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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

レーザーの王様 サイトン・ジャパンの設立

米国カルフォルニア州にあるサイトン(SCITON)社という会社をご存知ですか?

サイトン社は1997年に設立されたレーザー/光治療器を開発する、高い技術力を持っていることで知られている新興(いや、もう中堅ですね(笑))のレーザー会社です。

「米国カルフォルニア州に本社があり、高い技術力を持った上で、毎年売上げの中から多額の研究費を捻出して新たな機器を開発する」

・・・という特色を持つ、そういう意味ではソルタメディカル社(フラクセル・サーマクール製造販売)や、キュテラ社(タイタン・ライムライト・ジェネシス・パール・パールフラクショナル製造販売)に似ている、技術力重視の会社です。

エルビウムヤグレーザーを使用した、非常に優れたスキャナシステムを持っているこのレーザー機器は、フラクセルなどのフラクショナル・リサーフェシング・レーザー機器が開発されていなかった時代では、完全な差別化が成されてきた分野で、米国では

「レーザーの王様」

と評価されていました。

僕にとっても、海外の学会では必ずブースで足をとめる、いわば、毎年必ず最新技術をチェックする会社の一つでした。

しかしながら、この機器の特性として

1.エルビウムヤグレーザーがベースとなっているため、施術後の止血に時間がかかり、ダウンタイムが5日間程度になるため、ノンアブレイティブな施術を好む日本人には好まれない。

2.さらに、エルビウムヤグの特性上、エネルギーが肌の浅い部分の水分に吸収されてしまうため、肌の深い部分にエネルギーを入れることが難しい。つまり、深いボックスカー型のにきび跡などには効果が低い。

3.機械にパラメーターが多く存在し、患者の症状によっても適応が限られる為、医師の側もサイトンを使用するにあたり、高い診断技術と治療技術を持たねばならず、その習熟にかなりの時間がかかる。

という点から、台湾や、韓国などの他のアジア諸国での市場に比較すると、日本の市場ではあまり受け入れられてきませんでした。

そういった現状の打破、日本市場での起死回生を図るため、SCITON社は日本支社を立ち上げることになり、まさに今月、その設立が行われたのです。

今回白羽の矢が立ち、サイトン・ジャパン社長に就任したのは、米国ボストンのレーザー会社サイノシュア(CYNOSURE)社の日本支社の営業のトップだった高瀬さん。

最初に聞いた時はちょっと驚いたのですが、本当にこの業界は狭いですね。

昨日はサイトン社、ワールドマーケティング部門の副社長Robert RuckとともにクリニックFに表敬訪問に来てくれました。Robert Ruckも元ルミナス社にいた人材。一年半前にサイトン社に転職したのだそうです。

レーザーを治療に使用する医師としては、最先端の技術を持ったレーザー会社が日本支社を持つことは、とても喜ばしいことです。

日本支社があると、機器のメンテナンスや、消耗品の配給が安定するので、クリニックにも機器を導入しやすくなるのですよ。

サイトンが誇るフラッグシップのJOULEシステム。クリニックFでもテストさせていただけることになりました。

さて、過去には「レーザーの王様」と表現されたこのサイトン社のレーザー機器。

フラクショナル・レーザー治療が全盛の現在、他社のフラクショナルな機器と比較して、サイトンが何が得意で、何が不得意なのか。

きっちりと評価させていただきたいと思います。


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