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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

SPEAKER’S NIGHT

昨晩の会長招宴のディナー。

「WELCOME TO SPEAKER’S NIGHT」と書かれたこんなサインが。

 

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参加者は40名ほどだったでしょうか?

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日本人は僕1人だけ・・・ということでしたが、知り合いもいたのと、今回初めてお会いする方々も皆さん明るくフランクな方ばかりで、かなり楽しい会になりました。

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こうした親睦会は国際的な情報交換の場としても非常に有益ですね。場をセッティングしてくださった会長に感謝です。

ちなみに韓国人招待演者は10名。彼らの発表を聞いていて思ったのが、日本人と比べて決して彼らの方が英語が抜群に上手いわけではありませんので、たぶん度胸の問題なのでしょうね。これはインド人のドクターの講演を聴くとさらにそう思うことです。

英語教育にますます力を入れようとしている我が母国ですが、自己肯定力やプレゼンテーション力をセットにして教育できる場を作らないといけないだろうとこうした場でつくづく思いますね。とはいえ、所謂初等教育の場で教員免許を持つ人間自身がそういった教育や訓練を受ける場がなかなかないのでしょうから、どこから手を付けるかというのが難しいところなのでしょう。

また、これも思うこととして、日本の学会に参加すると、自分の症例を画像診断ソフトで解析し結果を発表するという演題が多いのですが、海外では画像診断ソフトのようなものに頼らず、独自の統計学的解析方法で理論展開まで持っていくなど、中にはとても光る発表があり、非常に魅力的です。

僕も医師としては中堅の世代になってきましたが、こうした評価方法を海外の学会に参加することによって、日本人の若いお医者さんにもっともっと学んでもらいたいと思います。

自分の症例を提示するだけですと、個人の経験は発表できますが、画像解析ソフトの再現性もまだまだ低く、特に美容の場合は他の施術を併用されている可能性もあって確実なデータを取り出せない場合があります。

さらに解析上、担当医師の思い込みやデータの取捨選択のミスもあります。

科学論文を書く基本としては、まず仮説を立て、序論、方法、結果、考察を重ねて行きますが、この諸条件のうち、日本の教育にもっと必要なのは、結果を考察して理論化する訓練なのでしょうね。

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研修医の時に胸部外科の優秀な先輩が手術中、

「日本語の依頼原稿をどんなに書いていても単なる作文で、臨床医師としては、査読の入った雑誌に英文原著論文を書く努力をする以外に科学的手法を学べる方法はない」

と話していたことがありました。

当時はそんなことはないだろう??と思って聞いていたのですが、まさにその話は、正鵠を得ていたんだなあと20年経って気づきました(笑)。

個人の治療経験を共有知に変えて行かなければ、学問としての美容医療は成長しないのではないかと僕は思っています。

こうした手法は科学論文を何度もレビューワーに落とされながら、理論武装をする過程で学ばなければならないのですよね。


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