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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

米国の専門誌デビュー

レーザーなどを専門とする医師たちに、最新の美容機器を紹介する専門誌があります。“Aesthetic Buyers Guide”と言う雑誌なのですが、米国版と、欧州版の二つが販売されています。

発行部数も多く、世界のほとんどの医師たちが、新規のレーザーを購入するときに必ず読むと言われる情報誌なのですが、今日、米国版の 2007年 JUL/AUG 合併号を何気なく見ていたら、あれ??

“Takahiro Fujimoto MD, of Clinic F in Tokyo Japan”

と見覚えのある名前が書いてあるではないですか!!

よく読んでみると、以前に書いた肝斑(目の周りに対称性に出来る、女性特有の薄いしみ)のQスイッチヤグレーザーピールによる治療法(フジモト・プロトコール)をより改善した治療法の話が紹介されていて、そのオリジナルとして僕の名前が引用されているのです。嬉しい話です。

しかも、5月に開業したばかりのクリニックFの名前もあります。

クリニックFの英語のページを見てチェックしてくれたのでしょうか? 昨年は記事としてこの雑誌に載せていただいたので発売された時は感無量だったのですが、今回は事前に全くインフォームがなかっただけに、驚きましたし、考えてみれば、これは記念すべきCLINIC Fの専門誌デビューだなと思い嬉しかったですね。

シミの中でも肝斑の治療は難しいとされています。僕がこの論文を書いた当時は「肝斑治療にはレーザーを使用してはならない」と、どの教科書にも明記してありました。

肝斑にレーザーを照射してしまうと、メラノサイトを活性化してしまい、かえって悪化してしまうということからです。

でも僕は、高出力ではなく、低出力の、ビームモードがガルシアン(中央にピークパワーがある)ではなく、トップハット(均一に平らな)のレーザーをピーリングのように利用すれば、メラノサイトを過刺激せずに、メラニンのみを破壊し、さらに肌のターンオーバーを早められるので、表在性の肝斑は快方にむかうはずだと考えていました。

そんな頃、女性誌の取材で、「このしみを取ってください」と言っていらしたモデルの方がいました。その方が悩んでおられたのがこの肝斑だったのです。しかも、出版の日時が迫っていて、わずか2週間で治療を終わらせて欲しいとおっしゃる。当時肝斑を治療するには、薬を使用するクリニックが多かったのですが、それではどんなに早くても治療に2ヶ月はかかります。

僕は

「申し訳ないのですが、このシミだけはレーザー治療が出来ないんですよ」

と話したのですが、

「なんとかなりませんか?」

とお願いされ、モデルさんと編集の方の了解をとって、以前からの僕の理論を試してみることにしました。

具体的にどんなことをするかというと、低出力のレーザーを肌をピールするように照射し、さらにターンオーバーをあげるために、LEDを併用するのです。

とても気になったので、一週間後に来院してもらったのですが、これがかなり薄くなっています。もしかしたらと思い、この方法を続けたところ、2週間後には綺麗に肝斑がなくなってしまったのでした。

その後同じ方法で多くの患者さんを治療して、やはり大きな成果があったので、その年の米国レーザー学会に演題を発表することになりました。

以来、アジア諸国でのレーザーピールによる肝斑治療は、一般的になりました。


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