今日明日はクリニックFの診療日です。
皆さんはこの連休どう過ごされていましたか?
僕は日本ソムリエ協会のワインエキスパート一次試験を渋谷で受けていました。
ワインエキスパートとソムリエ試験は基本的に同じ問題。
合格率も例年30%台という思ったよりも狭き門で、毎年のようにワインシャトーも原産地呼称地域も増えますので、教本も厚くなるばかりです。
ですが、その難しさから高学歴の受験の経験者たちが受けたくなるような試験なのですよね。
医師の取得者も多いです。笑。
連休は最後の記憶の詰め込み作業をしましたよ。
もしもワインエキスパート試験に興味がある人がいるのならと、僕なりの時間配分と攻略法を忘備録として残しますね。
みなさん半年から一年かけて準備するようです。
今年の5月上旬にフランスのリヨンで学会発表があり、1日だけブルゴーニュの畑に出かけたのですが、それはそれは素晴らしい体験でした。
今まではワインは感性で飲もうと思っていたのが、きちんと知識をつけて学んでみようと思ったのです。
アンチエイジングドクターの先輩であり、ワインスクールのレコールデュヴァン恵比寿校の校長であるシニアソムリエの青木晃先生に相談したところ、先生なら今からでも受かるかもしれないので、今から受験クラスを受講したらどうか?と勧められました。
ワインエキスパート試験は相当量を記憶しなければならないと聞いていましたので、覚悟がいりましたが、来年はオリンピック観たいしなあと。
受けるなら今年かなあと思い立ち、5月下旬に受講費を振り込み、スクールに通う事にしました。
スクール講義では、すでにフランスとイタリア および酒論の授業が終了し、中間試験が終わった状態。
入校日にたまたま開催されていた受講生の親善会に出たら、「え!講義が半分以上終わっているのに、今日から入るんですか?」と驚かれ、焦りました。笑。
数々の受験や資格試験を乗り越えてきた僕なりにワインエキスパート一次試験の短期突破法を考えてみました。
ワインエキスパートの試験は、基本的に毎年更新される指定の教本(青い本)から出題されます。
こちら本年度で717ページもあるのですが、こちらの隅々まで読み込まないと合格は難しいです。
多くのワインシャトーが毎年新たに認可されていますし、毎年改定が必要なのですね。
1) 合格できる能力になるまで約300時間かかるだろう。
8月の一次試験までの日程に、海外出張が3度も入っていて、時間的な猶予は2ヶ月切っている。
それをどこで捻出するか。
2)理解して学ぶ内容が全範囲終了してから、覚え込むのに2週間はかかると思う。
3)最初の1か月で、大まかに全範囲のボリュームを把握して頭の中に本棚を作り、その後に本を入れるように知識を入れよう。
大きく分けると、
1)ワイン概論 酒概論
2)フランス イタリア
3)旧世界(スペイン ポルトガル ドイツなど欧州諸国)
4)新世界(アメリカ オーストラリア チリ 日本など)
の4つのボリュームがほぼ一緒ですね。
レコールデュヴァンの受験クラスは全21回。
過去の講義はDVDで観られます。
かなり凝縮濃度の高い講義内容ですが、1.4倍速で観て、講義内容で強調されたところに線を引く。
時間を作ってすでに開催されていた10回分の3時間講義、つまり30時間分を観るのに6月末までかかりました。
資料は遡ってもらえましたので、かなりの量でしたが読み込みました。
本当は自分で手書きの勉強資料を作りたかったのですが、時間的にそれは無理と判断。
資料のプリントアウトも印刷した事で安心してしまうので、敢えてPCかスマホでしか確認しない方法にしました。
理解しなければならない、ワインの醸造方法、各国のワイン法などが3割ありますが、これは教本だけで理解するのはちょっと難しいと思います。とてもわかりにくく書いている章もあります。
