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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

Lasers in Surgery and Medicine 368ページ

レーザー治療を行う医者にとっての情報源は、一つは英文学会誌。もう一つは英文業界誌です。

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学会誌は、論文などでレーザーの理論をcatch-upするもの。

業界誌は新機種情報や機器スペックなどが記載されています。

どちらも必要な情報源なのですよね。
今日はこちらの学会誌Lasers in Surgery and Medicineの最新号が送られてきました。

368ページに僕の名前のアブストラクトの記事が出ています。

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多くの記事の中で、ニキビ跡に関するPRPとフラクショナルレーザー機器の併用療法の臨床報告、骨芽細胞のセルラインを使っての実験ですが、低出力のブルーライトLaserが細胞外骨化を促進するという記事が面白かったです。


クリニックFのフラクショナルレーザー3兄弟

【クリニックFのフラクショナルレーザー三兄弟】

 
肌を脱皮させて入れ替える「フラクショナル・リサーフェシング治療」が米国レーザー医学会ASLMSでデビューしたのは2004年のダラス開催の学会での話でした。
本年2018年の米国レーザー医学会はダラス開催。

当時と比べると隔世の感がありますが、僕も15年以上同じ学会に演題を出し続けていると思うと感無量ですね。

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ドット状にレーザーを打ち込み、棒状に熱凝固させることで、肌の一部の入れ替えてしまうというこの治療法は、ニキビ跡や毛穴、さらには肝斑といった肌の面の症状を、肌を入れ替えることで一気に改善するというものでした。
当初新しい波長として注目された1550nmのエルビウムグラスレーザーの波長でしたが、クリニックFで今現在治療に利用しているものは、3種類に分かれます。

どの機器も一長一短ですので、理想は三つ利用することなのですけれどね。

 
1)スマートサイド・スクエア(通称マドンナリフト)10600nm

0703イタリア デカ社副社長Dr.マウロ・ガリと
イタリアのレーザー機器メーカーDEKA社が得意の10600nmのCO2レーザーを用いて作った機器で、特徴的なのはレーザー照射後にできる熱だまりを利用して、組織を縮めることができること。

2012年には目の上のタルミを治療するマドンナアイリフトが一気に市場を席巻しました。現在クリニックFではこの機種を顔全体に照射したのちに、レーザードラッグデリバリーの技術を利用して目の上と顔全体をレーザー照射し、サイトカインんを大量に塗布するという方法を使っています。

ダウンタイムは3-5日間。肌質が5-10歳程度若くなるため、肌が入れ替わる満足度は高く、年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなどの直前の予約はいつもいっぱいです。

レーザーアシストによるドラッグデリバリーについては僕の英文論文もありますので、ご興味ある方はご覧ください。

肌を入れ替える能力と、肌を縮める能力は最も高いと思います。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27990655
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28277004
2)サイトン ヘイロー 1470nm + 2970nm

 
米国はカルフォルニアパロアルトの非上場レーザーメーカーサイトン社は2013年に皮膚の引き締め能力の高い1470nmの波長と、表皮を浅く蒸散する2970nmのエルビウムグラスの波長をハイブリッドに照射する独自技術の機器を開発しました。

いわば肌の、タイトニングとリサーフェシング、ブライトニングを合わせ持つ機能があります。

照射部位の面積をあらかじめ測定し、その部位に合わせて何ジュールのエネルギーを照射すればよいという、面積当たりの総エネルギー量を明確にした機器で、僕の様に工学博士を持つような工学部出身者としては非常に効果が理解しやすい機器ですね。

色彩を含め肌質を明るく入れ替える能力、さらにリフティングの能力は一番高いと言えるでしょう。
3)フラクセル 3 DUAL 1550nm + 1927nm
世界で最も早くフラクショナルレーザー機器を開発したリライアント社。

こちらがソルタメディカル社に買収され、さらにバリアント社に買収されるという事になりましたが、オリジナル技術を持ったメーカーです。
1550nmのエルビウムグラス波長はタイトニングを、さらに1927nmのツリウムグラスレーザーはミニマムアブレイティブと呼ばれる、はだに爪楊枝の先のような小さなかさぶたを沢山作り、肌を入れ替えます。
こちらはターンオーバーを亢進させる効果もありますので、弱く照射して肝斑を治療したり、さらにはフラクショナルレーザーを最もダウンタイム短く照射することができますので、ダウンタイムを減らしたい人には最適な施術であると言えます。


フラクショナルレーザーを利用したドラッグデリバリーの講演

フラクショナルレーザーを利用したドラッグデリバリーの講演。

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昨年通過した僕の2つの論文を使って説明させて頂きました。

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この演題枠は Dr.Neil Sadick 、Dr.Klaus Hoffmann、Dr.Ofir Artzi など大物ドクターと一緒でした。


目元外来のページが完成しました

クリニックFでは目元周りのお悩み、アンチエイジングにもレーザーでご対応、治療を行っています。

目の周りの皮膚は薄く、負荷がかかると非常にその名残が出やすいのはご存知の通りです。

また、やはりこの5年ほどはスマートフォンなどの酷使で瞳や目の周りに力がなく、老化が進んでしまっている方も多い。瞼の緩み、たるみ、目の周りのシワ、くすみ、くま・・・と年齢問わず様々なお悩みがありますね。

プチ整形、美容整形を考える方も依然多いエリアである一方、当院にお越しくださる方は「できればメスや注射針を使ってほしくない・・・」というご希望の元ここに辿り着かれるケースが多いのです。

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そういった方のために、レーザーでどういったことができるのかをできるだけわかりやすく平易な言葉を使ってまとめたページを作成してみました。

http://clinic-f.com/memoto/index.html

良かったらご参考にされてくださいね。

 

 

 


2017 AAD Summer Meeting

2017 AAD Summer Meeting。

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レーザーのセッションを聞き終えました。

米国皮膚科学会でもお馴染みのドクターで、僕のFB友達でもある Arisa Ortiz, Eric F. Bernstein, MD, Kimberly J. Butterwick, Neil S. Sadick, Robert A. Weissによるセションでした。

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議題は以下の6つ。

1)血管系疾患を最高効率で治療するにはどうしたら良いか?

