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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

レーザーによる肌の基礎工事の重要性

クリニックFにいらっしゃる患者さんで、事前に施術するレーザー治療器を決めてくる方がいらっしゃいます。

特に、フラクセルやeCO2、アファームといった、毛穴やニキビ治療に使われるレーザーを最初から指名して来られる方が多いようです。

でも、レーザー光治療器には照射する順序があると思うのです。

つまり、適切ではない時期に、適切ではないレーザーを使用してしまうと効果が全くないばかりでなく、むしろ肌を傷めてしまう可能性があるということです。

肌は加齢とともに自然劣化するものです。

これは何人たりとも防ぐことができないものです。

ですが、レーザー光治療の効果を出すためには、まず、その老化の速度を遅くし、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を増やすレーザー光治療器を選択して、肌の基礎工事を行い、土台を作った上で、フラクセルやパール、eCO2といった効果の強いレーザーを選択するのがよいのです。

今回ドイツ・ベルリンで開催されたEADV欧州皮膚科学会でも、米国サンディエゴのMitchel Goldman先生がフラクショナル機器の比較演題を、こんなわかりやすいグラフを使って発表していました。

お願いしてこのスライドを手に入れることができたのですが、市場にあるほぼすべてのフラクショナル治療器の効能をまとめた非常に良いプレゼンテーションで、会場でも話題になりました。

特にニキビ跡や、毛穴を治療するのに効果を発揮するフラクショナルレーザーは、肌に杭を打ち込むような作業のレーザーがほとんどです。

基礎工事が終わっていない「ぬか」のような肌、あるいはすかすかになってしまった「スポンジのような肌」に杭を打ち込んでも、効果はないですよね(笑)。

レーザー光治療器によって、内因性のコラーゲンとエラスチンをきっちりとつくり、密度の濃い皮膚を作る。そういった実質をしっかりして基礎工事した上でなければ、大きな建物も建てられないということです。

クリニックFでは、基礎工事に使用するレーザーを、患者さんによって変えています。

表皮で止まる波長の機器と、真皮まで届く波長の機器を、数種類組み合わせて照射するのです。

パワーの設定がされた後は、

「前回照射より2ヶ月間以上間隔が開いた場合、また季節が変わり湿度や気温の変化が著しい場合、その間日焼けのような生活習慣による皮膚に負荷が加えられたような劣化が認められる場合、同じパワーもしくはひとつパワーを下げて照射」

「前回照射よりも2ヶ月以内に照射できる場合、大きな季節の変化もなく、その間生活習慣による皮膚の劣化も認められない場合、一段階づつパワーを上げて照射」

という原則のもと、治療を行ってゆきます。

回り道のように見えても、そのほうが確実に後で結果がついてきて、患者さんからも喜ばれていますよ。

 


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