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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

How to Evaluate and Identify Medical Laser Markets

おはようございます。

今日5月15日(火)はクリニックFの診療日です。

都心は雨になるとの予報ですが、また明日からは暑くなるようですね。

さて、昨晩の診療後は赤坂で、ソルタメディカル社の本社スタッフと会食がありました。

アジアパシフィック統括のミンゴと、本社マーケティングスタッフのトーマス。

ミンゴとはシンガポールで2年前に会って以来。トーマスは来日の度にクリニックFに立ち寄ってくれますので、半年ぶりでしょうか。

どちらも僕と同世代です。

ソルタメディカル社は

「サーマクールCPT」

および

「フラクセル3 DUAL」

といったクリニックFでの主力商品を販売する、全米第二位のレーザー開発会社。

ここ数年で「アイソレイズ(isolaz)」や「リポソニックス(liposonix)」

など、ニキビや痩身に対して独自の技術を持った会社を買収してきました。

たとえばニキビ治療に対してドクターが行うアプローチには、(良い悪いの議論は脇に置いておくとして挙げていきますと)面皰圧出といった古典的な施術に始まり

○飲み薬によるアプローチ (抗生物質、アキュテイン、ピルなど)

○塗り薬によるアプローチ (ビタミンC誘導体、ビタミンA誘導体、ディフェリン/アダパレン、ピーリングなど)

○機器によるアプローチ (レーザー治療機器、イオン導入器など)

・・・といったものがあります。

そんな中、アイソレイズ(isolaz)は治療費が高額であることを除けば、2012年現在最高の治療効果を出す機器として世界各国の医師の間で認知されているのです。

また、ニキビ跡治療は、以前にもお話していますが、ニキビ治療と全く違ったアプローチが必要となりますが、こちらは「フラクセル3 DUAL」が第一選択となるのは明白でしょう。

しかしながら、日本に市場を求めるレーザー企業は、

○特にこの10年の間に開発された米国の新しい医療機器は、そもそも日本では認可が遅く導入に時差が生まれてしまう(=デバイスラグ)。

○医師が個人輸入して機器を手に入れたとしても、教育機関が定められていないため、医師の間で厳密な治療プロトコールの共有が出来ない。

○医療機関は広告を打つことが出来ないので、どんなに素晴らしい機器でも消費者(患者さん)への認知が出来ない。

・・・といった二重苦、三重苦の中での販売を余儀なくされているのです。

会食が始まった当初は、新たに買収した痩身の医療機器である「リポソニックス(liposonix)」の性能について話が始まったのですが、だんだんと会話は ソルタメディカル社の既存のラインナップから

■How to Create New Market Opportunities.

■How to Evaluate and Identify Markets.

・・・といった、僕のもう一つの専門分野である医療経営管理学的な話に移行しました。

気づいたら英語で3時間以上もディスカッションを続けていましたよ(笑)。

医師である以上、医療の質に対するこだわりは捨てられません。

また、レーザーを扱う治療技術者としては、新しい機器が出れば機器をいち早く評価し、どのタイプの患者さんに効果があるのかを見極めたい。

しかしながら、患者さんそれぞれにとって最も早く効果が出る治療法を、すべての医師が選択し、治療法を共有するためには、レーザー治療に参入する医師の市場活性化が必要である。

レーザーの様に高額な機器導入が必要な医療市場が活性化するためには、それぞれのクリニックに経営的、管理会計的な知識を与え、経営基盤を強化しなければならない。

さらに最も重要なのは、ここ10年間で最も進化した医療分野の一つである

レーザー治療で 「新たに出来るようになったこと」

の認知を、医師および消費者に対して、より上げてゆかなければならない。

などなど。

プロダクトサイクルでいうと、これから成熟期に入るはずのこのレーザー医療業界において、今後もレーザー医療という市場を伸ばしてゆくためには、患者さん、医師、レーザー機器メーカーともに利点がある方向を探ることが大切ですよね。

自分の方向性も再認識することが出来ました。

最近診療後は、工学の論文とにらめっこの日々が続いていましたが、久しぶりに自分の専門分野について改めて考えるきっかけとなり、とても良い刺激になりました。


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