映画を観て感動し涙がでるのは、映像からの刺激なのか音楽からの刺激なのか?
今週金曜日に音楽が脳に与える影響について、渋谷のホールでクラシックコンサートの前に話をすることになっています。
音楽会の前なので、久しぶりにタキシードを着て話す予定です。(笑)。
音楽が脳に与える影響は非常に興味深いものです。
一般的に現代社会においては、視覚の刺激はすべての感覚情報の8割を占める傍ら、聴覚情報は1割強だと言われています。
嗅覚情報に至っては5%ぐらいでしょうか。
一方、視覚情報は視神経から「新脳」である大脳皮質に転写されて理解認識されますが、聴覚情報は大脳の奥にあり感情をつかさどる「旧脳」である「大脳基底核」にダイレクトに伝わります。
そのため、聴覚からの情報は視覚と比較して、大きく感情を動かすのです。
ではここで質問です。
素晴らしい「絵」を見て感情が動かされ、泣いたというご経験のある方はいらっしゃいますか?
映画を無音で見て、心の底から感情が動かされ涙した経験はありますか?
一方で、素晴らしい音楽だけを聞いて涙を流した経験がある方は多いのではないかと思います。
映画を観て泣けるというのは、ストーリーの論理展開を聴覚が理解し、音楽によって感動が増幅するからなのだとおもいます。
現代生活を送っていると、視覚からの刺激に心を奪われがちになってしまいますが、聴覚が私たちの情緒に与える影響は、実はとても大きいものなのです。