2)フラクショナルレーザーによる観血もしくは非観血リサーフェシング施術を、Energy-Based Devices と組み合わせる施術。

3)色素斑をターゲットとした新しい戦術

4)スキンタイトニングの新製品。

5)非観血の脂肪溶解機器及びセルライトに対する新たな治療法

6)レーザー光治療機器をいかに安全にフィラーと組み合わせするか?

 

日本では少し廃れた感じのあるフラクショナルレーザー機器は、米国では未だに第一線の機種。

クリニックFでは、ヘイローやスマートサイドスクエア、フラクセル3デュアルなどの機種が一線で動いていることを考えると、日米の違いというよりも機器の使用方法の違いなのではないかと思います。

日本人の患者さんは、まだ肌質を若々しく入れ替える「リサーフェシング」という言葉にピンと来ていないのではないかと思います。

脂肪やセルライトによる痩身機器は、日本で評判の良い機器が必ずしも評価が高いとは言えないようで、人種差によるものもあるのでしょうね。

ただ、色素系レーザーと違って、この分野の治療法も治療機器も未だ完成したとは言えず、新たな機種がどんどん開発されているのも事実。

 

 

日本の学会であれば、この分野に臍帯血由来の幹細胞上澄液を加える話が出てきますし、クリニックFでもレーザーアシストのドラッグデリバリーは最も得意とする分野でもあるのですが、こちらは一部の商材しかFDAでは認可されておらず、ディスカッションには至りませんでした。

むしろアジアの方が進んでいる分野ですね。

 

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やはり、情報も機器も人も自分の足と目、耳、頭を使って取材するに限ると、当たり前のことですが改めて思いました。

 


The Aesthetic Industry Award 2016 フェイシャル機器の1位は

前回に引き続きThe Aesthetic Industry Award 2016の話題です。

痩身機器に続いてフェイシャル機器の1位は、各種部門ごとに選出されました。

 

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まずは、「マルチユースエナジー機器」部門でクリニックFでも大人気のスマイルリフト「フォトナ社のDynamis Pro」が選出。

こちらは今年一押しの機器でしたね。

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同様に「ベストフラクショナルレーザー」部門では「ソルタメディカル社のフラクセル3DUAL」が

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「ベストピコレーザー」部門ではシネロンキャンデラ社の「ピコウェイ」

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「脱毛」部門ではアルマレーザー社の「ソプラノアイス」が選出されました。

検討中のピコレーザーを除き今回すべてのアワード機種が、僕も選びグループ内で購入した機器でした。

レーザー機器に関して自分の見る目やバイヤーとしての勘は、今年も間違ってなかった・・・!と嬉しかったですね。


レーザーアシストによるボトックス治療「FLB」

クリニックFは基本的にレーザーによる若返り及び凹凸治療を行っているクリニックですので、美容整形手術はもちろん、注入系の治療など所謂「プチ整形」もほとんど行っていません。

しかしながら、最近人気のあるマイクロボトックス治療に関する問い合わせが増えまして・・・ご存じのない方のために簡単に解説しますと

筋肉内にボトックスを打つと表情が無くなってしまいますが、皮下にきわめて微量のボトックスをメソセラピーの要領で打つとその限りではありません。

この打ち方が「マイクロボトックス」。施術法の名称です。

マイクロボトックスによって筋肉の表面線維の働きを弱め、皮膚の表面を滑らかにし、ハリ感を出す一方で、筋肉の機能は温存する為、自然な表情を保ちシワだけを和らげ同時にリフトアップもすることができるようになりました。

しかしながら、この施術はボトックスを皮下に何十か所も注射しなければならず、麻酔を効かせても、厳しい痛みとの闘いがあることは否めません。

その痛みの部分も含めて、問い合わせが相次ぎ、ではこれをクリニックFらしいアレンジで提供できないか僕なりに考えてみました。

そこで生まれ、現在クリニックFでひそかな人気を誇る施術が、フラクショナルレーザーアシストによってマイクロボトックスの効果をより引き上げたリフト施術、略して「FLB」です。

 

ボトックス

クリニックFではボトックスをフラクショナルレーザーの施術に合わせて導入することで、痛みを最小限に抑え、マイクロボトックスの効果を最大限に得る施術を開発し、とても好評を得ています。

まさに、レーザーアシストのドラッグデリバリーを実現した施術ですので、ご興味のある方、痛みに弱い方はご体験にいらしてください。


バリアント社「フラクセル3DUAL」

今日は久しぶりにバリアント社「フラクセル3DUAL」の取材。

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DUALの意味は、1550nmと1927nmの二つの波長のレーザーを使用して、ニキビ跡などを治療できること。

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今では珍しくなくなりましたが、元祖フラクショナルレーザーの最終形の一つですね。

改めて名器だと思います。


ヘイロー マドンナリフト フラクセル3DUAL 1540XD 最新フラクショナルレーザー機器の違いについて 

年末ご要望の多い、肌質を改善し、ニキビ跡や毛穴を縮小する「フラクショナルレーザー」機器。

ずらっと並べてみました。

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フラクショナルレーザー治療法(fractional laser skin resurfacing:)は,2004年にMansteinらが報告した新しいレーザー照射概念です。

Manstein D, Herron GS, Sink RK, et al: Fractional photothermolysis: A new concept for cutaneous remodeling using microscopic patterns of thermal injury. Lasers Surg Med 34:426- 438, 2004.

