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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:欧州 ルーマニア編

ルーマニアからの帰国

実り多きルーマニアのEADV ヨーロッパ皮膚科学会も終了し、

帰国の途につきました。

以前は共産圏の国の空港や駅の内部で写真を撮ると、カメラを没収されたそうですが、今回は大丈夫でした(笑)。

帰りもオーストリア航空です。機上から見ても、のどかな田園風景が続きます。

空港で、ルーマニアの記念になるお土産を探したのですが、なかなか見つからず。

結局ブルガリアで買ったこんなハーブティーが今回のクリニックへのお土産になりました。

このお茶。ブルガリア語の表記でよくわからなかったのですが、ハーブに詳しいクリニックFのスタッフが、「これは女性にとってかなり良い成分がたくさん含まれていますよ。」

と言っていました。

お客さんでご希望の方にはお出ししていますので、お声を掛けてください。


「国民の館」とマイケル・ジャクソン

そもそもルーマニアの人たちは英語をほとんど話しません。

街中で、とあるルーマニア人に「この建物は英語で何と言うのか知っていたら、教えてくれないか?」

と、聞かれたぐらい。共産国であったルーマニアには、英語がまだまだ通じる人が少ないのです。

明らかに見た目東洋系の僕なら、英語を話すのだろうと思ったのでしょう。

きっと多くの観光客がこの建物の名前を聞くのだとおもいますよ。

実際にこの「国民の館」の観光をして、とにかく度肝を抜いたのはこの建物の大きさです。

この建物。人工の建造物の面積としては、なんとアメリカの国防省ペンタゴンに次ぐ広さ。

建造物の容積としては、1位のフロリダのスペースシャトル格納庫。

2位のメキシコのチョルラの大ピラミッド。

この建物の容積は、それらの巨大建造物に次いで、第3位なのだそうです。

2008年にフロリダで行われた米国レーザー学会の時に見学した、フロリダのスペースシャトルの格納庫には、内部構造はほとんどありませんでした。メキシコのチョルラのピラミッドも見た目は小高い丘のようなもの。

この「国民の館」は、人が実際に生活できる建築としては、間違いなく世界一の容積なのです。

ちなみにこの建物、上から見ると正方形で、4面すべて対称の構造です。

つまり、この写真から見えている部分は1面だけなのです。いかに巨大かは、推して図るべし。カメラもかなり引いて遠くからとらないと、建物全体が写りません。

現在は一部が国会議事堂。一部が観光用として使われていて、使っていない部屋の電気は節電のため、消してあります。莫大な費用がかかるのだそうです。観光するグループが部屋に入るときに、ガイドが部屋の電気のスイッチを入れるのです。

この世界最大の建築物が当時のルーマニアの経済力といかに不釣り合いだったか、よくわかります。

ガイドによると、ギザのエジプトのピラミッドはこの建物に次ぐ第4位の容積を持つ建築物なのだそうです。

部屋数は3107室。

チャウシェスクが銃殺されるまで、この建物の建築工事が進んでいたようですので、さらに拡大した可能性もあるわけです。

カーテンや家具などの調度品も、それぞれの部屋に合わせて特注したとか…。

この階段は、チャウシェスクが最もお金をかけて改造したものだそうです。背が低かった彼が階段に立ったときに、最も見栄えがするサイズに何度も作り替えたそうですが、高額な白い大理石を使っています。

1965年に政権を握ったチャウシェスクは、多額の対外負債を返済するために、商品作物大量に生産させ、輸出にあてるといった飢餓輸出を政策として行い、トランシルバニアのハンガリー人を弾圧。

さらにすべての女性に5人までの出産義務を課すなどとした政策を断行し、自身は妻のエレナと放蕩三昧の生活を送ったといわれています。

結局、1989年にソ連でゴルバチョフ政権が起こり、ペレストロイカを推進すると、東欧も民主化の流れで革命が起こり、1989年12月のクリスマスの日にチャウシェスクは公開銃殺されました。

この不毛な建物を見ると、国民の怒りがどれくらいのものだったのかがわかります。

この大広間の中央には、民衆に対して語りかけることができるバルコニーがあります。

統一大通りと呼ばれるこの大通りがここから見渡せるのです。

この通りは国民の館を起点に約4kmあるのですが、もちろん、パリのシャンゼリゼ通りを模倣したもの。長さも幅も、ほぼシャンゼリゼ通りと同じ大きさなのだそうです。

通りの左右には高級官僚が住む予定だったアパートメントが立ち並んでいますが、ルーマニアの国力からすると、法外の建設費がかかっているようで、通り沿いに住民はまばらです。

実は当のチャウシェスクが、このバルコニーから国民に対して演説をする機会はありませんでした。

英語のガイドによると、このバルコニーから演説をする機会があった人物が一人いたのだそうです。

それは世紀のスーパースターであるマイケル・ジャクソン!!

