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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

三田 中国飯店で グレースユニオンの講演 永遠のゼロ 地震

おはようございます。

今日は12月8日土曜日。

クリニックFの診療日です。

「師走」という言葉の語源には諸説あると言われていますが、そのうちのひとつ=12月とは「師匠の僧がお経をあげるために東西を馳せる」月という説を思い出さずにはいられないほど、毎日が走るように忙しいですね。

年末に米国への出張ももう一つ入っており、あと20日あまりではどう考えてもこなしきれない用事をなんとかやりくりしなければなりません。

なんとか無事に駆け抜けるべく、体力の維持に努めたいと思います(苦笑)。

昨日は早朝便で高知より帰り、クリニックで診療したのち、外来を早めに切り上げて、三田に移動しました。

他業種交流会にて、招待講演をさせていただいたのです。

ちょうど地震の直後でしたので、金曜日ということもあって道も電車も大変混んでいました。

患者さんのご不安を考えると、昨日は早めに診療を切り上げて正解だったかもしれませんね。

さて、昨日の講演内容は

「欧米のアンチエイジング医療の最先端」

「アンチエイジングビジネスに対する株式会社参入のメリットとデメリット」

について。

枠組みとしては3つの柱があり、

1.医療崩壊の現状とアンチエイジング医療の可能性

2.最新レーザー医療の現状について

3.アンチエイジングビジネスに対する
株式会社参入のメリットおよびデメリット

の順でお話しさせていただきました。

アンチエイジングという言葉は、今では誰もが知る一般用語になりましたが、約10年前は商標登録の申請が通ってしまうような特殊な言葉でした。

中国の皇帝が「不老不死の薬」を探したように、抗老化ビジネスは、今後日本や中国をはじめとしたアジア圏の高齢化社会では、避けて通ることができない大きな市場として認識してよいと思います。

いつまでも若々しくいたい、できるだけ現役でいたい、ということだけでなく、長寿を全うしその果てに死を迎えるにしても、できれば穏やかに死にたい、長患いしたくない、家族にできるだけ迷惑をかけたくない・・・というのは、誰しもが思うことではないでしょうか。

そうした広義に渡る意味での「アンチエイジング」を考えれば、誰にとっても身近でイメージのしやすいものになってくるかと思います。

このようにアンチエイジング市場には大きなカテゴリーがあり、それぞれの業種ごとにメリット・デメリットがあります。

昨日の内容は、同じ聴衆の枠で話すべきではなく、社外コンサルタントのように個々の企業のメリットを聞いたのちに話すべき内容ですが、講演では大枠について触れさせていただきました。

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閑話休題

長寿と飽食との闘いでもある現在の日本。

しかしながら、数世代前の日本では20代の若者が戦死する状況がありました。

高知出張の前に購入しておいた小説「永遠のゼロ」をようやく読むことができました。

この話は来年映画化されますよね。

僕の母方の祖父は一高を卒業して医者になりましたが、父方の祖父は海軍兵学校を卒業した海軍士官でした。

祖父は、父がわずか4歳の時に若くして亡くなりました。

自分の直系の祖先については、どのような考えをした人だったのか、どのような人生を歩み、どのように亡くなっていったかは、だれもが興味がありますよね。

「永遠のゼロ」は、26歳の孫が、同じく26歳という若さで特攻隊員として死んでしまった祖父について、祖父の戦友に取材して祖父の人間性を徐々に顕在化させる話です。とても共感できました。

この物語は小説ではありますが、史実に沿って太平洋戦争時の歴史が語られ、しかも一部は実名で記載がなされています。

ゼロ戦闘機(皇紀2600年=昭和15年=1940年に作られたからなのだそうです)の記載を通じて戦前の日本の航空機技術力の高さを知ることができます。

さらに、太平洋戦線において、戦況の大局を見ることをせずに、小さな功を上げることに終始し、数々の戦術上の勝利を生かせずに致命的な戦略ミスを繰り返した当時の司令官についても、現在の日本の政治の混乱が、日本人の気質によるものなのだと客観視する事ができます。

そして、太平洋戦争を引き起こし、さらに戦況が不利になっても特攻隊を出してまで続けてしまったこと、さらに戦後に国民が国家について誇りを持たなくなったのも、新聞社による世論の誘導があったと、作中の人物に述べさせています。

日本の近代史を勉強すると、思うところもありますね。

発売より少し時間が経過してしまいましたが、このように心動かされた小説に出会ったのは久しぶりです。

小学生の道徳の時間に1年かけて読ませてもいいようなクオリティだと思いました。

きっとそうした教育を受けた子供たちが大人になるころには、日本も変わりますよ。


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