この機器はレーザー光線を分離し、皮膚表面に1cm2あたり約2000個の、直径70μm前後の凝固柱を作るもので、創傷が非常に小さいため炎症が少なく、治癒が早い。

さらに、確実に真皮まで創傷を作るため、コラーゲン産生量が多く、小じわが改善し、かつ凝固した表皮が再生し新生の皮膚に入れ替わる為、皮膚表面が若々しい状態変化させることを可能としたのです。

僕は2004年のダラスの米国レーザー医学会でこの機種を初めて見て衝撃を受け、世界のレーザー治療はこの理論によって大きく変わると確信した医師の一人です。

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先日も美容皮膚科学会誌でフラクショナルレーザー機器の総論論文の執筆を依頼され、最終原稿を投稿させていただいたばかりですが、ずっとこの機種理論の進化を見守ってきました。

クリニックFのFの文字も、Fujimotoの頭文字と共に、フラクショナルレーザー機器の頭文字「F」の意味を込めたつもりです。

それほど思い入れのある機種であるため、クリニックFには多くのフラクショナルレーザーがありますが、現状のラインナップではこちらでしょうか?

■サイトン社 ヘイロー(Halo)

■バリアント社(旧ソルタメディカル社) フラクセル3 DUAL

■DEKA社 スマートサイドスクエア(マドンナリフト)

■サイノシュア/パロマ社 スターラックス1540XD

この四機種が、2014年の年末現在クリニックFのトップ4フラクショナルレーザーになります。

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今日はそれぞれの機器の違いについて改めて触れたいと思います。

まずは

① サイトン社 ヘイロー(Halo) 

◆こちらは1470nm(凝固)と2940nm(蒸散)の役割を持つ二種類の波長のレーザー光を同軸に照射するという世界初のハイブリッドフラクショナルレーザー機器。

1470nmを利用することで、皮下100-700ミクロンメーターの表皮と真皮に熱刺激を加え、コラーゲンの再生によりタイトニング効果を引き出し、2940nmを利用することで0-100ミクロンメーターの表皮を蒸散させる効果があります。

照射後のダウンタイムは3日間程度。

フラクショナルビームが細かいため、目視できません。施術3日後には肌が脱皮をするかのように、古い角質層をはがします。

タイトニング、引き締め効果も高いので、表皮のきめが細かい35歳以上の人に適しています。

次は

② バリアント社 フラクセル3 DUAL です。

◆こちらの機種はフラクショナルレーザーの元祖、リライアント社(旧ソルタメディカル社、現バリアント社)の開発した機器。

1927nmのツリウムグラスと、1550nmのエルビウムグラスレーザーの複合機器ですが、アブレイティブとノンアブレイティブの中間にあたるツリウムグラスの波長が、ちょうどアジアンスキンにはぴったりでダウンタイムも少ないことからこの機種を選択する人が多いです。

三番目は

③ DEKA社 スマートサイドスクエア(マドンナリフト)

◆CO2レーザーとラジオ波を複合させた、フラクショナル機器。

非常に優れたスキャナ機能を持ち、空中照射が可能なため、疾患や部位に影響なく使用できるのが特徴です。さらに、蒸散能力が高いため、深いニキビ跡や毛穴の様に立体的な構造を治療するためにはとてもメリットがあります。この4機種の中では、唯一空中照射が可能な機器です。

また、上眼瞼下眼瞼のゆるみやしわを治療するマドンナアイリフトの施術と合わせることが可能ですので、肌全体の若返りには良いですね。

最後に

④ サイノシュア/パロマ社 スターラックス1540XD

◆業界唯一のコンプレッション・フラクショナル機器。

クリスタルグラスを肌に押し付けて、皮膚を牽引させて照射が出来ます。皮膚を延ばすことで、コンタクトクーリングの効果をより高め、ターゲットに対してより近くなりますので、より効率よく治療が出来ます。

フラクショナルレーザーと言っても数多くの機種がありますが、これらはどの機種も代替が考えられません。

光治療機器も、フラクショナルレーザー機器も、RF機器も、HIFU機器も、

どれも組み合わせ治療が可能な時代になったということですね。


フラクセル マドンナリフト フラクショナルレーザー機器の適切なパワー設定

おはようございます。引き続き今日も朝から晴天に恵まれましたね。

今日6月4日(火)もクリニックFの診療日です。

このところ患者さんから続けて同じご質問がありましたので、レーザーのパワーについてすこし今日は書いてみたいと思います。

レーザーの照射をするとき、パワーをあげる方が効果が上がるのでは?

と考えている患者さんは依然多いようで、例えば施術中にぎりぎりまで我慢できるのでパワーを目一杯上げてほしい、と実際おっしゃる患者さんも少なからずいらっしゃいます。

サーマクールなどのRF(高周波)機器は、パワーを上げるほうが効果が上がる、というのはある程度真実であり、表皮に火傷をつくらない限り、ハイパワーで照射したほうが良い結果が得られるでしょう。

しかしながら、レーザーにもその理論が当てはまるとは限りません。

※※※※※

まず大前提としてレーザーには

① 波長

② パルス幅

③ フルレンス(照射強)

