さて、再び今月上旬に訪れた北京出張記に戻ります。
クリニック訪問した北京三日目。午後の空き時間に、明、清王朝の皇帝が、五穀豊穣を祈った祭祀場である天壇を訪れました。
皇帝が自ら神に祈るための場所です。
ちなみに、北京初日に訪れた万里の長城と、二日目に訪れた故宮に並んで、この天壇も世界遺産に選ばれています。
結果としては三日間で北京の三つの世界遺産を訪れる事ができたわけです。そう考えると、とても贅沢な出張ですよね。
恵まれています。
北門から天壇公園に入ると、門の遥か先に、皇帝の玉座が安置されている祈年殿が見えます。
意外と近く見えましたが、実際には1キロ弱ぐらいは歩いたでしょうか。
そして、祈年殿は、こんな特徴的な建物なのです。
近づくと色彩鮮やかな彫刻が施されているのがわかります。
皇帝が祭祀の際に、この中の椅子に座って待機したのだそうです。
こちらが祈年殿を後ろから見た構図です。
さらに南下すると、圜丘と呼ばれる、皇帝が冬至の日に神にその年のことを報告したという場所があります。
この場所は、中国皇帝を表す9という数字がいたるところに現れます。
9という数字は強い数字なのですね。
東西南北の全ての階段も9段の組み合わせでできています。
この祈りの場所である圜丘の真ん中の石に立ち、空を見上げると、それまで深い雲にかかっていた太陽が、にわかに姿を現しました。
神秘的な光景で、思わず見とれてしまいました。