先週マーラーの交響曲第8番を聴いてきました。
演奏に大オーケストラと8名の独唱、さらにいくつかの合唱団が必要で、約1000人のキャストを擁するため、千人の交響曲と呼ばれる曲です。僕はこの曲を実際に聴いたのは人生2度目。
なかなか聴くことができない曲です。
マーラーはこの曲の初演の8ヶ月後に、50歳で亡くなりました。
まさに今の僕と同世代。
「交響曲第8番は人生最大の作品で、まさに大宇宙が響き始める様子。
もはや人間の声ではなく、運行する惑星であり、太陽です。」と書簡に残したことも知られています。
マーラー自身は千人の交響曲という副題は嫌悪していたようですが、この曲の壮大さを、まさに表現していますよね。
この交響曲は大きく二部に分かれていて、
第1部は賛歌「来れ、創造主なる聖霊よ」
第2部はゲーテの『ファウスト 第二部』から最後の場
という展開です。
ゲーテが生涯をかけて書き上げた物語、「ファウスト」を題材にした作曲家はベルリオーズやシューマン、リスト、グノーなどとても多いです。
国際学会周遊記でも何度か触れています。
http://clinic-f.com/blog/…
哲学、法学、医学、さらに神学まで研究しつくし、全ての学問を極めた老ファウスト博士が、悪魔メフィストフェレスと契約をしてまで求めたもの。
それは自らの若返りと女性との交わりでした。
マーラーはこの曲でファウストを「女性の愛をヴァルハラへ導く浄化作用」のモチーフとしていて、この作品を年が離れた妻のアルマに捧げているのですよね。
マーラーが自分の曲を他人に献呈したのは最初で最後だったのだそうですが、何かの思いを伝えたかったのでしょうか。
グスタフマーラーについて語ることはたくさんあります。
僕の初めてのマーラー体験は、高校生の時に聴いた交響曲第1番の「巨人」。
マーラーに嵌って、鎌倉図書館で順番にLPレコードを借りて、せっせとテープにダビングすることをしていました。笑。
ところがマーラーの交響曲は実際にリアルで聴いてみると、テープに入っていない音が聴こえる気がするのです。
多くの楽器が反響して倍音を作り上げているのでしょうか?
特に第8番は、旋律というものがあまりなく、ハーモニーで展開してゆきますので、リアルで聴くことがもっとも楽しむコツなのだなあと、改めて感じた次第でした。
こうした人生経験も、3月2日のクラシックコンサート企画につながってゆくのですね。
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藤本ミュージックアカデミー主催
「音楽は名医」 第一回 セルゲイ・ラフマニノフ編
脳の活性・ホルモンの分泌に有効なこと、それは音楽をライブで聴くこと
企画・指揮 藤本幸弘(医師・医学博士)
第一幕
スペシャルトークショウ
「クラシック音楽をライブで聴くことにより脳に何が起きるのか」
(医学博士:藤本幸弘 トークゲスト:元宝塚歌劇団宙組トップスター 和央ようか)
第二幕
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番 作品18 ハ短調
指揮:藤本幸弘
ピアノ:国内外で活躍中の男性ピアニスト(当日発表)
東京オーケストラMIRAI(創立5年目の新進気鋭の新しいプロオーケストラ)
https://eplus.jp/sf/detail/2986790001-P0030001P021001