④ 照射直径

⑤ 皮膚温度

という5つのパラメーターがあります。

これら5つの設定がその患者さんにとって最適であれば、より効果の高い治療ができることになります。

ここ数年突出して人気のある「フラクショナルレーザー」の場合は、これに

⑥ 照射密度

という新たなパラメーターが加わります。

これらの組み合わせのパターンは、それこそ無限大。医師のセンスと経験が問われるところです。

医師の方はこれらすべてに気を配り、バランスを見極めながら照射しなければなりません。

この前提を踏まえた上で、今回はフラクショナルレーザーについて考えてみましょう。

※※※※※

フラクショナルレーザーはパワーだけに依存しない代表的な機器です。

その理由をいくつか説明しますね。

まずは、生物学的な話。

例えばここ数年に出てきた英文論文では、フラクショナルレーザー施術後に、組織再構築が行われる際には、皮下のサイトカインが誘導されることが報告されています。

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これらのサイトカインは、強いパワーで照射された場合、むしろ発生が抑えられるという研究発表が多いのです。

ちなみに創傷治癒過程に関与するサイトカインとその主な機能
サイトカインには、以下の様々なものがあります。

その中の一部を挙げていきますと

○TGF-β=トランスフォーミング増殖因子β 

・マトリックスタンパク質(コラーゲンなど)を刺激する

・プロテアーゼ産生を阻害する

・有糸分裂を促す

・マクロファージおよび顆粒球の走化性を活性化する

・向炎症性サイトカイン(インターロイキン1、インターロイキン6 および腫瘍壊死因子α)を放出する

○bFGF =塩基性線維芽細胞増殖因子 

・血管形成活性および有糸分裂誘発活性

・内皮細胞の遊走および増殖の初期刺激を与える

・コラーゲン産生を阻害し、コラーゲン束の攻勢を助長する

○EGF=内皮増殖因子

・再上皮化活性(すなわち、角質細胞増殖、角質細胞周辺化、過剰増殖創傷表皮など)

○PDGF=血小板由来増殖因子

・単球、マクロファージおよび好中球に対する走化活性

・in vitro での線維芽細胞および平滑筋細胞有糸分裂誘発活性に対する

・線維芽細胞を刺激して、細胞外マトリックスを産生し、コラーゲンマトリックスを引き締める

○VEGF=血管内皮増殖因子

・脈管形成及び血管新生を調節する

○ビメンチン

・線維芽細胞タンパク質:マトリックスおよび細胞間物質の産生に関与

・・・といったものがあります。

これらが複雑に絡み合って肌を再生しているのですから、高出力によってこれらサイトカインの生成が減ってしまっては肌の再構築などできませんよね。

皮下にダメージは与えても、生体の反応を考えると元に戻る以上のパワーで照射されてしまっては、意味がないということです。

※※※※※

もう一点は工学的、物理学的な話。

照射密度についてです。

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一般にフラクショナルレーザーを照射すると、パワーを上げればあげるほど、深達度は深くなります。

しかしながら、安価な機種の中にはビームの焦点がずれていたり、精度が悪いものもあって、単にエネルギーが分散し、ヒートショックゾーン(熱変性)を幅広くしてしまうだけの機種があるのは事実です。

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フラクショナルレーザー機器間の性能違いについては、僕も英文論文やこのブログで述べてきたつもりです。

フラクショナルレーザーとニキビ跡治療の関連性

ニキビ跡治療に最も適したフラクショナルレーザー

また、機種によってはパワーが上がるとやけどを防ぐために、照射密度が荒く設定されなおすものもあります。

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実際にビーム照射径70µm前後だと、24時間以内に肌の再上皮化が行われますので、非常に適切だと思いますが、オーバーパワーで照射してしまうと、それ以上にダウンタイムがかかる。

さらに深いニキビ跡を治したいのか、毛穴を治したいのか、肌のきめやテクスチャーを治したいのかによって、それに適した深さや照射密度がありますので、対応してパワーを変える必要があることがわかりますよね。

※※※※※

こうしたパラメーター設定は、きわめて職人技的で、レーザーを実際に照射した医師の経験によってしか得られないものだと思います。

そして、一人一人の肌を診察し、より治療効果が上がるように機器を選び、一人一人照射方法を変えながら工夫し、結果を出すのが、この仕事の醍醐味の一つでもあるのです。


フラクショナルレーザー機器のセカンドライン C&B(クリア&ブリリアント) Emerge

おはようございます。

今日は5月19日快晴ですね。

日食の日も今日の様に晴れると良いのですけれどね。

今日はクリニックFの診療日です。

インドの出張記も書き終えましたので、そろそろ春期のレーザー医学会情報のまとめをしようと思います。

2012年春季の主な米国系レーザー皮膚科学会は、米国皮膚科学会、米国レーザー医学会と、5月中旬現在で、すべて終了しました。

レーザー機器メーカーは米国が主導していますし、米国の学会はレーザーを専門とする医師に取って外すことは出来ない情報源。

2012年の特徴として、多くレーザーメーカーが痩身の機器を市場に投入し、ピコ秒レーザーがデビューしたことはお話ししたと思いますが、もう一つ特徴的なことがあります。

それは、フラクショナルレーザー機器を販売してきたメーカーが、セカンドラインの「廉価版フラクショナルレーザー機器」をデビューさせたこと。

アパレルの世界と全く同じで、より広い層に販売するための普及版・廉価版としてのセカンドラインの役割は、ファーストラインへの導入としては大きいですよね。

代表的なものは、「フラクセル3 DUAL」や、「フラクセル:リペア」を販売しているソルタメディカル社が、廉価版フラクセルとして投入した「C&B クリア&ブリリアント」です。

ソルタメディカル社は、2004年に世界で始めてフラクショナルレーザー機器をデビューさせた会社です。

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ダイオードレーザーが主体ですので、この通り小さなサイズ。

パラメーターも細かい設定は無く、強中弱の3種類から選択するように単純化されています。

そもそも機器としての出力が弱いので、ニキビ痕や毛穴などの治療には適しませんが、肌の入れ替えの用途にはよいのではないでしょうか?