特に本年だと26か国のワインシャトーと栽培地域(合わせて500程度)がどこにあり、どの色のワイン(赤、白、ロゼ、赤白、赤ロゼ、白ロゼ、赤白ロゼの組み合わせ、その他例外的な黄ワインなど)を作っていて、どの種類の葡萄(覚えなければならない葡萄は約100種類)を何パーセント使うか単純記憶しないといけないところ。
単純に体の部位名をラテン語と英語、日本語で覚えた医学部の時の解剖学の試験に似ています。
例えば、人体には骨だけでも約200個あるのですが、この骨のすべての突起や陥没部分には名前があり、どの骨一つとっても人体のどこの骨か、わかるように形も記憶するのです。
さらにその骨のどこから筋肉が始まっていて(起始)その停止部位までも、すべての筋肉を名前も含めて覚えたのですが、やはり記憶だけの試験準備に3ヶ月かかりましたね。
基本的な問題は6割程度出題されますので、独学でも合格は可能だと思いますが、ワインスクールに通うメリットは時間短縮と、仲間ができるという事ですね。
勉強法としては4色ボールペン(消えるもの)。
ピンクと黄色の蛍光ペンを用意しました。
各国地理的特色やワイン法、ワイン醸造用語(フランス語)→ 緑ボールペン
赤白ロゼなどの生産色 → 赤ワインは赤 白ワインは青のボールペン。
ロゼはピンクの蛍光ペン
を使用し、一目でわかるように、教本の地図にひたすら線を引き書き込む事に専念しました。
補助教材として本年度版の杉山明日香さんのソムリエ対策本を使用しました。
こちらはよく纏まっているのでお勧めします。
いわゆる語呂合わせ本は、思ったよりも良いものがなかったです。
スクールからもらった全ての資料と読んだ教科書を並べると、厚さ23cm。
あとはワインの疑似体験を得ようと、漫画「神の雫」「マリアージュ」を全巻買いました。
勉強に疲れた時に読みましたが、これは半分ぐらい読んだかなあ。笑。
記憶作業ですが、今はスマホがあるので、全く勉強法が変わりましたね。
板書の写真を撮り、仕事や移動の隙間時間に繰り返し読み直す。
必ずスマホで見ようと、あえてプリントアウトはしませんでした。
ワインスクールには数名の講師がいましたし、授業中の試験問題、参考文献なども強調する部位が少しづつ違うので、それぞれが重要な場所と強調するところに違った色の線を引く。
色が多く重なったところが、より重要なのは明らかですので、最後の記憶に役立ちます。
昔英語の辞書に色々な色の線を引いて、単語を覚えたのを思い出します。
特に役だったのは、ワイン講師の方達が前年の教本より加筆された部分を強調してくれたこと。
これらは初めて受ける僕には全くわかりませんし、明らかに試験に出やすいですよね。
昨年からはCBTという、プールされた試験問題からコンピュータで120問出題されるという形式に変わりましたので、圧倒的に問題数が増えました。
過去問の重要性よりは、教本を繰り返し読むということが大切だと思いました。
同じ本を何度も読むと、読むスピードが上がります。
記憶重視の試験の場合、記憶が薄れる前にいかに再び読むか。
やはりこれが王道ですね。
それと、時間配分を間違えないこと。
勉強するうちに、ボルドーの格付け60シャトーの名前を覚えたいとか、色々な欲が出てきます。
ちなみに僕は興味があったのでこれは覚えました。
しかし試験に出たのは5級のシャトーの一問だけ。
流石に落としませんでしたが、試験に受かるだけなら、これは受かってから後回しにすべきでしたね。笑。
ワインエキスパート資格はいわば、ワインを語るための共通言語を学ぶ、運転免許証のようなものですから、受かってから興味の勉強をすれば良いのです。
さて、テイスティングの2次試験に向けてまた頑張ります。
僕も呑むリエなので、ワインを飲んだ経験だけは長いと思うので、ずいぶん気が楽です。
当日風邪ひかないように、引き続き頑張ろうと思います。