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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

■2013年6月イタリア出張⑨ General Project社 トスカーナ ワイナリー

フローレンス郊外にあるGeneral Project社の本社へ。

社員の方が車でホテルロビーまで迎えにきてくれました。

フローレンスの西に約30km走ったところにGP社はあります。

こちらはCEOのStefano Ianniです。

新規に作成されたエルビウムYAG、QスイッチNd:YAG、ロングパルスNd:YAG、エルビウムグラスの4つのレーザーをひとつのプラットフォームに入れた機器について、医学的、工学的な意見を求められ、今回やってきたのです。

インターナショナル・マーケティングスタッフ、技術開発者、CEOと一緒に、実践と約3時間ぐらいのディスカッションを行いました。

今回も、まずは黙って営業の話とプレゼンを聞き、現状のテスト機器の能力を判定させていただくことにしました。

実際に4つすべての波長を試し、

1) プラットフォームのパワーユニットは十分。

2) QスイッチNd:YAGについては5Hzの発振しかされていないので、最低でも10Hzが必要である。

3) 4mm径のスポットで8J/mm2の出力があるのにも関わらず、照射径が小さすぎる。むしろピーク出力は2.4−3.0J/mm2程度に抑えても良いので、照射径を最低でも6mm、可能であれば8mmにすべきであること。出力と半径からざっと計算してみても、現在のGP社の技術から考えてもそんなに難しい事でもないようだ。

4) ビームプロファイルに乱れがある様なので、例えばQスイッチはトップハットで、ノーマルパルスはガルシアンにするなど、用途によって設計を分けるべきである。

5) タトゥーを治療の目的にするのであれば、現在はナノ秒ではなくてフェムト秒の機器開発が必要だと考えられるが、その研究費は現状ではかけるべきではない。

6) 現在のところ、臨床利用しているナノ秒単位のQスイッチレーザーは4波長しかない。532nmのKTP、694nmのルビー、755nmのアレキサンドライト、1064nmNd:YAGであるが、少なくともアジア人を多少にしたいのであれば、アレキサンドライトかルビーはラインアップに載せたい。ただし、工学的な構造に共通点がないので、DUALコアの機器にしなければならないけれど。

・・・という話を伝えました。

過去に例のない、非常に役立つディスカションだったと感謝されました。

僕も有意義な時間を過ごすことができて、とても嬉しかったですね。

その後はトスカーナのワインシャトーで会食でしたがこれは帰国後に別のブログに書きますね。

ミラノに帰り、会食がひとつ。

その後翌朝早朝便で帰国となります。

クリニックFの僕の外来は、15日土曜日朝より再開します。

関係者の方々にはご迷惑をおかけしました。

次の海外出張は7月末のIMCASシンガポールの招待講演です。

 


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