コンサートでルーマニアに立ち寄ったマイケルが、この窓からファンに向かって叫んだ最初の言葉は、

「ハロー・ブタペスト」。

でも、この地は「ブカレスト」。「ブタペスト」はハンガリーの首都ですよね(笑)。

そのほか、英語ガイドさんのシャウチェスクについての歯切れのいいジョークに、皆、笑っていました。

ツアー中だけでも英語が通じるのは本当に気持ちが楽で、僕はガイドさんにはいろいろと質問したり、話しかけてしまいましたよ。


ルーマニアの首都ブカレストと「国民の館」

ルーマニアの首都ブカレストは、20世紀の初頭には、バルカンの小パリといわれるほど美しいところだったようです。

確かに街を歩いていると、そういった雰囲気もわかります。

こちらの建物は市庁舎ですが美しいですよね。

こちらは街から少し離れたところにある凱旋門。

パリのものよりも小ぶりですが、立派なものでした。

こちらは小説のドラキュラ伯爵のモデルといわれるワラキア公ヴラド3世が15世紀に築いた砦の跡です。この地はブカレストでも最も古いエリアです。

先に見える教会はブカレスト最古のクルテア・ヴェケ教会。1559年のものです。

ちょうどミサが行われていましたが、こちらは東方ルーマニア正教の教会ですね。

こうした古い街並みは、共産党の特にチャウチェスクの独裁政権時代に破壊されてゆきました。

古い教会などが、メガロマニアといわれたチャウシェスクによって巨大な(模倣した)建造物に代えられていったのです。

この通りは統一大通りというもの。

遠くに見えるのが「国民の館」と呼ばれる彼の宮殿です。

ルーマニアではあまり観光の時間がなかったのですが、この1500億円以上かけたといわれる宮殿の英語ツアーがありましたので、これだけは観たいとおもい、行ってきました。

続きは明日のブログで…。


欧州アトピー性皮膚炎事情

会場は11階です。

11階からの景色はこんな感じ。

目の前に湿地帯があります。

右の先に見えるのは、ルーマニア・ブカレストの中心地。

学会会場に展示してあるボードを見て、興味のあるプログラムを探します。

いくつか興味深い発表がありました。

この部屋で行われた講演は、アトピー性皮膚炎などの敏感肌に対する、新しい化粧品の検討。

アトピー性皮膚炎は、日本だけではなくてこのヨーロッパでも大きな問題になっているのです。

ルーマニアで開催されたヨーロッパ皮膚科学会の出席参加修了証(サーティフィケイト)です。

修了証の背景はルーマニアを代表する美しい建築物の、アテネ音楽堂。

ホテルから近い場所だったので、翌日、早朝に訪れてみましたが、こんなにきれいなところでした。

中には入れませんでしたが、この場所ではクラシックコンサートがよくおこなわれるそうです。

行きたかったですね。

 

 

 


ポスターセッション

医療系の学会では「ポスターセッション」と呼ばれるブロックがあります。

写真のように、様々なドクターによるポスター展示での発表が並ぶのです。

今回ルーマニアで開催された、ヨーロッパ皮膚科学会(EADV)では、僕もこのポスターセッションに参加させて頂きました。

ポスターを貼る、指定された場所を探します。

レーザーのセッションの場所に、指定された場所を見つけました。

今回の僕の演題は、

「COMPARISON OF SCANNED (FRAXEL Re:Store) VERSUS RANDOMIZED (MOSAIC) FRACTIONAL LASER RESURFACING 1550NM」

照射方法が、スキャンタイプとランダマイズタイプのフラクショナルレーザー。つまり「フラクセル:リストア」と「モザイク」の比較実験です。

この二つの機器は、1550nmという近赤外線のほぼ同じ波長を使ったフラクショナルレーザー。

しかしながら、治療効果は明らかに違います。

レーザー治療に関わるパラメーターはいくつもありますが、僕のブログに書き続けてきたように、その中でも特に「波長」ばかりが主体で研究が進んできたといえます。

しかし、照射パターンによっても非常に効果が違うのです。

僕のクリニックFでは、同じニキビ肌や毛穴の治療でもその治療時期や場所によって、フラクショナルレーザーの機器を入れ替えて使っています。

気がつけばまわりにわらわらと各国のドクター達が集まってきます。質問をいくつも受け、さらに詳しく話をすると、皆非常に驚かれていました。

ポスターを見にきた先生のひとりに写真を撮ってもらいました。

会場の中の展示会場ブースには、いくつかのレーザー会社の展示が見られました。

しかし、どちらかというと、化粧品や、ヒアルロン酸などの消耗品の商材紹介の会社が多かったですね。


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