機器本体の価格もファーストラインの「フラクセル3DUAL」と比較すると、約4分の1。

施術の値段も当然変わってきます。

そしてこちらは、本邦初公開。

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パロマ社のセカンドラインのフラクショナルレーザーEmerge(イマージュ)。

フラクショナルレーザー機器をデビューさせたのはソルタメディカル社が先ですが、米国パロマ社は、フラクショナルレーザー理論の特許を持つ会社です。

スターラックス1540XD Lux2940(TM)、Lux1540(TM)、Lux1440(TM) などのパロマ社のファーストラインに次ぐ機種として、1410nmの波長を使った機種ですが、C&B クリア&ブリリアントよりもさらに安価です。

どちらもテストをさせていただきました。

2012年現在のレーザー医療クリニックの定義をあえてするとすれば、CO2および、近赤外領域のCO2以外の波長のフラクショナルレーザーをそれぞれ1台づつ。

少なくとも2台のフラクショナルレーザー機器が、クリニックのラインナップにあることが最低条件と言ってよいかと思います。

蒸散系と凝固系の二つのフラクショナルレーザー波長がなければ、多くの症例に対処することができません。

これらの二つの機種は、設定パワーも限られており、照射範囲や照射スピードも遅いため、決して使いやすい機器であるとは言えませんが、これからフラクショナルレーザー機器の購入を考える医師の方には、フラクショナルレーザー機器の構造を理解し、経験するためにも非常に良いのではないかと思います。

百聞は一見に如かずではないですが、こと、レーザー医療に関すると経験に勝るものはありません。

一方で、患者さんがこれらの機器を選択するべきかどうかは悩むところですが、過去販売されたフラクショナルレーザー機器は、本体の値段に比例して効果が上がるのが原状。

治療回数を少なくしたい方は、やはり高出力のファーストラインのレーザーを。

治療回数が多くても、一回当たりのコストを安くしたい方は、セカンドラインのレーザーを選択していけばよいのではないでしょうか。


フラクショナルレーザーと波長とニキビ跡治療の関連性

暑いですね。

今日もクリニックFの診療日です。

昨日は、メラニン色素とヘモグロビンがどの波長によって反応するかの話をしましたので、今日はもう少し波長の長い近赤外線の光が皮膚にどのような反応をおこすか、ふれてみたいとおもいます。

昨日のメラニンの話は400nm~1000nmの波長の話。

今日の話はフラクショナルレーザー機器に用いられる1000nmから10000nmの波長の話です。

このバンドの波長は、水の吸収率によって性質が変化します。

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たとえばCO2レーザーの波長、10600nmの吸収率を1000とすると

2940nmのエルビウムヤグの波長は12500 

1540nmの波長は10

1064nmのNd:YAGの波長は0.13という性質があります。

吸収率が大きければ大きいほど、浅いところの水に吸収されるので、浅い部位の治療に適しており、

逆に吸収率が小さければ、あまり水に吸収されないので、深いところまで光が深達するということになります。

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この波長の選択が、光線深達度とコラーゲンの再変性に関わっており、この下のグラフの閾値のパワーが、皮下0.25mmの深さのコラーゲンの変性を行うのに必要なパワーとなります。

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この波長の特性は特にニキビ跡治療において、非常に大切です。

上図の通り、1440nmと1540nmと、わずか100nmの波長の違いが、治療効果を大きく変えるのです。

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僕は、ニキビ跡治療を行うためには、複数のフラクショナルレーザーの併用療法が必須だとこのブログでも述べていますが、一台のフラクショナル機器で治療が完成しないのは、波長の特性という問題があるのです。

これらの話を踏まえて、次のブログでは最新フラクショナルレーザー技術についての話をしたいと思います。


フラクセル3DUALでフェイス・リフティング?

クリニックFでは、今までも様々なレーザー機器を使用してきました。

レーザーそれぞれにも特徴がありますから、「患者さんに人気の高い機種」、「僕が見ておもしろいと思う機種」、「思っていたほど人気を獲得できなかった機種」、「なぜか突然人気が高まった機種」・・・など、それぞれのキャラクターがあるのです。

そんな中、最近はちょうど導入して1年が経過した「フラクセル3DUAL」の顧客満足度が群を抜いて高く、僕自身ちょっとびっくりしています。

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フラクセル3DUALは、レーザー治療器の中でも最も高額な部類に入る機械ですが、それでも国内を見渡すと日本にもすでに10台ほど導入されたと聞いています。

このブログで何度も書いていますが、レーザー治療に期待される役割はこの10年で劇的に変化してきました。

10年前のレーザー治療院というのは、

●赤、青、茶・・・といった痣やシミを治療して、かさぶたを作って取る

●ホクロなど隆起したものを、電気メスのように削り取る

●脱毛

といった治療を期待される患者さんが、保険証片手にやってくるような場所でした。

「皮膚疾患を治療する病院」的意味合いが強かったのですよね。

そのため、治療が済めばクリニックに来ることももうない、と考える患者さんが多かったのです。

ところがこの10年の間に、レーザークリニックは 「病院」=病気を治すために来る場所 ではなく、ウェルネスやQOL(クオリティ・オブ・ライフ)追求のためにやってくるスパやジム的な要素も求められる場所へと変化していきました。

シミや、ニキビ痕、毛穴といった、肌の治療を目的とする方以外に

肌つやを良くし、ハリを保つために、レーザー/光治療器を使用して、肌を若々しく保ち、メンテナンスするために、レーザー治療を定期的に受けられる方が出てきたのです。

治療の内容は、顔の肌全体に対して深さの順に

① リサーフェシング(表皮角質層 肌の表面を入れ替える)

