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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

医者の心とワーグナー

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自費診療のクリニックをやっていると、気にしないようにしようと思いながらも売り上げが気になってしまうものです。一台でフェラーリが買えてしまうようなレーザー機器を何台も揃えないとやっていけないこうしたクリニックは、初期投資や毎月のリース料もタイヘンですから、つい「今月大丈夫かなあ・・」と不安になるのでしょう。そして売り上げを気にする自分を客観的に見て、時々ですが、「医者として俺がやるべきことはこれでいいのだろうか・・・」と漠とした不安にかられます。医療と経営は二律背反なのですね。

僕はクラシック音楽が大好きですが、こういう不安なときに遠ざかってしまうのがワーグナーです。ワーグナーの音楽は、男としての自信に満ち溢れ、それをさらに後押しするような曲ばかりですからね。ヒトラーがワーグナーを好んだのは有名な話ですが、TVドラマ「白い巨塔」でも、財前吾郎がワーグナーを口ずさんでいました。彼にあの曲を当てはめたディレクターさんはすごいな、と思ったことを覚えています。彼の性格とぴったりはまっていました。

ちなみに、ドライブ中に聞く音楽でもっとも危険な曲は、ワーグナーの『ワルキューレの騎行』であるという調査結果が、イギリスかどこかの調査期間で出されたことがあります。確かあのような早いビートの曲を大音量で聴くと、ドライバーの危険回避の動作が約20%遅れるとか。

でも、今日は久しぶりに20号線を走る車内でワーグナーを聴きました。1ヶ月に2度の、痛みの治療をしている在宅医療の日だったのです。寝たきりの患者さんで僕を毎月待ってくれる人が何人かいて、大学病院にいた時からもう10年ほど、こうした方々のお宅に伺って診療をしています。医者として患者さんに必要とされていることを肌で感じ、僕が医者としての自分の仕事に確信と自信を持てる時間。 これだけは、ずっと続けていきたいと思う仕事のひとつです。


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