クリニックFのお盆休みが終わりました。
僕は広島の呉の実家に行きました。
100歳を迎えた祖母や70代となった両親に会うと、だんだん病気と正面から向き合わないといけない状況になってきたなあと思います。
こちら実家の前に広がる海と、実家の車。
今やクラシックカーの仲間入りをしたメルセデスR129 SL500Editionです。
大切に乗っています。
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呉滞在中も古いブログを読み返していました。
古い記事に今も変わらぬ思考を確認すると、ぶれなくこの10年進んできたことも同時に確認でき感慨深くなるときがあります。
そのうちのひとつを今日もご紹介しますね。
2012年6月10日のブログから
http://clinic-f.com/blog/12/post_2299/
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思えば、僕が大学病院にいた約10年、当たり前ですが「病気の人」しか診ませんでした。
病気を治す、それこそが医師の仕事であるということに当時疑念を抱いたことはなく、その上で医学部では病気について習い、その後の臨床を通じて病気の専門家としての知識や経験は得たと思うのですが、その一方で、ではどのような状態が健康なのかということを深く考えたことはありませんでした。
「病気」の人ばかりを診察し、「病気と健康」というように二元的に対比してしまうと、「健康ではない=病気」という考えになるのもある意味当然かもしれませんね。
けれど、多分思い当たる方は多いかと思いますが
「病院で治療してもらうほど病気でもないけれど、自分が健康かといえばそれについては自信がない」
という人が本当に多いのも現代です。
その状態で病院に行けば、それでもそれを何かの「病気」にカテゴライズし、薬を出すことも可能でしょう。
しかしながら、この「薬」ではなかなか改善することもないのが、難しいところです。
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今僕はクリニックFで、健康な人を診察しています。
「健康な人を診察している」という意味は、保険診療の対象となる病気を診ていない、ということです。
僕の領域で言えば、皮膚に現れる病気=皮膚疾患を診察し治療を行っていないのです。
そうした診療スタイルをとって久しく、欧米ならともかくこの日本でこの診療スタイルが受け入れられるのかな? と思った時期もありましたが、おかげさまでなんとか今日までやってきました。
そんな中で思うことのひとつに、健康な状態とひとまとめにされるものには実際に乖離があり、その度合いというものは大きく違うのだ、ということがあります。
一般的にもわかりやすい言葉を使ったイメージでいうと、
「完璧な体調」
「すごく健康」
「おおむね健康」
「普通の健康」
「疲れが取れにくい健康」
「ちょっと体調が悪い健康」
「病気の予備軍となる健康」
「病気になりかけの健康」
「病気」
と、様々なグレードの健康な状態があり、その中の一部が「病気」
ということなのです。
アンチエイジング医療・美容レーザー皮膚科という科は、それこそ健康な人しか診ません。
健康を専門とする医師に定期的に健康な状態を診てもらうことで、得られるメリットは大きい。
上記の「健康」の文字を、「肌」と書き換えれば
「シミ、あざを取る」という、旧来のレーザー治療以外にも、より健康で、若々しい肌を作るのに、様々なレーザー光治療機器を使うことがイメージできると思います。
この10年間にアメリカで開発され、世界中に広まったレーザー・光治療の一番大きなメリットは、肌に対してレーザーをメンテナンス照射することで、健康な肌をより健康に、美しくすることができるということに尽きるのです。
これからは日本で最も人口の多い団塊の世代の人たちが高齢化します。
「いかに健康であるか」という議論を、「健康」の専門家として提供できるように知識を蓄えてゆきたいですね。