② ホワイトニング(表皮基底層 ブライトニング、色を白くして透明感を増す)

③ タイトニング(真皮層 肌の実質のコラーゲンやエラスチンを増やし、ハリを持たせる)

④ リフティング(皮下脂肪層 肌のリフトアップを行う)

となり、患者さんの希望と、医師の所見によって、どの治療器を選択するかを決めます。

僕も40代を迎えて、定期的にレーザーを照射するようにしているのですが、自分のペースだと、2ヶ月~3ヶ月に一度ずつ顔にレーザーを照射すれば、皮膚の中身が密度的にも充実し、とても肌のつやが良い、良い肌が維持できるような気がします。

この頻度ですと、年間4~6回の治療ですので、地方や海外在住の方も東京に通える範囲内ですよね。

肌のメンテナンスをするときに使用するレーザー・光治療のコツは幾つかの波長を組み合わせて使用するということです。

クリニックFでのメンテナンスレーザーの一番人気は、シネロン社の「トリニティ」です。

トリニティはアジアンスキンに対しての、ホワイトニングとタイトニングの効果が秀逸ですので、選択する方の満足度も高かったのですが、最近それを追従する勢いなのが上記のフラクセル3DUALなのです。

フラクセル3DUALは、フラクセル2の“完全上位機種”です。

つまり1550nmの波長を使用するフラクセル2の施術をすべて行うことができます。

さらに新規に導入された1927nmツリウムファイバーの波長を、フラクセル2の波長に組み合わせて使用できます。

ニキビ跡や毛穴がみるみる変化してゆくのも驚きますが、最近は

「肝斑が薄くなった」

「顔がリフティングされた」

といった患者さんからの報告も受けるようになりました。

肌を断続的に入れ替えることによって肝斑の薄くなる機序は良く理解できるのですが、「リフティング」はちょっと不思議ですよね。

でも、そうした患者さんの初診時の写真を見比べると、明らかにリフティングの変化がわかる場合があります。

特に色が白くて表皮が薄く、肌の実質が減っているのではないかと思われる患者さんが、この施術をした場合、しっかりとしたリフティングの効果が見られます。

肌実質がしっかりと作りなおされるということなんでしょう。

いずれにせよ。本年日本でデビューした最新レーザー機器。試してみる価値はあると思いますよ。


フラクセル3デュアル 国内正式デビュー

クリニックFでは、ソルタメディカル社の「フラクセル3デュアル」を2009年12月にデモ機として日本で初導入しています。僕自身もカルフォルニア本社のスタッフに臨床経験やパラメーターを報告するなど、製品開発にも関わってきました。

その最新鋭の機器「フラクセル3デュアル」が、2010年4月にいよいよ国内で正式デビューを果たしました。

Fraxel3dualu

ここで「フラクセル3デュアル」の特徴を改めてまとめておきたいと思います。

開発元であるソルタメディカル社は

■顔の皮膚全面を1度に治療するのではなく、あえて「正常な皮膚」を残すことによって、治療部位の皮膚再生を加速し、しかも安全に治療を行うことができる。

・・・という、治療効果と安全性を両立させた画期的な理論を

「Fractionated Laser Resurfacing」

と名付け、ひとつの新しい治療法として初めて確立させた会社です。

この「フラクショナル・レーザー・リサーフェシング」とは、もうすこしわかりやすく説明すると

■レーザー機器を利用して、正常な肌を残しながら、断続的かつ、円柱状もしくは円錐状(フラクショナル)に皮膚を入れ替える治療法。この治療法により、にきび痕や加齢により開いてしまった毛穴に改善をもたらし、皮膚全体の若返りを図る=「リサーフェシング」を行うことを可能とする。

・・・とでも定義したら良いでしょうか。

2004年のアメリカ テキサス州ダラスで開催された米国レーザー医学会(ASLMS)で、初代フラクセルの理論が発表されました。

偶然にも僕はダラスでの発表の現場に居合わせました。

発表を聞き、この機械は、特にアジア人の肌のレーザー治療に革命を起こすと思いましたよ。

ソルタメディカル社(元リライアント社)はさらにフラクショナルレーザー機器の研究を続け、2007年以降 改良型の「フラクセル2(リストア)」「フラクセルリファイン」「フラクセルリペア」・・・と多くの機種を発売してきましたが、2009年8月その集大成ともいえる機種を発表しました。

それがこの「フラクセル3デュアル」です。

フラクセル3デュアルは、2009年8月にカナダのウィスラーで開催された「コントロバーシーズ&カンバセーションズ」という、ハーバード大学医学部附属光医学研究所の卒業生が主体となって主催するカンファレンスで、初めて発表が成されました。

この会は毎年8月の真夏に3日間、北米大陸のさまざまな都市で開催されます。

それこそ、世界中からレーザー皮膚関連の専門医師が集まってくる会なのですが、面白いのはレーザー治療器について、メーカーサイドの発表ではなく

「医師の本音を言い合う」

会であるということ。

最新鋭の機器については、実際に使用している医師から感想を聞くのが一番です。非常に役立つ知識が多く、僕も毎年出席を楽しみにしているのです。

フラクセル3デュアルのデビューについては、フラクセルとサーマクールの新機種デビューのブログでも報告しましたよね。

このレーザー機器の最も大きな特徴は、今までの1550nmの波長に比べて1927nmのレーザー波長を加えて照射できるようになったこと。

Fraxel3dualw

これらの赤外線の波長特性は、水に対する吸収率で性質が変わります。

単純比較した場合、1927nmの波長は、従来の波長に比べて10倍、水に対する吸収率が高いのです。

つまり肌に照射したときに、真皮の水分に吸収されるため、エネルギーが真皮の深くには入らないのです。

この特性によって何が起こるのか?

