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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

■2013年2月 サンフランシスコ出張⑩ 医師のためのレーザー治療トレーニング教育機関 サンフランシスコバレエ In the Night

おはようございます。

今日は2月19日火曜日。クリニックFの診療日です。

朝から雪がちらつく寒い東京となりました。交通機関などに影響が出ないといいですね。

昨晩は、ロサンジェルスから一時帰国されたドクターが、クリニックFの見学にお越しくださいました。

現在ロサンジェルスで研究職をされていて、この春に日本でご開業予定とのことで、見学の後はそのまま会食となりました。

先生は米国で最新のレーザー治療を経験し、その後アリゾナ州スコッツデールで医療従事者向けのトレーニングコースに参加され、レーザー治療の楽しさに目覚めたのだそうです。

アリゾナ州は全米でも10本の指に入る、クオリティの高いスパやメディカルスパがいくつも存在し、さらにレーザー照射に医師免許が必要ありません。

トレーニングコースでは、レーザーの理論講義を受けた直後に実践に入るとのことで、実際にボランティアのクライアントに対して施術のトレーニングを受けるそうです。

日本では、医療従事者に対する最新医療機器を使用した講習会はあまりありません。

これは三つの理由によります。

○第一の理由は、米国で発売されている最新レーザー光治療器の日本での認可が非常に遅いという、デバイスラグの問題を抱えているためです。

つまり日本では、大学病院のような公的機関で、最新のレーザー機器を並べて研修することが出来ないのです。

一部の医師は、医師免許を使用して個人輸入という形で機器をクリニックに導入し、実際に診療に使用しますが、最新治療機器の治療方法や理論を学ぶ場が学会参加以外には無いのが現状です。

しかも、学会で体験できるといっても休診日を利用した、数時間の講義と講習で精一杯。なかなか実践トレーニングには至りません。

○第二の理由は、英語です。

アジア諸国では母国語での医療の教科書が無い教科も多いですので、英語で医療を学ぶ環境が出来ていますが、日本の場合は、幸か不幸か日本語による医学の教科書が沢山ありますので、母国語で医学を学ぶことができる環境が当たり前となっています。

一方、レーザー治療のような、英語の中でも専門用語を使うような分野では、日本語による教材に頼ることができません。この業界を専門とする通訳者や翻訳者はもちろん、同時通訳者もほとんどいません。

最新理論が日本語に訳されるのはまれですし、たとえ訳されたとしても何年も先の話ですので、これが逆に知識習得のハードルになってしまうのです。

○第三の理由は、そもそも通常日本で仕事をする医師が、診療を1週間以上休んでレーザートレーニングに行くような環境が無いということ。

やはり諸外国に比べて、日本の医師は忙しすぎます。

クリニックFでも、保険診療をなくし、完全予約制という体制にして初めて海外学会への連続渡航が可能になりましたが、思い返せばこれは日々刻々と進化するレーザー医療技術を専門とする医師として、最新知識を得るための苦肉の策でした。

毎日開業したほうが、クリニックの経営が安定するのは明白です。

クリニックのFは2007年の立ち上げ初期から、あえて外来枠を月に10日前後閉めて、その期間を自分の勉強と「情報・技術の買い付け」に充てることで、日本では独特のクリニック運営スタイルを築くというテーマの下、スタートしました。

今でこそ慣れましたし、だいぶ安定してきましたが、最初は本当に勇気のいる選択でした。日々の中ではくじけそうになったこともあります。これからもきっと立ち止まり、思案することはあるでしょう。

それでも、敢えてトライしてみたことは、良かったと思っています。

日本でも、開業医の先生がレーザーのような最新治療技術を学び経験を積むためには、1年に一度ぐらいは1~2週間単位で休診をとり、新たな技術の習得が出来るような労働環境、教育環境を整えてゆく必要があるのでしょうね。

さて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、ブログ「新国際学会周遊記」は、サンフランシスコでの滞在記第10話。

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サンフランシスコは全米でも文化度が高い地域として有名ですが、特にサンフランシスコ交響楽団とサンフランシスコバレエは世界に名前が知れています。

発表が終わった夜に、自分のご褒美としてサンフランシスコバレエのチケットを取っていたのです。

交響楽団とバレエ団が本拠とする二つのホールは、市庁舎の西側に、横並びに並んでいます。

1980年に完成したデービス・シンフォニーホール(Louise M. Davies Symphony Hall)。

そして、バレエが開催されるオペラハウス。

どちらもファサードの夜景が素敵です。

オペラハウスに入ると、大きなホールがあります。

パリオペラ座を模したのだそうです。

小振りなホールの作りは、どの席からもバレエやオペラを鑑賞できる様に出来ていて、非常に合理的だと思いました。

この日の題目は、

Suite en Blanc

In the Night

Borderlands

の3つ。

このうちIn the Nightはフレデリック・ショパンの曲のピアノ演奏にバレエが加わったもの。

動画をYOUTUBEで見つけました。

同じ題目をパリでも観たことがあるのですが、生のピアノの演奏と美しいバレエを楽しめるので、非常に楽しませてもらいました。

幕間での赤ワインが美味しかったですね。

帰り道にライトアップされた市庁舎を見ながら。

学会発表が終わり、美しいものを鑑賞した後の、軽い高揚感と幸せな気分にひたりながら会場を後にしました。


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