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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

アフリカ人の視力

今回の南アフリカ出張で、実際この目で見て感動したことのひとつに、アフリカ人の視力の良さがあります。

日本では、近視が「当たり前」の昨今。近視矯正の手段として、レーザーを使用する「LASIK(レーシック)」について見解を聞かれることも多い僕なので、今回は

「同じ人間なのに、なぜここまで視力が変わるのか」

ということを、わかりやすく説明したいと思います。

ひとことで「視力の測定」といっても、静止視力、動体視力、近見視力、遠見視力など、目に求められる機能には様々なものがあります。

この中で、日本人になじみのある視力検査は、この「ランドルト環」を使用した「静止視力測定」ではないでしょうか。

ランドルト環の空白の径は、ランドルト環の直径の五分の一です。

視力の計測方法は、この輪の60分の一、時計でいうと1分の切れ目が5mの距離で確認できた場合、

「1.0の視力である」

という風に計測するわけです。

視力2.0は2倍の10m。視力6.0とは6倍の30m離れた所から、この切れ目の方向が分かるということになります。

反対に10分の1の50cmの距離でしかわからなければ視力0.1ということになるのです。

アフリカ人の視力は4.0であるとか6.0であるとか言われていますが、視力は幼い時からの生活習慣によって変化するものです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、ほぼ全員遠視なのを御存知ですか? これは国籍に関係なく、日本人であっても、アメリカ人であっても、アフリカ人であっても、ほぼ全員遠視なのですよ。

そののち、成長していく環境の中、「見るべきもの」のために自然に視力が矯正されていきます。この日本では、小さな家の中で、近距離で人と接し、本やゲーム、携帯電話をいじる生活をしていると、遠くのものよりも近くのものを判別できるようになることが重要なため、徐々に近視眼に矯正されていくのでしょう。

逆にサバンナで青空の下、遠くの獲物を見つけることが重要な生活をしていれば、生活で必要な視力も遠くのものですから、1km先の動物の挙動や、10km先の天気の違いがわからなければならないわけですよね。より遠視へと矯正されていきます。

オスマン・サンコンさんは以前テレビで、アフリカ在住時には6.0あった視力が日本に来てからは4.0になったと嘆いていました。

ケニアのナイロビなどの都市部で生活している黒人の平均視力は1.0であるといいますので、環境によって後天的に決定される要素が大きいのでしょう。

ともあれ、この南アフリカで現実に目の前で見た視力6.0は本当に驚きましたよ。

いくら目を凝らしても見えない、双眼鏡で見てやっとわかるような距離にいる動物を、あっさりと見つけてしまうんですから・・・。

いったい彼らにはどんな視界が開けているんでしょうね??

 


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