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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

フラクショナル・レーザーの比較演題

ちょっと緊張した顔をしていますね。

僕の演題はフラクショナルレーザーの比較演題でした。

「アジアンスキンにおける、CO2 (10600nm) フラクショナルレーザーとエルビウム・グラス (1550nm) フラクショナルレーザー治療の比較検討」

つまり、フラクセルⅡ(リストア)とeCO2(エコツー)をはじめとしたフラクショナルレーザー機器の比較検討を含めた研究発表。

まずはフラクショナル・レーザーが市場にもたらした意義について、まとめたスライドを用意しておいたのです。

フラクショナル・リサーフェシング・レーザーが開発された事は、レーザー照射後に色素沈着症を起こしやすいアジアンスキン治療にとってはパラダイムシフトに相当する大きな変化で、その登場によって、治療できるものが明らかに変わったと、まずマーケティング的な視野のスライドを挿入しました。

さらに、スライドの内容も文字よりも図を多くして、世界のレーザーマーケットを比較、そして認識できるようなものに変えました。

僕は、ニキビ肌や毛穴といった治療には、治療する過程において、数種類のフラクショナルレーザーの「併用」が必要だと思っています。

組織のどの深さにどの程度のエネルギーが入り、組織温度が変化したかによって、

生体の反応が

熱刺激(コラーゲン・エラスチン増成)

凝固(組織変性および壊死)→日単位の組織の入れ替え

破壊(蒸散)→週単位の組織の入れ替え

と大きく変わるのです。

凝固変成をうまく使ったものがフラクセルⅡ

蒸散破壊をうまく使ったものがeCO2

ということになります。

そして、実際の組織の再生に役立つのは熱刺激部位です。

この三つの反応のバランスをいかにうまく調節して治療に結びつけるかが重要となります。

そのため、どの波長のどの種類のフラクショナル・レーザーが、どの深さの治療に適しており、どの様な頻度で治療を加えるべきかの考察を加えました。

さらに、クリニックFでは、フラクショナル・レーザーを治療に使用する前に、主に光治療器により肌のコラーゲンやエラスチンを増やして肌密度を上げるという、

「肌の基礎工事」

を行っており、事前に、一見遠回りのように見えるこの作業をする事により、治療効率が著しく向上したと発表しました。

そして何よりも目に訴えるものをと、症例写真を沢山揃えたのです。

これは、口演としてもとても興味深い内容だったようで、講演し、いくつかの質問に答え、席に帰るとき、予想外の拍手喝采と温かい言葉を贈って頂きました。

日本から遠く離れた異国の地で、他の演者の方より大きな拍手を頂けるとは、研究者としても大変嬉しく光栄なことでした。

 


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