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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

まぶたのたるみにマドンナリフト 医学と工学の研究の違い

おはようございます。

今日も天気が良いですね。気温も上がるようですよ。

今日2月24日(金)もクリニックFの診療日です。

昨日は木曜日の休診日。僕はいつものように、工学の勉強をする日。大学院の研究室にいました。

医学と工学とでは、レーザーに対する研究のアプローチが全く違います。

工学の分野では、精度と理論の素晴らしさが論文の取捨選択基準になりますが、これが医学ではいかに臨床利用に役立つかという基準で論文が書かれます。

そのため、医学博士論文を書いていた頃とは全く違ったアプローチを要求されますので、頭が活性化されますね。

ちなみに、僕が今回ここで研究しているテーマは、新しいレーザー機器開発の可能性について。

具体的には、ファイバーデリバリー形式のレーザーに対し、そのファイバー先端部を加工することで、レーザーを熱エネルギーに変換し、生体で利用してゆく機器の理論を解明し、臨床に応用できないかと考えているのです。

先端部が加工されたファイバーデリバリー形式のレーザーは、生体において蒸散系のレーザーとして応用できるのです。

ところが、この「加工」というのは、一言で言うと、ファイバー先端に、ある細工をして傷を付けることで、ヒューズ現象を人為的に起こすための加工であり、ここに今までは課題がありました。

ヒューズ現象が通常のファイバーレーザーで起こってしまいますと、正しい情報が伝達されなくなりますし、ファイバーを構成している主要素であるシリカを熱破壊し、ファイバーが融解するばかりか、逆行したエネルギーにより、レーザー機器本体にも害を及ぼすことにもなります。

工学部出身者のレーザー開発者は、この

「ヒューズ現象を起こさないため」

の研究を繰り返して行ってきたともいえるのです。

しかしながら、医学の観点でこのファイバーヒューズ現象を観察すると、ファイバーは消耗品として患者ごとに使い捨てれば良いです。

つまり、医療施術に利用・応用しやすい形で

人工的に 「いかにヒューズ現象を作り上げるか?」

ということが研究の論点になるのです。

こうした思考は、工学だけをバックグランドにした研究チームでは絶対に生まれない発想ですよね。

時に医学をバックグラウンドにするか、工学をバックグラウンドにするかでアプローチが正反対になってしまうということなのですが、そこがまた理系の研究の楽しいところ。

いよいよこの4月から、3年間の工学部博士課程も、後半のセメスターに入ります。

残りの1年半の期間で、より良い論文を書いてゆこうと思います。

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前置きが長くなってしまいましたが、今週の日曜日 東京マラソンの日に御殿山ガーデンホテルラフォーレ東京で医師を対象に開催される、イタリアのレーザー機器メーカーDEKA社のワークショップの講師に呼んで頂いています。

レーザー治療でも著名な先生方も多数ご参加されると聞いていますので、少し緊張します(笑)。

講演の内容はマドンナリフト。

「まぶたのたるみ」をとるために2010年頃から米国で始まった全く新しい施術ですが、昨年1年だけでも多くの論文が出てきて、技術的にも精度が上がりました。

眼球や、それを覆う瞼は、そもそも球体です。

僕も昨年から、数多くの施術をしてきたことで、球体に綺麗にレーザーを照射し、より効果を上げるコツを自分なりにつかんできました。

また、今年の米国レーザー医学会(ASLMS)で発表するフラクショナルCO2レーザーのまぶたの照射への比較演題も、少しご紹介してゆこうと思います。

そして、昨日米国のWEBを観ていて、驚いたのが一つ。

このマドンナリフトの命名者で、僕と同じ米国レーザー医学会の専門医であるNYCのブルース•カッツ医師とともに、マドンナがこの施術の説明のためのWEBに出ているのです。

この施術をマドンナが施行したという噂は聞いていましたが、このような形で本人がメディアに出てくるとは…..。

ここがマドンナの懐の広さなのかわかりませんが、施術について、本人が効果を感じて気に入っていることは、まず間違いないようですね(笑)。

ワークショップに参加希望の先生は、既に30名を超えていると聞いていますが、まだ枠に若干余裕はあるようですよ。


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