【活動性ニキビに効果 新レーザー Inmode】
クリニックFはこれまで「完全自由診療のレーザー・アンチエイジング・クリニック」というスタンスをとってきました。
一年前までは僕一人で外来を請け負っていたため、しかもその僕自身が出張多く毎日の外来に立てないため、非常にニッチでナローな治療にフォーカスを当てることでどうにかこうにかここまでやってくることが出来たのです。
とはいえ、正直なところそのスタンスを一時も崩さずぶらさないために、諦めなければならなかったことや場面があったことは事実です。
保険診療の取り扱いをしていないことから、例えばこれまで活動性ニキビについてお悩みの患者さんに関しては、他院で受診をしていただくことがしばしばありました。
赤みがあったり熱感があったり隆起があったりする、「今まさに元気な」ニキビは内臓疾患や婦人科系疾患を象徴していることも多く、美肌の追求よりもまず先にそれらを病変として捉え治療をする必要、まずは病気から健康を目指す必要があるという思いがあったためです。
一方そうした患者さんが皮膚科や婦人科、時に内科を訪れ処方された薬を飲んだり、生活習慣を改善されることでニキビの活性化に終息が見られても、皮膚上の赤身や凹凸が残ってしまう場合については積極的に治療をさせて頂いてきました。
この部分こそフラクショナルレーザーを始めとしたレーザー・光治療器の十八番です。
これまで沢山の患者さんが「ニキビができる前より肌が綺麗になった!」と喜んでくださり、僕自身も治療に自信を持って取り組んでいます。
こうした理由によりこれまでクリニックFでは治療を極力行わなかった活動性ニキビですが、最近すこし考えを変えました、先日お話ししたイスラエルのInmode社が開発したプラットホーム型レーザー機器の機能の1つであり、今回新たなフラクショナルRFの機器として登場したFRACTRA(フラクトラ)がこれら活動性ニキビに対し、非常にわかりやすく良い効果をここまで出しているのです。
FRACTRA(フラクトラ)は、チップの中心部にピンが、その両サイドにelectrode Barがあり、それによりRFエネルギーをマルチバイポーラ―型に出力することが可能となった機器です。
どういったことかというと、これまでの類似機器に比べ、より深部まで効果を到達させることができ、活動性のニキビとざ瘡後瘢痕を同時に治療することができるのです。
先端のチップは全部で4種類あり、それぞれピンの長さや密度、コーティングの範囲が異なるので、照射部位や凹凸の深さ、Skin Typeによって使い分けます。検証した結果、日本人の顔面のニキビに対しては、以下の②の60pin, 600micronのチップを使うのが良さそうです。
活動性のニキビ、ざ瘡後瘢痕以外の適応としては、小じわ、色素沈着、血管拡張症に伴う赤ら顔等に対し効果を出すことが可能です。
照射後3-5日間は点状の瘡蓋が形成され、約1週間で皮膚表面の上皮化が得られます。
また、皮下では照射後2週間の時点でより高密度でコラーゲンやエラスチンの再生が進みます。
こちらは当院で照射しているモニター・40歳代の女性の写真。おでこや右頬部の活動性ニキビと顔全体のクスミ・凹凸・毛穴の開きが気になっていたため、本機を照射しました。
1回の照射にも関わらず、照射後1週間でおでこのニキビの炎症やニキビ跡の色素沈着が改善し、照射後3週間で肌全体の透明感やハリ改善が認められました。
非常に喜んでくれましたよ。
ちなみに照射間隔ですが、当院の基本プロトコールでは、3-6週間毎に合計5回の照射を目安にしていますので、約半年で1クールになり、これをひとまず患者さんとは共有しています。
フラクトラは顔面に限らず、体幹や四肢の肌荒れ、色素沈着、赤み等にも効果が出ていますので、こちらはまた別の機会に報告しますね。