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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

2009年 レーザー機器総括①

さて、年末が近づいてきたので、今年一年様々な学会を回ったり、臨床現場で治療を通して得てきたレーザーと光治療器に関する情報をここで総括したいと思います。

何回かに分けてお届けしますね。


2009年のレーザー市場の総括として、まず僕が注目したいのは、アブレイティブ・フラクショナル・レーザー機器がアジアンスキンに対して使用されるようになったことです。


2005年に「肌を入れ替える」という衝撃的なコンセプトの元デビューを果たしたフラクセル以来、
「ノン・アブレイティブ・フラクショナルレーザー」と呼ばれる機器がいくつもデビューを果たし、その市場が確立されました。


皮膚に点状にレーザー照射して円柱状にタンパク質を変性させ、変性した部位を、部分的に
若い肌に入れ替えてゆくという、一見アグレッシブな施術が、「ノン・アブレイティブ」という名のとおり、ダウンタイムが1~2日で済んでしまう。ここに多くのドクターとクライアントが引き寄せられました。


それ以降はこのフラクセルが基準となり、「フラクセル
より効果の高いレーザーを」と、各社が模索する流れが新たに生まれたのです。


ただ、フラクセルよりも効果の高いレーザーを追求してしまうと、「ノン・アブレイティブ」ではなく「アブレイティブ」にどうしてもなってしまいます。

アブレイティブは、欧米人の皮膚には耐えられますが、アジア人の皮膚には強すぎるというのが定説。


「フラクセル以上の機種が出ても、それはアブレイティブにならざるを得ないのだから、そうであればアジア人の皮膚には使えないだろう。」

これがレーザー関係者の一致した意見でした。


ところがこの定説がくつがえることになるのです。


CO2レーザーやエルビウムヤグレーザーを中心とした、アブレイティブ・フラクショナル・レーザーが、2007年に開発されるのですが、これを欧米人の中でも皮膚の色が比較的濃い中南米や南欧で生まれ育った人々の皮膚に使用してみたところ、予想に反して結果が良く、ダウンタイムも少ないことが臨床報告でわかってきました


これを聞いたアメリカやヨーロッパ在住の中国や韓国のドクターたちが自国のクライアントに試してみたところ、こちらでも結果は良好。


いくつもの臨床例を踏まえて


「アブレイティブ・フラクショナル・レーザーは、アジアンスキンに対しても有効であり、安全である」


という報告がなされ、
2008年半ば頃から、アジア人の肌にも使われるようになったのです


クリニックFでも、2007年の終わりにルートロニック社eCO2(エコツー)を導入し、2008年から本格的にアブレイティブ・フラクショナル・レーザー機器を導入、使用してきました。


ニキビ跡や、ひどく毛穴が開いた肌のように、今までの治療方法では治療効果が出しにくい症例に対して、予想以上の効果があり、患者さんに喜んでいただいています。



また、フラクショナル機器自体にも変化がありました。


ひとつは、シネロン社から発売されたe-matrix (イーマトリックス)です。


この機器は、レーザー光ではなく、RF(ラジオ波)をフラクショナルに照射するというもの。


通常のレーザー光を使用すると、肌のメラニンや水に吸収されて、エネルギーが減衰するため肌の表面に強く、肌の奥に弱く効果が出るのですが、

RFを使用すると、本来エネルギーが必要な真皮により強いエネルギーが入るのです。


クリニックFでは、この
e-matrix (イーマトリックス)をテスト機の段階から使用していますが、フラクセルとの併用療法に特に効果があると思います。

 


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