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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

フラクショナルレーザーと波長とニキビ跡治療の関連性

暑いですね。

今日もクリニックFの診療日です。

昨日は、メラニン色素とヘモグロビンがどの波長によって反応するかの話をしましたので、今日はもう少し波長の長い近赤外線の光が皮膚にどのような反応をおこすか、ふれてみたいとおもいます。

昨日のメラニンの話は400nm~1000nmの波長の話。

今日の話はフラクショナルレーザー機器に用いられる1000nmから10000nmの波長の話です。

このバンドの波長は、水の吸収率によって性質が変化します。

たとえばCO2レーザーの波長、10600nmの吸収率を1000とすると

2940nmのエルビウムヤグの波長は12500

1540nmの波長は10

1064nmのNd:YAGの波長は0.13という性質があります。

吸収率が大きければ大きいほど、浅いところの水に吸収されるので、浅い部位の治療に適しており、

逆に吸収率が小さければ、あまり水に吸収されないので、深いところまで光が深達するということになります。

この波長の選択が、光線深達度とコラーゲンの再変性に関わっており、この下のグラフの閾値のパワーが、皮下0.25mmの深さのコラーゲンの変性を行うのに必要なパワーとなります。

この波長の特性は特にニキビ跡治療において、非常に大切です。

上図の通り、1440nmと1540nmと、わずか100nmの波長の違いが、治療効果を大きく変えるのです。

僕は、ニキビ跡治療を行うためには、複数のフラクショナルレーザーの併用療法が必須だとこのブログでも述べていますが、一台のフラクショナル機器で治療が完成しないのは、波長の特性という問題があるのです。

これらの話を踏まえて、次のブログでは最新フラクショナルレーザー技術についての話をしたいと思います。

 


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