CLEO:2011での僕の発表は、サンプル空気中の窒素(NO2)濃度を532nmのレーザー光で測定するというもの。
窒素は生体内で、血管の拡張などにも関わっており、生物代謝学的には非常に注目される元素なのですが、この装置を利用すると、比較的安価に、PPB単位(PPMの3桁下、パーツ・パー・ビリオン、parts per billion、10億分の1)での測定が可能となるのです。
この研究は、現在お世話になっている総合理工研究室のメインテーマでもあり、今回は、工学博士号取得のために実績を作らせていただいた。という感じでした。
僕は医学系レーザー関連では、過去64回の国際学会招待講演及び発表をしてきましたが、工学系レーザー学会ではこれが初めて。
当然のことながら質問の内容も、質問に使用される専門用語も全く違い、いつもなら、もう少し説明出来るのにと、ちょっと悔しい思いをしました。
今回のCLEOの参加者は4000人あまり。世界のレーザー研究者が、かなりの比率で集まっていることになります。工学系レーザー学会の高いレベルの発表を聞いていると、医療系のレーザーの構造が簡単に思えてくるから不思議です。残念ですが、3世代ぐらい遅れている感じですね。
昨年10月から社会人枠で工学部博士課程に通い始めて早8ヶ月。まだまだヒヨッコの分際ですが、夢は大きく、残り大学院期間でレーザー業界にインパクトのある研究成果を出せたらとおもいます。