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2008年05月31日(土)

チリからイースター島に移住したフォトグラファー

オーストラリア パースのRecell 社訪問

シンガポールの学会の後に、以前から訪問したかったオーストラリアのパースにある、リセルという特殊な技術を扱っている会社を訪問しました。シンガポール経由で行くと、パースはとても近いのです。パースは自然が美しい町です。

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オーストラリアのこの会社がなぜ、世界中から注目を浴びてきているかと言うと、火傷の治療に対して、肌を再生する特殊な技術を開発したからなのです。火傷には三段階のグレードがあります。火傷を負ったときに、肌の表面のみの火傷であれば、跡も治りますが、真皮というところまで達してしまった火傷は、通常の状態では治りません。皮膚が再生成するためには、肌表面の表皮の基底層というところにあるケラチノサイトと言う細胞が必要なのです。通常の火傷をすると、ひどく痛みますよね??でも、真皮というところまで達してしまった火傷は、驚くことにヒリヒリしないのです。痛みを感じる神経終末もともに障害されてしまうと言うことなのです。

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オーストラリアで、国民栄誉賞を取ったフィオナウッズという50代の女医さんがいます。彼女は火傷治療を専門とする、高名な形成外科医であるとともに、4人の子持ちでもあります。趣味はトライアスロン。どんなに忙しい日々でも、必ずマラソンは欠かさないといいます。彼女とはほんの2ヶ月前に、熱傷学会で日本で会ったばかりです。そういえば、横浜パシフィコでも、どこか走るところは無いかと言っていたっけ。何人かのパースの人に、オーストラリアでのフィオナウッズの知名度はニコールキッドマンと同じぐらいだと紹介されました。

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ところでこのフィオナを中心としたグループは、肌のわずか一センチ四方の肌を採取し、20分間培養してその採取片を砕き、注射器からスプレーするだけで、その約80倍の面積を再生できるという技術を開発したのです。わずか一時間あまりで処置が終わります。日本で実際にそのキットで採取切片を試してみましたが、非常に面白いことにきづきました。この治療を特殊なレーザーと合わせれば、今までほぼ不可能だと思われていた、リストカットの痕や、ひどいアクネ痕、また火傷の跡を治療できる可能性があると思ったのです。
特殊なレーザーとはエルビウムヤグレーザーというものです。この波長は肌の下の水にしか反応しませんので、肌をメスよりも薄く削ることができます。しかも同じ水に反応する炭酸ガス(CO2)レーザーと違い、焼いた跡が凝固されません。つまり、創面がフレッシュなまま保たれるのです。レーザー照射後、リセルを用いてケラチノサイトを移植してやり、ハイドロコロイドなどの加湿補填療法で1週間程度肌を守ってやれば、肌がきれいに再生するというわけです。すべての部位に可能とは限りませんが、(手の甲や腕のようによく動くところは傷が固定できないので難しいです)今までまったく対応のできなかった分野だけに、患者さんにとっては福音だと思います。

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担当のデビットコッカス(写真中央)は、オーストラリア訛 りの気さくな男で、今回会うのが三回目です。オーストラリア訛りの英語が日本人にとって、とても聞きにくいのです。ペイカントペイカントというので何かと思ったらペイシェント(患者)だったり、トゥデイのことがトゥダイだったり、でも四日もいるとすっかりなじんでしまい、仲良くおしゃべりができるようになりました。
ところで、今回、日本から医師が訪問したというのを聞いて、会社の会報に載せたいというので写真を撮らせてくれと言われました。たいした時間もかからないと思っていたので、いいよ。と快く応じると、やってきたのは一個中隊ぐらいの撮影チームでした。

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これがまた、手術着から白衣から、ジャケットから様々な格好をさせられ、おまけに何か物思いにふけっているかのような顔をしろとか、患者のカルテを探しているような顔をしろとか、演技指導まで入って延々4時間あまりも撮影につき合わされました。せっかくなのでいくつかもらった写真を紹介します。(笑)


新国際学会周遊記

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