Histrogydual

ちなみにこちらは1550nmと1927nmのふたつの波長を、まったく同じパワーである20mJ(ミリジュール)で照射したものです。左の1550nmの方が深く入ることがわかりますよね。

Power1927

さらにこちらは同じ1927nmの波長で、パワーを上げていったもの。パワーがあがるごとに照射野が広がりますが、深さがあまり変わらないのがわかりますか?

つまり、色素斑や、浅いタイプのにきび痕、毛穴といった、表面の入れ替えを主体に治療したいときは1927nmの波長をメインに使用するわけです。

一方で、今までの既存のフラクセル2の1550nmの波長を使用すると、

Laser

このとおり、パワーを上昇させればさせるほど、浸達度が上がります。

経験的にも、真皮において新しいコラーゲンやエラスチンを生成する作用も大きいですので、ある程度の深さのある疾患に対して、入れ替えを主体に治療したいときは、1550nmを選択したほうがよいのがわかります。

Depthdual

しわや傷跡のように深い疾患と、さらにはスキントーンの改善や老人性色素斑などの浅い疾患に対し、

この図のように、二つの波長のパワーと照射密度を、何対何の比率で照射すればよいのかを考えることによって、患者さんの肌の症状に合わせて、より細かい使い分けができるのです。

このあたりのパラメーターの比率については、今月末に開催されるシンガポールでの皮膚科学会の招待講演で発表させていただこうと思っています。

クリニックFでの場合、フラクセル2の経験者で、フラクセル3デュアルを照射すると、ほぼ100%の方が次もフラクセル3デュアルでの施術を希望されます。

特に薄いしみや、小さな毛穴などに対する肌の入れ替えには圧倒的な優位差がありますね。

ちなみに3月にマイアミビーチで開催された米国皮膚科学会(AAD)では

フラクセル3デュアルとサーマクールCPTのブログである通り、相当大きな扱いでした。

このフラクセル3デュアルの施術は、安全のため、クリニックFでの「フラクセル2」の治療経験者に限り施術を行ってきましたが、先月国内で正式にデビューしたことにより、初めてフラクセルを受ける方でもフラクセル3デュアルを選択できるようにしました。

クリニックFでの施術価格は、全顔照射で「フラクセル2」と同価格。126,000円です。

3

今までの施術に比較して、「肌の入れ替わり感」がより大きく実感できます。

今後の世界の主流な治療になっていくのは明らかですね。


加齢した肌を若い肌に「入れ替える」

「このシミをとりたい」

とおっしゃって御来院する方が、今でもやはり多いのです。

それは時に

「木を見て森を見ず」

・・・ということになってしまうのですが、初診でおいでになる方には時間をかけて説明しないとなかなかわかってもらえないことも。

そんなとき、僕はこんな話をすることがあります。

初めて会う人の年齢を想像するとき、どういった点で人は判断しているでしょう?

シミの有無や色の白さは、若さの判断基準に実はあまり関係がない。

それよりも

肌にハリと弾力があり、つやつやしている人が、より年齢が若く見られる傾向にあることは恐らく周りの「若々しい人」を見れば皆さんわかっていただけるのではないでしょうか。

レーザー治療にいらっしゃる方には、冒頭のようにレーザー治療≒シミ取り と考える方が多いのですが、以前にも書いたようにそれは日本ならではの現象です。

この10年間でアメリカを中心に行われた技術革新によって可能になったことがあり、レーザー治療の人気と実力はそれにより確実にひとつ上のステージに上がりました。

それは肌を新しく若い肌に「入れ替える」ということ。これをリサーフェシングといいます。

レーザー治療は、単にメラニン色素などを取り去るといった「肌の改善=Improvement」から、コラーゲンやエラスチンを再生させることによって、「入れ替え、もしくは、もとに戻すこと=Replacement または Resurfacing」に意味合いが変わりつつあるのです。

実は、90年代にCO2レーザーによるフル・リサーフェシングの施術が白人の肌に行われるようになりました。しかし、まったく同じパラメーターで色素の強いアジア人に施術をした際、トラブルが続出し、問題になった時期があるのです。アジアの肌にはフルリサーフェシングは、副作用が大きすぎたのです。いつの間にかアジアの国々にとって肌を入れ替える、リサーフェシングという概念は、なくなってしまいました。

アジア人の肌にはリサーフェシングは無理だろうといわれていて何年もが過ぎましたが、

Fractional2

この図のように、肌に正常な部分を残しながら、肌のごく一部分(赤い部分)のみを入れ替えてゆくという、フラクショナル・レーザー・リサーフェシングの概念が登場したのです。

これはアジア人の肌にもリサーフェシングが適応できる画期的な手法。

肌の改善に使用されてきた機器は、1999年に開発されたIPL フォトフェイシャルを中心とした光治療器がしばらくこの業界の中心に居座ってきましたが、アジア人の肌の入れ替えに使用できる機器として2004年に初めて発表されたフラクショナル・レーザーが、徐々にその座に座りつつある、というわけです。

2004年からいくつも現れたフラクショナルレーザーの機器たちを、ここに並べてみましょう。

Fractionallasers

クリニックFでは、これまで本当に沢山のフラクショナルレーザーを購入し、使用してきました。

これらの機器による「リサーフェシング」を行った患者さんを見ると、ニキビ痕であれ、毛穴であれ確実に改善して、また肌全体も同時に平均して5~10歳ぐらい見た目が若返っています。

