。


大阪での日本美容外科学会で講演予定です

来月連休明けに大阪で開催される日本美容外科学会。

会長は同世代で仲の良い池田先生です。

僕のレーザー医療の講演ですが、まさに学会開始後の3枠のシンポジウムの一つのトップバッター。

フィラーのシンポジウムが10分遅れでスタートしますので、事実上、池田会長のライブサージャリーと2人でスタートですね。責任重大だ。頑張ろう。

ちなみにレーザーや高周波などのエネルギーベースの医療機器の新たな使用法として、2月にタイの学会で招待講演をした、フラクショナルレーザーアシストのレーザードラッグデリバリーについての講演をしようと思います。


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