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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

会員制のクリニックになる可能性は

クリニックFの診察券です。

クレジットカードや保険証と同じ大きさ。

この手のクリニックの診察券にしては、品がいいですね

と、お褒めのお言葉を頂くことが意外と多くて、僕も気に入っています。

照明を少し変えるとわかりますが、この診察券はマットな白ではなくて、僕の好きな色の一つであるパールホワイトなのです。

実は開院当初に用意したこのカードが、もう少しでなくなってしまいます。

僕がクリニックFを作った当初考えていたことは、この体制で診療をしてゆくと、ある人数の患者さんが集まったら、予約も入りにくくなるため、クリニックを会員制(一定数の患者さんの入れ替え制)にしようということでした。

クリニックFは、完全予約制です。また、僕が海外出張に度々行くことができるように(笑)、施術室がふたつしかない、できるだけコンパクトなつくりにしています。患者さんに治療を行うスペースよりも、レーザーの倉庫代わりになっているスペースの方が広い(笑)。患者さんに対して、いつでもどんなレーザーでも使用できるよう、すべてのレーザー機器を準備しているためです。

ある時期を迎えたら、患者さんが入らなくなってしまうこともありますが、限られたマニアックな患者さんに対し、全力で接客できるようにするには、「会員制」にしたほうがいいかな、と思ったんですよね。

そして、クリニックを維持するために、必要な会員の数を経営学的に割り出し、その人数を想定して、その数だけ作ったのがこの診察券。

ひと昔前までは、美容クリニックを「会員制」にする、なんていう発想はありえませんでした。あったとしても、それはビジネスとして成立しずらかったことでしょう。

なぜなら、美容クリニックが想定している顧客層は、以前ならば「一見さん」がメイン。初診で来て、疾患の治療や改善が済んだらもう来ることはないお客さんでした。こうしたクリニックに来ることも、友人や家族にも内緒で来ておられるケースが多々あったことでしょう。

しかしながら、ここ数年の機器の進歩によって、レーザー/光治療が

■病気を治療する診療/施術

から

■若々しい肌を維持するための診療/リピート施術

に代わって来ました。

これは、

○1999年のフォトフェイシャル・デビューにより、色素性老化の治療が

○2002年のサーマクール・デビューにより、形態的老化の治療が

○2005年のフラクセル・デビューにより、感触的老化の治療が

可能になり、また、数種類の治療器を繰り返して打ち込む施術・・・

たとえば

e-light SR + e-light ST + Matrix IR (トリニティ)

オーロラ + リファーム or ポラリス (ギャラクシー)

ライムライト + タイタン + ジェネシス

フラクセル + サーマクール (サーマフラックス)

なども市民権を得るようになり、

これで表皮から真皮まで、肌を若返らせるための役者がすべて出揃ったためです。

つまり、ニキビ跡であろうと、毛穴であろうと、肝斑であろうと、疾患や肌質に関わらず、ハリとツヤのある、透明感に溢れる肌を、誰もが手に入れることを望むことができるようになったのです。

そうした変化に伴い、レーザークリニックが想定する顧客は一見さんではなく、リピーターに代わっていきました。

クリニックに来ることも、誰に隠す必要もなくなり、よりカジュアルで明るいイメージになってきました。

実際、友人同士や、親子、時にはご夫婦で仲良くおいでくださる患者さんがどんどん増えてきました。

レーザー/光治療が、自然劣化する肌をメンテナンスするために使用されるものに変化しつつあるのであれば、リピートしてクリニックに足を運んでくれる患者さんが最もクリニックFにとって大切な顧客であり、そういう人たちに最もメリットがあるようにクリニックを運営してゆきたい。

そういった視点で考えると、「会員制の美容クリニック」がにわかに現実味を帯びることになるのです。

経営学的に言っても、新規の顧客を開拓するコストは、リピート顧客を維持するコストに比べて5倍以上のコストがかかります。

 

クリニックも三年目を迎え、日本でもクリニックFにしか導入されていないレーザー光機器も出てきました。

さて、冒頭の診察券。このまま新規の患者さんが増えていくことを想定しさらに枚数を発注するのか、それとも当初の予定のように会員制に移行するのか。

思案中です。


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