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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

人間は左右対称なのか

引き続きクリニックFのHP整理作業を行っています。

今回も一つ、過去のブログから記事を紹介しますね。

 

2008年10月24日の記事からです。

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Easter

*写真はイースターを訪れた時の写真です。

 

クリニックで皮膚・・・主に顔をメインとしたアンチエイジング治療を行っていると、患者さんの顔を診察でも治療でも、経過の写真でも毎日観察することになります。

そして思うのです。

人間というのはつくづく左右対称ではないのだな、と。

だからこそ、美術や建築などの世界では、シンメトリー(対称性)・・・左右対称な様式美を追求してしまうのでしょうね。自分が不完全であることを知っているからこそ、「完全」に憧れてしまう。

医者の視点で解剖学的に人体を考えると、そこからすでに人間は左右非対称です。

人間の体を縦に真っ二つに切ったとき、右半身と左半身では、どちらが重いかご存知ですか?

一般の人は心臓が左にあるのだから、当然左が重いのではないかと考えるかもしれません。

ですが、実は心臓に関して言えば先端が左にあるというだけで、実質心臓の大半は体のほぼ中央にあります。

では、どちらが重いのでしょう?

正解は右半身です。

人体の中で脳の次に重い実質臓器は、肝臓です。肝臓の体積の内、その8割が身体の右半分にあります。

真っ直ぐに立っているつもりが、鏡で見ると右肩の方が下がっている場合があります。あるいは右足の方が長く感じるときがあります。これもこうした臓器の位置による影響があるのです。

また、船や車、バスなどで車酔いを起こしたとき、右を下にして横向きになると楽になると聞いたことはありませんか?

これは、胃の位置が関係しています。

胃は右を下にしたほうが安定するので、胃の内容物が逆流しづらくなるのです。

他には、妊婦さんが横になるとき、左を下にして横向きで横になるとよいと、医師が指導する場合があります。

妊婦さんは子宮が大きいので仰向けで長時間眠ると、子宮が背骨の右側にある下大静脈を圧迫します。心臓へ戻る血液が減少すると、動悸や息切れがおこり、貧血と同じ状態になります。母体に酸素が不足すると赤ちゃんも苦しくなるため、左を下にすることで、下大静脈の圧迫が減り、血液の循環が良くなるのです。妊婦特有の腰痛も、左を下にして、クッションや枕などを膝で挟むことで軽減されます。

右脳と左脳がまったく違った働きをすることも、最近わかってきましたよね。

美容医療の現場でも、ニキビやたるみ、シワ、毛穴・・・など、いずれをとっても左右対称ではなく、どちらかの方が他方より、より深刻です。

最近「身体のゆがみをなおす」「左右対称に近づける」という施術があるようですが、これらは体をスケルトンにした、いわば骨格組織だけを考えた施術なのかなと考えさせられます。

医師の視点で考えれば、「左右対称に近づける」のではなく、「左右非対称」を受け入れ、左右どちらの機能も理解し、その上で「相互作用」の視点からどちらもうまく活用する為にはどうしたらいいのか考えていく方が、建設的のように思います。

人間は、左右非対称であることに意味があるわけですからね。


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