2008年。今年の米国皮膚科学会(AAD)でデビューした、サイノシュアの新しいアレキサンドライトQスイッチレーザー “Accolade” が、クリニックFにやってきました。
サイノシュアのアジアパシフィックディレクターの、スティーブン・リム氏の好意で、日本初上陸の機械を貸与していただけることになったのです。
僕は、この機械を使って、日本人の肌に合ったパラメータを決定し、さらに学会に提出できるような研究をするのが今回の仕事なのですが、もしかしたら肝斑により効果がある施術を開発することができるかもしれないと思っています。
患者さんにとっては肝斑治療がレーザーによりスピーディーにできるのであれば、福音ですよね。
Qスイッチレーザーとは、レーザーの照射時間をナノ秒単位に短くして、シミ以外の部分の肌の劣化ややけどのリスクを極力減らした機器です。
約10年前の技術ですが、かさぶたを作っての濃いシミ治療器としてはいまだに現役で、これを超える機種は現れていません。
Qスイッチレーザーでは、ルビーレーザー(694nm)と、Nd:ヤグレーザー(1064nm 526nm)が知られていましたが、このAccoladeは、久しぶりに登場したアレキサンドライトレーザー(755nm)なのです。
以前はQスイッチレーザーはメンテナンスコストが高くて、医者泣かせでした。メンテナンスコストが高いと、そのまま患者さんの施術費に反映されてしまうんですよね。
このアレックス。実際に照射させてもらいましたが、安定度は高いですね。
まずは手始めに、サイノシュアのスタッフの方のほほにあるADMと肝斑の合併例と、その上に乗った老人性色素斑を治療照射してみましたが、どのシミに対しても効果的な光を使い分けることができ、来週の治療結果を見るのが楽しみになりました。