この日は朝から雨でした。
雨の中、ドレスデンから西へ。一路バイロイトへ向かいます。
高速掲示板で、 ニュルンベルグやバイロイトの文字が見えてきました。
このフランケン地方のバイロイトには、ワーグナーゆかりの劇場があります。
それが、「バイロイト祝祭劇場」。
ワーグナー・ファンならば、生きている間に一度でいいから行ってみたい、いわばワーグナーの聖地みたいなもの。
ワーグナーはこの劇場の設計から関わっており、そのためここは世界で最も音響効果の素晴らしい劇場とも言われています。
紅葉がきれいなこの道を一路、祝祭劇場に向かいます。
坂を登りきると劇場が姿を現しました。
写真では何度も観た事がありますが、やはり実物は違います。
バイロイトに行った日は、ちょうど月曜日。祝祭劇場はお休みで、劇場内の見学はできませんでしたが、この場所に辿り着いたということだけで胸がいっぱいになりました。
この劇場で毎年7月と8月に行われるバイロイト音楽祭は、ワーグナーの曲のみ(+厳密にはワーグナーの曲以外で唯一、ベートーベン交響曲第9番)が演奏される、世界でもユニークな音楽祭であることで知られています。
音楽祭は、チケットを買えば誰でも行ける、というものではないことも、クラシック音楽フリークの間では有名です。
バイロイト音楽祭のチケットをとるのに最も確実な方法は、まず、祝祭劇場会員になって、毎年会費を納めること。そして、仮に会員となり今から予約したとしても、チケットを手に入れるためにはなんと7年以上も待たなければならないというのです。
世界最高レベルのプレミアムチケットです。
先日、オペラ好きな僕の研究者友達と話していて話題に上がったのですが、彼はインターネットのオークションで、この夏のバイロイト音楽祭のチケットを見つけたのだそうです。20数万円という値がついていたのだとか。
声をかけたら絶対一緒に行くというに違いないと、僕の顔がすぐ頭に浮かんだらしいのですが、
会員限定のチケットのため、会場入口で当日名前を確認されるという噂があるから、仮に競り落とし僕と一緒に行ったとしても、アジア人はこの地では目立つし入れない可能性もないわけじゃない、と考え、思いとどまったのだそうです。
でも、もしその時に声をかけられていたら、僕は行っていたかもしれません(笑)。
一生の内一度でいい いつか聴く機会があれば良いなと思いますよ。
今回の旅を一緒に過ごしたBMWと写真を撮りました。
紅葉が本当に綺麗でしたよ。
さて、今回ドイツから帰国後に見つけたのが、このバイロイト祝祭劇場で演奏された、ワーグナーオペラ全集。33枚ものCDが入っていて、6,407円!
もちろん即買ってしまいました。スタッフにぶつぶつ言われながらも、今、クリニックのBGMにしているPCのi-tunesに入れてもらっています。
今月にはクリニックのBGMに流れると思いますので、クリニックにいらしたらぜひお聴きになってくださいね。