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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

人間到る処に青山あり

2010年07月20日(火) カテゴリー:徒然

引き続き男性の患者さんも多いクリニックFです。

10代~30代は、ニキビ跡で悩む方。

35歳以降はアンチエイジング目的の方。

最近は、そこからのご紹介で、患者さんの奥様やお母さん、お姉さん、妹、そして彼女が来る・・・というケースも結構あって

「本当に時代は変わったよなあ・・・」

と感じますね。

先日は、20代の患者さんと一緒に、お母さんがお見えになりました。そのお母さんは自分は毛穴のことでもう50年も悩まれてきた、と。

そして

「毛穴を治療することはできないと思ってきたのですが、クリニックFの治療でどんどん綺麗になる息子の肌を見て、自分も来たいと思ったんです」

とおっしゃっていただきました。

これはとても嬉しかったですよ。

また、40代以上の患者さんとは、治療の話だけでなく世間話でついつい時間が経ってしまうことも多いのですが、先日は60代のある経営者の方と漢詩の話で盛り上がりました。

「男として生を受けた人間の生き様」として、たまたま話題に上がったのです。

ひとつは、三国志の英雄で、僕も好きな曹操の漢詩「歩出夏門行」です。

曹操孟徳はその血族の夏侯氏らとともに、魏を作り上げた武将です。三国志演義では諸葛亮孔明を神格化するため?に悪役として書かれていますが、思うに1000年に一人の英雄なのではないでしょうか。

「武」ばかりではなく、「文」においても秀でた才能を持った武将でした。

歩出夏門行も、長い漢詩なのですが、特にこの部分が有名ですよね。

神龜雖壽

猶有竟時

騰蛇乘霧

終為土灰

「神亀は寿しといえども なお終る時あり 騰蛇(ここでは竜の意味)は霧に乗ずるも 終には土灰となる」

老驥伏櫪

志在千里

烈士暮年

壮心不已

「老驥は櫪に伏すも 志は千里にあり 烈士暮年 壮心やまず」

現代語訳は

「亀の中には長寿のものもいると言われているが、いくら長くとも命はいずれつきるものである。

霧にのって舞い上がる竜も、最後は土や灰ととなって消えてしまう。

しかしながら、駿馬はたとえ老いて馬屋に伏したとしても、志は千里を駆け巡っている。

志をもった男は年老いても大志を抱いた心を忘れないでいる。」

・・・といった意味です。

歩出夏門行は曹操が32歳の時の作品であるとか。

曹操は65歳、西暦でいうと220年に病で倒れるまで生きましたが、きっとその時も同じことを思っていたのでしょう。

僕はこの詩がきっかけで、動物の中でも馬が特に好きになりました。今でもそうです。(馬が好きだと話をすると、良く聞かれるのですが、僕は府中に通う馬好きというわけではありません。念のため(笑))

もうひとつ話題に出たのは19世紀の幕末の勤皇僧侶である釈月性が読んだ漢詩。

将東遊題壁 です。

男児立志出郷関

学若無成不復還

埋骨何期墳墓地

人間到処有青山

「まさに東遊せんとして壁に題す

 男児志を立てて郷関を出ず

 学若し無く成るんば復還らず

 骨を埋むるに何ぞ墳墓の地を期せんや

 人間(じんかん)到る処に青山あり」

現代語訳は

「男児たるもの、いったん志を立てて郷里を離れるからには、学問が大成しない限り二度と戻らない覚悟である。

故郷の墓地に埋葬されようなどという考えはとうに捨てている。志を天下に求めるのならばどこで死んでも本望ではないか。

どこであっても自分の骨を埋めるくらいの青々とした山はあるだろう」

今年は「龍馬伝」で盛り上がっていますが、幕末の勤皇志士達はこの漢詩の文言を座右の銘にしていたんでしょうね。

この詩は、高校のとき教科書で読んだのが最初だったと思います。でもあのとき理解した内容と、今理解する内容ははっきり異なります。

大人になったということでしょうか(笑)。

漢詩には良いものがたくさんありますよね。

その中でもこのふたつは僕も大好きで暗誦できるくらいですが、改めてこの連休は本棚から古い本を引っ張り出して声を出して諳んじてみましたよ。

気合いが入りましたね。


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