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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

■ASLMS 2013 in Boston⑨ ボストンの米国レーザー医学会 学会会場へ

おはようございます。

今日4月15日(月)はクリニックFの診療日です。

東京は朝から綺麗に晴れましたが、ひのきの花粉が飛んでいるせいか、僕は少々鼻声です。

昨日は昼に、幼稚園~小学校卒業まで一緒だった同級生の友人とイタリアンレストランで久しぶりに会いました。

偶然にもお互い医師の道を選択し、どちらも現在は東京に住んでいますが、価値観やら何やら、そしてなにより同郷ということもあり、話が合いますね。

小さな頃にザリガニ釣りをして良く遊んだ「藤沢市鵠沼の蓮池」が、未だに残っていることを知りました。

鵠沼は人気の土地になって人口が増えましたし、当然宅地化されてしまっただろうと思っていただけに、これはちょっと嬉しかったですね。

今度見にいってみようと思います。

その後はクリニックに来て、今月中に締め切りのレーザー皮膚医療関連の依頼原稿を二つ仕上げていました。

総論の原稿を仕上げる時に色々と自分の考えをまとめるのですが、レーザーやRF治療について現象としては理解していても、理論をきちんと理解しているかどうかを再認識することになりますよね。

レーザーの生体に対する物理的作用は4つあります。

①光熱作用(Photo-thermal effect)

②光衝撃波作用(Photo-Acoustic effect)

③光化学作用(Photo-Chemical effect)

④光解離作用(Photo-Decomposition effect)

このうち、レーザー治療に用いるのは、主に①の物理的作用です。

生体の特定の物質にレーザーが吸収されると熱が発生し、数ナノ秒以内には熱化して組織温度が急激に上昇します。

だいたい1000nmを超える波長ですと吸収物質は水になります。

体内は60-70%が水分で構成されています。組織中の水の沸点(100℃)を超えると水分が水蒸気となることで体積が急増しますので、その結果、細胞膜や細胞内小器官は水蒸気と一緒に放出されます。

レーザーのフルレンス(W/cm2)と光吸収係数α(cm-1)の積が組織表面の過熱速度(W/cm3)を表しますので、この速度が組織を蒸発させるのに十分なほど長いと組織は蒸散されます。

CO2レーザーやEr:YAGレーザーは吸収係数が大きいので、表皮に近いところが蒸散されますし、反対に吸収係数が非常に小さいNd:YAGレーザーなどは、組織への光の進達長が深いので、組織の熱凝固に適しています。

これらの特定の吸収物質というのがレーザー治療の胆になるのですが、特に可視光線の近辺の波長では、波長に合わせて茶色いメラニンや、赤いヘモグロビン、黄色いキサントフィル、皮脂腺などなど、様々な要素が水以外の吸収物質になります。

これらの理論がきちんとわかっていると、どの波長(nm)を用いて、どの出力(J/cm2)で、どの様な時間(s)でレーザーを照射したら、皮下の何ミリ下のメラニンを破壊できるか?

というのことが明確に計算できるのです。

特にレーザー医療を選択する医師は、物理学や工学が好きな医師が多いと思うのですが、この辺りを何となく経験で治療するのか、きっちり予後を計算した上で治療するかということは大切な問題だと思いますよ。

さて、今日もブログ「新国際学会周遊記」は、先週帰国したばかりのボストンでのお話です。

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こちらシカゴ空港で小さな飛行機に乗り換えます。

アメリカ五大湖ミシガン湖を超えます。

ちょっと飛ぶと、この通り、地面が凍り付いているのに気づきます。

湖もこの通り氷で閉ざされていますね。

まだまだ高緯度の春は明けていない様です。今回はあまり防寒の用意をしてこなかったのですよね。ちょっと心配になってきました。

シカゴからボストンまでは2時間弱のフライト。

駐機場に着きました。

ボストンの良いところは、空港から市内へのアクセスが良いところです。

目の前にある地下鉄の駅から、一駅乗り換えがあったものの、わずか20分ぐらい。

学会会場のシェラトンホテルにある、HYNESコンベンションセンターに着きました。

日本形成外科学会に参加したためフライトが一日遅れましたので、とりあえず部屋に荷物を置くのももどかしく、学会会場に直行します。

既に始まっていますね。

レジストレーションをして今年の名札とパンフレットをもらって、まずは自分の発表を確認します。


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