こんにちは。
今日は10月12日。クリニックFの診療日です。
朝から医学雑誌に依頼された原稿の執筆や、来年の学会の抄録の作成などの作業に追われていて、まだブログがあげられないでいました。
毎年欠かさず参加している米国レーザー医学会。
来年はフロリダでの開催ですが、今年も演題抄録の締め切りが17日に迫ってきました。
今回僕が発表する演題は、以前よりある大学の薬学部と総合理工学部の研究室と共同実験をさせていただいている、レーザー照射後に皮下に発生するラジカルについての研究です。
このESR(Electron spin resonance)という機器を使用するとレーザー照射により皮下に発生した5種類のラジカルが定量測定できます。
フラクセル3DUALは、1927nmと1550nmのレーザー光を発生できますが、今回この2波長を肌に照射すると、それぞれに特徴のある異なるラジカルが発生することが分かったのです。
異なるレーザー波長により、皮下に発生するラジカル種の違いについて、過去発表された論文はありません。
今回の研究結果は、異なるレーザー波長が誘導する固有のラジカル種への、個別の対策により、レーザー処置時における痛みや副作用をより軽減できる可能性を示唆するもので、非常に興味深いものなのです。
ハーバード大学のウェルマン光医学研究所、ロックスアンダソン教授の指導の下、物理学と工学の発達で進化してきたレーザー機器も、リーマンショック後の不景気で研究開発費が出ず、進化が足踏みしている状態。
今後は皮下の反応を、化学的な分析で判断する時期に来ているのかもしれません。
興味深い発表になりそうですよ。