アファームの製造元である米国Cynosure社のアジアパシフィックの販売代理店を統括しているスティーブンリムが、マーケティングの担当であるシンジ・ユーとともに、クリニックFを訪問してくれました。
今回新しくデビューしたシミ取りや、肝斑治療に効果が期待されるQスイッチアレキサンドライトレーザーの、実験研究に参加するため、その打ち合わせをしていたのです。
来年度の米国レーザー学会にまた演題を出したいと思っています。
実際にレーザーを照射する時間を
「パルス幅」
と言いますが、この照射する時間の単位がナノ秒単位のものを
「Qスイッチレーザー」
と呼びます。
実際に照射する時間を短くすることで、メラニン色素などの標的組織以外の皮膚にダメージを少なくすることができることが、Qスイッチレーザー最大のメリットです。
以前にレーザーの歴史のブログにも書きましたが、“ナノ”とはものすごく短い単位です。一秒の1/1000がミリ秒。ミリ秒の1/1000がマイクロ秒。そのマイクロ秒の1/1000がナノ秒という単位になります。
アレキサンドライトレーザーのパルス幅は50ナノ秒。一般的なNd:ヤグレーザーのパルス幅は5-20ナノ秒ですので、アレキサンドライトレーザーの方が、パルス幅が2.5-10倍長くなるのです。
同じジュールで施術を行うと、照射時間の長いアレキサンドライトのほうが、ピークパワーが下がり、同時に熱だまりができるということになります。
この微妙なパルス幅が治療結果にどう左右するか?
これがレーザーマニアとしては興味深いところです。
ここ数年で、低出力のQスイッチNd:ヤグレーザーを使用しての肝斑治療が世界では一般化してきましたが、今回の実験で、これをアキサンドライトレーザーに使用できないか、追加研究してみようと思います。