凛舟ってご存知ですか?
このような舟の形をしていますが、オーディオサウンドシステムです。
帆の形をした湾曲板により音を増幅・反響する弦楽器のような構造で、耳に聴こえない帯域の振動をも人に伝達することが可能な、世界初の振動・音響発生装置です。
ステレオスピーカーでもないのですが、あたかも弦楽器の生演奏を聴いているかのようで、音響の素晴らしさには衝撃を受けます。
舟も桐の原木からの切り出しで作られていますので、月10台限定の生産なのだそうです。
著名なアンチエイジングの先生から、藤本が音響機器と音楽に詳しいので、どういった使い方があるのか聞きにいったら良いとご紹介をうけたそうで、お貸出しいただき、一週間ばかり使ってみました。
確かに幅の広い周波数の振動は、聴覚神経や骨伝導を介して大脳辺縁系の旧脳領域にダイレクトにはたらきかけます。
1)副交感神経を高めてリラックス効果を上げること
2)幸せや安定を感じる脳内トランスミッターのセロトニンを放出させること
3)報酬系のドーパミンを介して痛みを抑えるβエンドルフィンを出すこと
は、RRバライアビリティ測定装置やファンクショナルMRI などの先行研究によりわかっています。
機器を見ると、二つの帆の形をした薄い振動板が、船体の甲板と針のように接触することで共振作用をうまく起こしています。
この振動板の湾曲と、ヴァイオリンの最も重要な振動響板の役割を持つ表板を彷彿させる「薄さ」が特徴的で、特殊な良い音を出すのでしょう。
こちらに数時間分のハイレゾ音源の楽曲も含まれていますので、クリニックのBGM などにもいいですよね。
僕の専門の一つである痛みマネジメントにも効果がありそうですので、ホスピスなどにも良いのかもしれません。
僕も、新たに作られた、医療施術や機器の、医療検証のご相談を受けることもしばしば。
医学、工学、薬学の研究をした科学者として、新しい医療機器や医療施術を、科学的手法を用いて医学的に効能を立証するという仕事を、過去10年で、十数社の企業とやってきています。
凛舟さんとは、今後どんな関わりになるかわかりませんが、色々自分なりに策を考えてみたいと思います。
現在は、ポストマーケティング時代。
どんなに素晴らしいものでも、単に広告PRをして売れるものは、ほとんどありません。
ものづくりの国で、企業努力をしていない企業などありませんので、素晴らしいものが作られるのは当たり前です。
もちろんその後ろにどのような起業家の努力があるのか。
何を根拠・エビデンスにして立証しているのか。
特に高額商品の場合、価格に見合った価値が見いだせるのか。
といったストーリーも作る必要がありますが、
要は商材としての差別化が行われて、適切な時期にマーケットに商材が投入されているか?
というバランス感覚が大切だと思うのです。
世の中には経営の成功体験談がたくさんありますが、時と運が味方した経営モデルを、違う時に違う人が真似をしてうまくいくはずがない。
MBA的な知識で、経営の失敗率を下げる術は学ぶことはできますが、新しい商材が経営的に成功するかというのは別問題。
成功の法則は、存在しないのです。
科学的に独自の方法で立証した技術を、いかに効率よくマーケットに乗せるか、起業家と一緒に考えてゆくのが僕の好きな仕事の一つなのです。
これは、美容皮膚のために肌をメンテナンスしにくる自分の患者さんに対して、それぞれの予算と時間を考えて、最も適した機器のアドバイスをするという、クリニックFの患者さんへの個人コンサルタントをしていることで得られたバランス感覚なのだと思いますよ。