昨日は今季のMETライブビューイングのビゼー作曲「カルメン」を観てきました。
2006年から映画館での上映が始まったニューヨークメトロポリタンオペラですが、カルメンはこれで3回目の上映です。
カルメンのオペラですが、実際に観たことがある方はどのくらいいるのでしょうか?
ストーリーも単純明快で、どの曲も聴いたことがある名曲ばかり。
僕はオペラ初心者にどのオペラを最初に観たらよいか聞かれると、まず魔笛かカルメンを観たらよいのではと薦めています。
そして、オペラを観る前に、必ず数枚の演出の違ったDVDで予習してゆくと良いと言っています。
とても楽しめますよ。
男性を振り回す悪女の典型と言われるカルメンは、メゾソプラノの声質を持つ歌手にとっては、ひとつの頂点ともいえる役で、ブルーレイなどの映像で大映しで流れることも多いので、美貌と演技力がある歌手が選ばれるようになりましたよね。
今回のカルメン役のクレモンティーヌ・マルゲーヌも歌はもちろん、演技が素晴らしかったですよ。
今年面白いと思ったのが、ロベルト・アラーニャ(ドン・ホセ)、アレクサンドラ・クルジャック(ミカエラ)の二人が、実際の夫婦であること。
良妻賢母になりうるミカエラが、悪魔さながらの女の魅力を全てもつカルメンに負けてしまい、(僕も含めて)男ってつくづくバカだなあと、いつも自戒を込めて観るのです。(笑)。
ですが、幕間でも話題になりましたが、今回のケースはミカエラがホセを家庭に持ち帰るのですから、ミカエラの勝ちですよね。
個別に非常に感銘を受けたのがルイ・ラングレの流れるような美しい指揮でした。
僕の好きだったカルロス・クライバーの指揮に少し似ているなあと思いましたよ。
画像はMETのWEBからお借りしました。
以下は、過去三回のメトライブビューイングのカルメンの配役です。
2018-19 クレモンティーヌ・マルゲーヌ(カルメン)、ロベルト・アラーニャ(ドン・ホセ)、アレクサンドラ・クルジャック(ミカエラ)、アレクサンダー・ヴィノグラドフ(エスカミーリョ)
2014-15 アニータ・ラチヴェリシュヴィリ(カルメン)、アレクサンドルス・アントネンコ(ドン・ホセ)、アニータ・ハーティッグ(ミカエラ)、イルダール・アブドラザコフ(エスカミーリョ)
2009-10 エリーナ・ガランチャ(カルメン)、ロベルト・アラーニャ(ドン・ホセ)、バルバラ・フリットリ(ミカエラ)、テディー・タフ・ローズ(エスカミーリョ)