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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

2011年レーザー治療機器総括その6 痩身と脂肪溶解

おはようございます。2011年10月20日(木)。今日はこれから午前の便で、ポルトガル・リスボンに発ちます。

EADVヨーロッパ皮膚科学会に参加するためと、いくつか打ち合わせもあり、3泊5日のスケジュールでの出張。これから約1月間の11月20日までに、海外出張が立て続けにあります。

イギリス、ポルトガル、韓国、タイ、台湾、中国、再びイギリス、イタリアと言った感じ。

すべてこなせるのかちょっと今から気が遠くなりそうですが(笑)、頑張ってレーザーの最新情報を身につけ、日々の診療と大学院での研究に生かしたいと思っています。

不在中、患者さんを始め関係者の方にはご不便をおかけし申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

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まだ終わっていなかった2011年のレーザー/光治療総括を、ここでお話しておきたいと思います。

2011年のレーザー治療器の進化を語る上で、

■脂肪溶解を目的とした、レーザー/冷凍凝固/RF施術方法の進化

に向けての研究が引き続き行われている、という点を見逃すわけにはいきません。

ここ数年でも、痩身についての論文は数多く出ています。

痩身治療は技術的には レーザー RF 氷結 超音波 EMS(電流) 薬 に分類されます。

「医療現場で行う痩身治療」が近い将来この日本でも確立されることを、僕はこのブログで何度も書いていますが、この点については確信しています。

今までも、保険診療クリニックを中心としては

医療痩身外来

メタボリック外来

肥満外来

のような特別外来が開かれてきました。

しかしながら、どれも実際の治療法としては、「栄養療法」と「運動療法」をベースとしたものに限られていました。

また、「サノレックス」「ゼニカル」「リダクティル」といった、いわゆるやせ薬も、「ちょっと太り気味」程度な人には使用しにくいですし、長期利用には疑問が残ります。

せっかく医療施設に来ていただいて、

「食事を減らしてください」

「適度な運動をするようにしましょう」

というのも物足りない気もします。

また、最近特に注目されているのは、マラソンなどの有酸素運動時に体内で出現する有害な「活性酸素」です。

博多で開催された日本美容外科学会でも議題に上がりましたが、ミクロで考えると、老化とは細胞が

「酸化する」ことと、

「糖化する」こと

に二分されると言う事実は常識となりつつあります。

一方で、体内で活性酸素を除去する能力(SOD活性)は、35歳を過ぎると低下します。

これは野球選手やサッカー選手がこの年でスポーツ引退しているのをみると明らかです。

痩身のためにマラソンなどの有酸素運動をしても、その際に吸収された酸素のうち必ず一定量は活性酸素になりますので、それを除去できなくなるのです。

最新の論文を見ると、中には遺伝的にミトコンドリアや抗酸化酵素をとても多く持ち、マラソン向きの体質を持つ人もいる様なのですが、

ほとんどの人の場合は、

「35歳以上の人が有酸素運動で痩せようとすると、かえって錆びて老いてしまう。」

と考えたほうがよく、運動で痩せるという選択肢は考えないほうがいいと言えます。

ではどうすればよいのか?

マーケット的には 体表から「皮下脂肪」にアクセスする治療法として

手術室で観血的に施術がされる

■皮下脂肪を手術で減らす脂肪吸引

■レーザースタイリング(スマートリポMPX)などのレーザー脂肪溶解

非観血的に施術がなされる

■ボリュームの減った皮膚のたるみをとる サーマクールforボディなどのRF機器

■皮下脂肪を氷結させる「ゼルティック」

■PromoSlimtやUltraShapeなどの超音波機器

肌に針を刺すことで薬液や気体を挿入する

■痩身メソセラピー(フォスファジディチルコリン・αリポ酸など)

■カーボメッド (CO2注入)

などがありますよね。

さらに、体内から「内臓脂肪」にアクセスする治療法として

■大腰筋を鍛えて、基礎代謝を上げることで内臓脂肪を減らすAC-BODY

■内服抗肥満薬 (ゼニカル・サノレックスなどの体重減少薬)

などがあります。

AC-BODYは、今年の美容外科学会でもいくつか演題が出ていましたし、内臓脂肪の除去のための機器としては市民権を得た気もします。

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この機器は、僕も技術開発や基礎医学研究、特許出願に関わりましたので思い入れもありますが、現在新たに干渉波を組み合わせた、自宅でも使用できる個人用機器をある企業と開発中です。

乞うご期待。


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