医師にとってフラクショナルレーザーを使用する上で、最も注意しなければいけない点は、肌の入れ替え比率と深さです。

フラクショナルレーザー機器のメリットは、肌の一部だけを選択的に入れ替えることが出来るということ。ですから、むやみやたらに多く照射すればよいのではなく、照射野の中に、必ず正常な皮膚を残すということが必要です。

また、患者さんの症状が、ニキビ跡の深さなのか、広がった毛穴の深さなのか、を判断し、それに合った深さの波長とパワーの機器を選択する。

こうすることによって、肌の確実な入れ替えを可能になるのです。

この春に出席したフロリダの米国皮膚科学会(AAD)でも、特にレーザー部門においては、フラクショナルレーザー機器の新規製品の発表が最も多く、またフラクショナルレーザー機器による肌のリサーフェシング技術についての検討演題もとても多かったのが印象的でした。

世界的な流れとして、肌を若々しく入れ替えることに対して興味が出てきているのだとおもいます。

昨年末からデビューした機器では、たとえば

■シネロン社のサブレイティブRF機器であるe-matrixは、ニキビ跡の改善に役立つ機器として

■ソルタメディカル社のフラクセル3デュアルは、新たな肝斑治療の機器として

特に注目を浴びています。

レーザー機器による肌のリサーフェシングによって、肌を入れ替える。それにより、顔全体を若々しい印象に作り変える。

フラクショナル・レーザー・リサーフェシングという言葉を、ぜひ覚えてほしいと思っています。


フラクセル3デュアル (リストア・デュアル) 

20100329

日本に、まだ一台しかないフラクセル3(リストア)デュアルです。

新しいフラクセルの特徴は、今まで使用してきた1550nmの波長に加えて、1927nmの波長をDUALに使用できるようになったことです。

1927nmの波長は1550nmに比べて、浅く入るのですが、色素斑などの治療効果が高く、特に肝斑治療には効果を発揮するのです。

フラクセル3デュアルが昨年12月にデモ機としてクリニックFに来てから、何人もの患者さんの照射をしていますが、評判は上々です。

フラクセル2と比較して、肌の入れ換えの感触が、より実感できる様なのです。

フラクセルを入れているすべてのクリニックに、そして美容医療に取り組むすべての医師に、これはお薦めしたい機器ですね。

国内でも今月、正式発売となりましたが、今日はカリフォルニアのソルタ・メディカル社本社からアジア・パシフィックのマーケティングスタッフがクリニックFにやって来ました。

今後のフラクセル3デュアルの販売形態や、PRの方法などを相談してゆきましたよ。

さらに、5月にシンガポールで開かれる学会で、このフラクセル3デュアル招待講演が予定されているので、その打ち合わせもさせていただきました。


肌質改善についてのご質問にお答えします

こちらのQ&Aも公開しておきましょう。

Q 先生はじめまして。私は31歳です!

10代の頃に鼻の汚れを指で押し出してしまいました。
挙げ句便秘で不規則な生活をしていて一時ニキビ肌になってしまい それもまた指で押し出してしまい 若い頃から鼻 ほっぺの毛穴に悩まされてます。

今までケミカルから始まり数多くのレーザー治療をしてきましたフラクセル②も合計で15回以上はしています

一時の改善はされても日が立てば元通りの毛穴顔(>_<)

どんなに優れたレーザーでも 陶器肌にはなれないのでしょうか?

素人の考えなので有り得ないかもしれませんが ケミカルの濃度の高いやつ、レーザーの高いやつを使ってベロンベロンに剥けたとしても 日にちが立てば元通りなのでしょうか?

凸凹になってしまった肌はもう二度と平らにすることは不可能なのですか?

国外にもないのでしょうか?

陶器肌にすごく憧れます(^w^)

教えて下さい(*_*)

A こんにちは。コメントありがとうございます。

結論から言ってしまうと、凸凹な肌を平らにすることは、可能です。

でも、使用する機器は選ばなければならないですね。

ニキビ痕の肌に対してフラクセル2は万能ではありません。治療経過中は、いつくかのフラクショナルレーザー機器を組み合わせる必要があると思います。

また、たとえ濃度を上げたとしてもケミカルピーリングだけでニキビ痕を治すことは、まずできないと思った方がいいと思います。

ニキビ肌を治療するのにクリニックFで一押ししているのはシネロン社の新製品「E-MATRIX」サブレイティブ・フラクショナルRFの機器とフラクセル3(リストア:デュアル)との併用です。

また、他のクリニックでフラクセルを照射しても効果が出なかったと言って、クリニックFに来院する多くの患者さんの肌を診察してみると、肌がフラクセル2を照射できる準備が整っていないことが多いです。

このブログでも書いてきましたが、そういった方にはフラクセルの効果が出やすくなるように肌を整える「基礎工事」のレーザー照射が必要です。


カルフォルニアから来たフラクセルのトレーナー

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デモ機として、フラクセル3(リストア・デュアル)がクリニックFに来てほぼ1ヶ月。

カルフォルニアのソルタ・メディカル本社からナースプラクティショナーのトレーナーがクリニックFに来てくれました。

診療前の約1時間半時間を使って、フラクセルデュアルについてディスカッションしましたよ。

アメリカで設定されたパラメーターは、僕が臨床利用してきたパワーとほぼ一緒か、少し強めな感じでした。

1927nmのチュリウムレーザーを利用した施術をクリニックFで体験した患者さんは、ほぼ口をそろえて今までのフラクセル2との違いを強調して、絶賛してくれています。

4月頃に日本でも正式リリースされるようですが、この機械は相当売れるんじゃないでしょうか・・・・。

カルフォルニアからの報告によると、肝斑治療にも新たな進歩をもたらしそうです。症例写真を見せてもらいましたが、いい感じでしたよ。


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新国際学会周遊記

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